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13、盗人に背負い投げ




 野生のえんやこらさん(仮)は、戦車わたしのモニターでも見えない。ドローンの性能とかには関係なかったみたいだ。

 

 魔素の流れを、スキャナーで追っていると、えんやこらさん(仮)は、故カマヤツさんの方に向かっている。

 チハたんはあっさり故カマヤツさんが見つかったのが不満そう。でも、仕方ないと思う。チハたんには言わないけどね。


【高濃度魔素は、故カマヤツさんに向かっていますね】


「あ、うん。そうね、ええっと……、きっと視覚で判断してないんじゃ無いかな。透明人間って網膜やレンズも透明になるし、光を感知出来なくなるってエライ人が言ってた気がする。あ、因みに『えんやこらさん(仮)』ね」


 よし! 完璧なフォロー。


 あ、故カマヤツさんを隠蔽していた枝や葉が弾け飛んだ!

 えんやこらさん(仮)ってそんな技も持ってたんだ。ドローンからは逃げるだけだったのに。

 

【やはり隠蔽魔術が必要ですね。随伴ドロイドと魔術兵が居ないのは、使用出来る戦術の幅が狭まりますね】

 

「今できるベストで頑張ればいいよ。チハたんは最適解を知ってるから、出来ないことに不満を感じるんだよね。わたしなんか、元々何もできないから、何でもグッジョブだよ」


 よし! わたしのコマンダー度+3アップだな。


 それより、えんやこらさん(仮)は何をするつもりなんだろ。ウ◯コにたかるハエみたいな感じで故カマヤツさんに集まってるね。

 ん? 集中してるところって、魔石のある部位じゃない?


【魔石から魔素が抜かれて行きます】


 せっかくの獲物を横取りか! 


「コンバットシステム起動! 攻撃目標『えんやこらさん(仮)』! 魔導銃撃つわよ」


【了解。射撃位置まで移動開始します】


 わたし(チハたん)は隠れていた場所から一気に飛び出した。

 目標への射線が確保されるや否や、魔導銃での射撃を開始した。

 光の矢が連なってえんやこらさん(仮)に吸い込まれて行く。……文字通り吸い込まれて行く……。

 ほよよよ?


【魔導銃効果無し。魔法無効。魔素を吸い取っています】


 どうしよう。えんやこらさん(仮)が集まってるところに大砲撃ち込めば魔石も一緒に破壊しそうだし。

 それに魔法無効って事は、魔弾も効かないかも。

 これ以上、魔導銃を打ち込んでも効果は無さそう。むしろ、えんやこらさん(仮)を喜ばせる事になりそうだし……。

 こう言うのなんて言うんだっけ? 盗人に……背負い投げ?……やおい穴? なんだっけ?

 まぁいいや。その盗人になんとか、ってのになりそうって事。


うーん。あ、そうだったわ!


「チハたん! ドローンをえんやこらさん(仮)へ向けて飛ばして! そして私たちも、えんやこらさん(仮)へ向かって前進よ!」


【了解です】


 最初に遭遇した時、ドローンを突っ込ませたら散らばったんだった。

 アレって、突然突っ込んで来たドローンに驚いて散ったんじゃ無く、吸収されるのを恐れたんだわ。

 それさえ判ればこっちのもの。ドローンは動力源として、大気中の魔素を吸収しながら活動してる。

 この戦車も同じ。吸収量はドローンの数十倍。

 これで勝つる! 


 ふははは! えんやこらさん(仮)よ。我が覇道の糧となれ!


【ドローン突入しました。目標、故カマヤツさんから離れます】


「そのままドローンを故カマヤツさんの張り付けといて。えんやこらさん(仮)はこっちで追い回すわよ」


【どうして目標は逃げているのでしょうか?】


 ほほーう。チハたんにもわたしの叡智の一端を見せてあげよう。


「んー。それはですねぇー。最初、えんやこらさん(仮)にドローンを突っ込ませました。はい。その時私気づいたんですねぇー。あーこれはドローンを嫌がってる。はい。そこで私は考えました……死神はりんごが好きだったりしま……【戦闘中です。手短に】……あ、はい」

 

「えっと、最初ドローンが突っ込んだ時、えんやこらさん(仮)が散らばったのでドローンを嫌がってると」


【未知の物体が飛び込んで来たら普通逃げませんか?】


「ほら、ドローンって魔素を吸収するじゃない。相手は魔素の固まりみたいなものだからさ」


【それだけで今ドローンを突入させ、そして私達もあの魔素の固まりに突っ込もうと……】


「そう。グッドアイデアでしょ」


【逆に魔素を吸い取られるとは考え無かったのでしょうか? 先程、故カマヤツさんから吸収しようとしていましたよね】


 あっ。………。


 ……でもうまくいったし……。今もわたしから逃げてるみたいだし……。


「え、ええっと、それはそれ、これはこれってことで……」


【そんな都合の良い話がありますか!】


「こ、ここにあったし……」


【まあ確かに、こちらを吸収しようする素振りは見えませんね。突入再開します】


「え、突っ込むんだ」


【それはそれ、これはこれです】


 そしてわたし達は魔素の固まりの中に突入した。


[ぎゃー! 大きい方も来た!]

[何なのよ、こいつ!]

[魔物じゃ無いわ!]

[魔素は感じる……でも、生きてない?]

[逃げろーー!]

[ダメ! 魔石回収しないと]




 ん? ?????


「えんやこらさん(仮)、喋ってる?」


【喋ってますね】












 親鶏のモモ。すっごい硬いです。

 焼いても煮ても硬いです。

 そしてあんまり、鶏の旨みが少ないです。


 鶏の種類によって違うんでしょうか。

 良い調理法あれば教えてください。


 あ、でも皮は湯引きにすると結構ウマーです。

 冷水で締めなくても歯ごたえ抜群です。




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