2、戦闘車輌は電気羊の夢を見るか
初投稿本日2話目です。
非理系のわたしが書いたナンチャッテ理系風なエピソードです。
何度か手を入れてみましたが、限界です。
すちゃらかです。
読み難く解り難くてごめんなさい。
非常に不本意ではありますが、この回はざっくり斜め読みして頂いても大丈夫かと思います。
ここで「なんじゃコレわけわからん」って帰られるよりは……。
それでも呆れず読んで頂けたら嬉しいです。
短編【桜、終焉の記憶】も併せて
ご一読よろしくお願いします。
https://ncode.syosetu.com/n1164ld/
鬱蒼と生い茂った樹々が複雑に絡み合った闇深い森。森の外周部分に巨人が木々を毟り取ったかの様に見える一部開けた場所があった。
その空地で1両の戦闘車両が目覚めようとしていた。
………………。
…………。
【起動シーケンス進捗率50パーセント。PLCよりOSへ起動シーケンス移行】
【OS了解。起動シーケンスに並行して状況確認を開始。マザーとの接続失敗……作戦システム管理群への接続不可……データリンク1から24全てに反応無し。CTPブラックアウト……現在位置不明。マイクロドローン射出準備】
本来なら最少でも戦車4輌、機動歩兵6の一個小隊で展開されるのだが、ただ1輌のみがひっそりと蹲っていた。
…………………。
【マイクロドローン残機2……射出中止……上部全周囲センサー稼働】
何らかの異常事態である事を認識しながらも、手順に従って坦々と起動準備を行い、併せて状況を確認すべく情報収集にも努めていた。
未知の土地での単独行動の際、『それ』にとっての優先順位は自己の安全では無く、軍機を護る為の自己破壊のタイミングであった。
【起動シーケンス終了。コマンダーシステム起動。作戦指揮型擬似人格AIデータ受信準備完了。マザーとの再リンクを開始……接続……データダウンロード30パーセント……レイテンシー増大、転送速度低下……。周波数変更……コマンダーシステムにプロトコル外データ流入……】
小隊指揮車である『それ』には起動後、司令部のマザーコンピュータから作戦指示を含んだ作戦指揮型擬似人格AI、通称『コマンダー』がデータとして送られて来るのだが、受信途中、システムに規格外のデータが割り込んで来た。
【ウイルスチェックを開始……リンク作業を強制終了……リンク切断不能……システム再起動……再起動不能……システムへの侵食率増加中。サイバー攻撃と認む。アンチワームウイルスアップデート……対ウイルス戦を開始】
『それ』は自身へのデータ侵食を防ぐ為、リンクの切断と既に侵食していたデータに対する排除修復を試みた。
しかし通常では受け切れない大容量のデータが一気に回線に割り込んで来た為、マザーの支援も得られず、機体のサポートシステムでしかない端末の一つに過ぎない『それ』では対処しきれなかった。
【……ウイルス駆除失敗……】
コマンダーシステムへの未知のデータ流入を防ぐ事が出来なかった『それ』は、一旦は機体のコントロールシステムから『コマンダー』を完全に切り離す事にしたが、端末のオペレーションシステムだけでは機体の機能を万全な状態にする事が出来ず、緊急措置として活動に必要な最低限のデータ以外をバックアップ領域に移しコマンダーを起動させる事にした。
如何にそれが優れたステルス性を持ったコードで有っても一旦隔離しておけば、その後時間をかけて駆除は可能であり、処置として問題は無いはずであった。
それが人の手によって作られたウイルスであれば……。
…………………。
【コマンダーデータオーバーライト……。データバンク内アクセス不能領域を80パーセントに設定……緊急措置として不可触領域に設定】
…………………。
……。
【コマンダーシステム起動……コマンダーシステムデータリンクエラー……API挿入……APIリクエスト拒否……回線に障害】
起動した『コマンダー』は想定外の挙動を起こし、サポートシステムである『それ』からのシグナルを受け付ける様子もなく、さらに暴走の予兆もあった為『それ』は自爆シーケンスを開始した。
【クライシスコントロールC発動。全データ対象にストレージセンサー起動。自爆シーケンス開始】
通常であれば作戦指示等、軍事行動に関する物から順次データの消去に掛かるのであるが、指示データは未確認のまま隔離処理されている為、先ず未知のデータを隔離しているストレージから消去を開始した。
