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転生したら……えっ! 戦車⁈   作者: 真野真名


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21/38

20、撃つというのなら、私諸共撃ちなさい!



 えんやこらさんズ(仮)が現れた。

 仲間になりたそうにこちらを見ている。


 よし! これで勝つる!


「えんやこらさんズ(仮)いらっしゃい。 待ってたよ」


[来たよー][来た来た][今来たよー][どやさー]

[なになに用事ー?][ここにもでっかいのがいる][キモイ][長ーい]


『ふぅ……』

  

 ん? チハたんが脱力した。

「まだまだこれからなのに、気を抜くの早いわよ」


『失礼しました。心配事が一つ片付いたのでつい』


 どうせ細かいことをちまちま考えてたんだろうけど、そのうちハゲるんじゃないかしら。


「えんやこらさんズ(仮)にお願いがあるんだけど、地面をカチカチにする魔法とか使えたりしない?」


[無理ー][出来ない][魔法使えない][助けるだけ][増幅伝達][媒介][バイカイ][バイバイ][バイバイー][じゃーまた]


「こらー! 帰ろうとするな! 用事はそれじゃないのよ」


 ふーふー。魔法は使えないだろうなと思ってたけど、一応聞いてみたらこれだよ。


「えーっと、もう一個。これも聞くだけね。わたしって魔法使えたりしない?」


[無理ー][出来ない][魔法使えない][でも使える][使える子いる]

[使えるけど使えない][使えないけど使える]


 なになにどういう事? 哲学? わかんない。チハたーん!


『魔弾の事では無さそうですね。魔弾はすでに魔法として“そこに有る”ものですから。すみません。理解不能です』


 むー。使えないけど使える。使える子……。


「えーっと、使える子ってわたし?」


[違う][違うけどそう]


 だめだ。わかんない。それより、戦闘予定位置への誘導だね。




 わたしはヘイジさん(仮)を誘導して、木々がまばらな広い空間に出た。


「えんやこらさんズ(仮)、あの魔物の魔石の場所わかる?」


 故カマヤツさんに集ってたえんやこらさんズ(仮)が、外側からしっかり魔石の場所を把握してたんだよね。


 で、ヘイジさん(仮)の魔石の場所を教えてもらって、そこを砲撃。胴体くらいは余裕で貫通するし、うまくいけば、魔石だけ外へ。仮に魔石が壊れても魔素は大気に拡散して、この世界の助けにはなる。


 そして、魔石の無くなったヘイジさん(仮)はお亡くなりに。


 壊れなければわたし達の得。壊れてもこの世界の得。ヘイジさん(仮)から素材もゲット。

 完璧。I’m a perfect woman!!


[わかるよー][わかる][でも魔素はとれないよ][生きてる子からは無理ー]


「場所さえわかれば大丈夫よ。魔石のある場所に集まって」


[オーケー][集まればいいのね。簡単][余裕][行くよー][魔石のある位置へゴーゴー][ゴーゴー位置][あるときー][ないときー]


「チハたんは射線確保。動く相手だから余裕もって位置取りよろしく」


『えんやこらさんズ(仮)への退避指示のタイミングはいかがいたしましょう』


「ん? 退避? 要らないでしょ。当たっても大丈夫でしょ。 魔弾が魔法展開したら喜びそうじゃない?」


『あー、いつもの根拠なし予想ですね……』


「万一の事があっても多少数が減る程度で、問題なしよ」


『…………南無』



 魔導銃の威嚇射撃と撹乱移動で、絶好のポジションが確保出来た。


 ヘイジさん(仮)も負けじと銭を投げてくるが、わたしには当然かすり傷ひとつない。さらにえんやこらさんズ(仮)が投げ銭に集って、魔素を吸収している。

 “寛永通宝”とか書かれたコインのクッキーってまだ売ってるんだろうか。


 あとは、えんやこらさんズ(仮)目掛けて魔弾を打ち込めば、みっちゃんコンクリート!


 にょろにょろ動くけれど、わたしの視線は、魔素の濃い部分から離れない。

 よし! 魔弾装填! タイミングバッチリ! 


「撃てー!」


 あ、そうですか。すでに撃ってますか。

 この射撃システムやっぱり改善の余地ありよね。


 発射された土属性の魔弾は、わたしの視線の先、ヘイジさん(仮)に向かって進んでゆく。多少動いても逃さないわよ。

 着弾まで、5、4、3、2……。


 あれ? えんやこらさんズ(仮)が直前で避けた? 


 魔弾はヘイジさん(仮)の胴体を破壊した。

 ヘイジさん(仮)は破壊された胴体部分から千切れ、左右に跳ね上がった。


 …………でも、えんやこらさんズ(仮)は片方の胴体にまだ集っている。


[わーすごい爆発][魔素がいっぱい][面白ーい。もっかい。もっかい][魔石ここよー][魔石ここ]


 直前に魔石が移動した?!


 二つに千切れたヘイジさん(仮)は両方の裂け目から、ウニョウニョしたものが出てきて、合体を始めた。


「失敗? 身体の中で魔石を動かせるなんて……」

 

 第二作戦《ごいごいすー》準備!





『!!!!…………!』

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