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11、何を信じていればいいの?




【攻撃来ます! 緊急回避!】


「え!」


 油断していたわけじゃない。けど、チハたんの声と共に、一瞬で眼前に真っ白なモノが広がった。


 咄嗟とっさにチハたんが車体を動かしていたおかげで、直撃は避けたようだが、モニター全体が一面真っ白だ。


「な、なによコレ!」

 

【おそらく蜘蛛の糸かと。毒素を含んでいますが車体への直接の被害はありません。ただ映像モニターが使用不能です】


 蜘蛛の糸? そんな素振りは見せなかったと思うけど……。 蜘蛛の糸ってお尻からひょろろーって出すもんじゃなかったっけ? 手から出しながらビルの間を飛び回るのもいるけど、あれはまぁノーカン。




「カマヤツさん(仮)ってずっと正面向いてたよね。どうやって糸飛ばしたの?」


【普通に口から吐いてましたよ。かたまりをぶつけてきたようです】


「え? 普通に口から? げっ、リバースした?」


 青リンゴ夫人もびっくりよね。


【積極的に獲物を捕らえるタイプの蜘蛛は口から毒性の糸を吐きます。カマヤツさん(仮)もそのタイプと話していませんでしたか】


 確かに、あの巨体だし「待ち伏せせず力技で獲物を獲りそうよね」って言ったけど、蜘蛛って全部お尻から糸出すものと思ってたわ。

 しかも塊で吐くなんて想像外よ。


「えーっと、く、口からは知ってたけど、あの時口は開いてた? 閉じてた?」


【……塊でしたし、開けてましたよね……】


「そ、そうか、開いてたか。参考になるなぁ。はっはっはー」


【……それはお役に立てて良かったです……】


 ふふふ、ゴマカシ成功! コマンダーの威厳保てたわね。


「ねぇ、カマヤツさん(仮)も止まってるけど、こっちを捕らえたと思って油断してるんじゃない?」


【それもあるかと思いますが、大量の糸を一気に吐いたので、体力を消耗したのだと】


 こちらは足回りも大丈夫そうだし、砲塔も動くわね。

 逆に今がチャンスって事よね。


「ドローンの視界をコンバットシステムにリンクさせて。砲撃準備するわよ」


 こちらの自由を奪って『くっコロ』させようなんて、ボウヤ10年早いわよ。わたしはエルフの戦士でも、フルプレートをまとった聖騎士でもないんだからね!


 わたしを糸まみれにした事を後悔させてやるから!

 動いてない的なら百発百中。主砲撃つのに躊躇ためらいはないわ。一発で仕留めましょ。


【魔弾の種類は如何致しますか】


「在庫の一番多い種類は?」


 うーん。ちょっとケチ臭い質問だったかな? いや残弾の確認は『コマンダー』としての立派な務めよね。


【火属性が全体の40%、在庫数はこれが一番多いです。ですが、森林地帯ですので周囲への延焼が懸念されます。次に在庫が多いのは土属性ですね】


 土属性って風に相性悪かったんじゃ無かったけ。風には火が相性良いけど.……。森燃やしちゃったら怒られるわよね。


 「土属性は風属性に相性悪いからその次は?」


【相性? 魔法に相性はありませんよ。込められた魔力量によって防がれたりしますが。相性の考慮はする必要有りません】


「そ、そうなの。魔法も力技なのね。もっと効率よく使わないとダメよ」


【お言葉ですが、そもそも魔法とは魔素を介して起こす事象であり、属性ではなく、火を消すのに水や土を掛ける。水を沸かすには火で熱す……「わかった!もういい!」……】


「ごめんって。土属性でOK。土で行きましょ。土、土、しばしも休まず土ツチツッチチよ」


【了解。使用許可クリア。土属性魔弾装填します】


「発射10秒前。対ショック・対閃光防御」


「9」


【…………】


「8」


「7」


「6」


「5」


【………………】


「4」


「?」


「あれ? カマヤツさん(仮)の頭がナイなってるよ?」


【…………】


「バーンって! バーンってなって、頭ナイなってるよ」


【……使用許可後、装填と同時にコンバットシステムが自動的に標的を捕捉、攻撃しますが】


「 ⁈ 」


【……】




「(う、くくく……。)…………車体の蜘蛛の巣掃除と、カマヤツさん(仮)の解体を急ぐよ。さぁ働け働けーーー!」




 

 


 このお話をお友達にも読んでもらってるのですが、感動を聞いても「良かった。面白かった」としか言わないのです。


 褒められて伸びるタイプと自称しているわたしは、褒められて調子に乗るタイプでもあるのです。

 なので、聞いてみました。何か変だったり、なんじゃコレ? な部分は無いのかと。

 

「んーじゃ言うけど、エピソードのタイトルと、時々出てくるワケの解らんボケは何? 元ネタわからんから意味不明なんやけど」


 んー。まぁーそーやろ。アレは「わからん子は置いていくで!気になるならグーグル先生にでも聞いてんか」って箇所やからそれでええねん。

 まるで、無駄に尖った芸人さんみたいな言い草ですが、老後に読み返して『はずかシヌ』それがわたしの定めなのだ。


 でも、他からもちょっと指摘があったりして、どうするか悩み中です。

 無理やり押し込んでる所為で、リズムが悪くなってるのは自覚していますし……。




▼登場人(?)物▼


 カマヤツさん(仮)

 巨大な蜘蛛

 チハたんに対し善戦するも敢え無く頭がボーンに。

 糸は口から吐くタイプの蜘蛛。

 大多数の蜘蛛は、腹部の吐糸管から出す。

 日本では、ヤマシログモ科の3種の口吐きタイプがいる。


 因みにタランチュラは脚から糸を出します。

 わたしも知らなくて某マスクド少年ボーイを、ノーカン扱いしてますけど、タランチュラの仲間だったんですね。

(……きっと知らない人が多そうなので、文中の記述はそのままにしておきます)



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