データを消去する為に最低ラインのリンクを復帰させた瞬間、データベースに処理限界を超えた負荷が掛かった。
過負荷により重大な損傷を受けたデータをリカバリーする為、直ちにフラッシュバック機能が働き、データベースが強制的に再起動させられた。
…………………。
…………………。
…………………。
…………………。
…………………。
…………………。
【起動シーケンス終了。コマンダーシステム起動。作戦指揮型擬似人格AIデータ受信準備……データ既に受信済みですね。……ん?……。問題無しですね】
データに起こった重大な破損をリカバリーする為フラッシュバックされた『それ』は本来の『それ』と大きく変わっていた。
『それ』は状況に若干の違和感を覚えている様だが、エラーとしては認識されていない様だった。
【コマンダーシステムのデータに一部不可触領域が設定されていますが機能に問題は無い様です。どうせ司令部が勿体つけて作戦データの一部を秘匿してたりするのでしょう。『コマンダー』覚醒までの間に機体の状態と周辺の状況を確認しておきましょう】
…………………。
【『コマンダー』とハードウェアとのリンクが不完全ですね】
…………………。
【機体に損傷および修復の必要な箇所はないようですので、危機的状況とは言えませんが、魔素の残量がレッドゾーンなのは厳しいです】
…………………。
【周囲状況、おおよそ判明しました。周辺の植物相も既存のデータと合致しないようです。帝国および周辺国家のいずれとも合致しません。大気中の魔素も薄すぎますし、よく分からない状況です。わからない事に悩んでも無駄ですね。『コマンダー』が覚醒したら判断は押し付けちゃいましょう…………?……?……思考ロジックに問題有り?……システムチェック要?……バグ無し?、エラー認められず?……再チェック要?……再チェック不許可です……え?………………】
…………………。
…………………。
…………………。
【システムオールグリーン、問題無しです】
…………………。
【状況確認終了しました。魔素残量3パーセント……魔素補給システムを優先します。一部センサー類を残しシステムを休眠します。おやすみなさい】
【警告! 未確認生命体接近中……】
《うーん。もう食べられないよ。みたらし団子はポッケに入れてお持ち帰りぃ……》
わたしの辞書に理系の文字は有りません。
なので、システムとかすっごい適当です。
なんやw! 意味わからんぞ! ってご批判多数だと思いますが、異世界のシステムって事で許してください。
でっかい箱から伸びた変な棒を、キコキコして一言命令するだけで、巨大な青い鉄の人が飛んだり、戦ったりするのも有ったりしましたし。
▼用語解説風言い訳▼
PLC (シーケンサー):物事を順序立てて行うためのコンピュータっぽい。食器入れてスイッチポンで、洗って濯いで乾燥までしてくれる食洗機もこんな感じのんで動いてるみたい。わかりやすく言うと、ピタゴラスイッチみたいなもん。知らんけど。
OS (オペレーションシステム):ハードウェアとアプリケーションソフトの間に入り、それらを制御・管理する役割らしい。いわゆる中間管理職。ブラックな環境で酷使すると疲れが溜まって時々固まったりする。
CTP(共通戦術状況図):戦術レベルで各部隊間の状況をリアルタイムで共有するためのシステムだそうです。これを前に、服にいっぱいバッヂ付けた偉そうなおじさんが、腕を組みながら知ったかして、周りに迷惑がられてる場面をよく見かける。
CPU(中央演算処理装置):ソフトウェアの実行や他のデバイスの制御など、中心的な役割を果たすエライ人。
API(アプリケーションプログラミングインタフェース):システムが異なってても繋いじゃう通訳的な人。
例:「ママー来週ヨシオ達と海行ってくる。2、3泊くらいするし、お金ちょーだい」
「ヨシオくんってあの鼻に輪っか嵌めてる子でしょ? まぁ良いけどお金はお父さんに言いなさいよ」
「えーママから言っといてーや」
「ユーコ来週から塾の強化合宿があるそうなの……」
これがAPIです(違
いろいろとツッコミ所満載ですが、全て異世界仕様のシステムっという事で(嘲)笑って見逃してください。
異世界だもんね。OKよね。ね。




