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第4話 : カナタ、王宮の温泉で“龍の封印解除”を始める


ここは王城地下にある、戦の疲れを癒す特別温泉。

選ばれし者のみが入ることを許される、静寂の湯。


そのはず、だった。


「――来たッ!」


豪快な音とともに浴場の扉が開かれ、蒸気が揺れる。


湯船の中央、肩までお湯に浸かっていたライヴの動きが止まった。


「……貴様か」

「ふふ……王よ、今宵こそ封じられし“龍”を、我が手にて解き放ってみせようぞ……!」


カナタが両腕を広げて立っていた。

全身に湯気を浴びながら、なぜか神々しいポーズで。


「なぜ、女のお前がここにいる」

「我が魔眼に導かれしは、此処! 貴殿が霊気を発するこの聖地にて、ついに儀式を行う時が来たのだ……!」


「帰れ」

「だめっ! この温泉、“龍の封印”を解くための触媒なの! 絶対にここじゃないとだめなの!」


「お前、風呂を封印解除の儀に使うな」


小柄ながら曲線的な体をバスタオル一枚で包んだカナタが、ずかずかと湯船に近づいてくる。

本来なら目の保養にもなるところだが――


「……意味不明なことさえ言わなければ、容姿だけなら申し分ないのだが」

ライヴは内心で呻いた。


「王よ、準備はいい? 今こそ魂の共鳴を……」

「するな」

「湯の底に“龍の鱗”が眠ってる気配がするの……っ」

「それはただの岩だ」


カナタは湯に手をかざし、謎の呪文を唱え始める。

「れぇぇい・オブ・ドラゴニック・エレメンタル・ぶわっふぁあ……!」

(※訳:謎の中二病詠唱)


「貴様、その手を湯に突っ込むな」

「おお……! 龍の気配が……いや違うこれライヴの気配だわ」

「当然だ。私は湯に入っている」


「ライヴ、もしかして……封印されし龍って……君だったのか……?」


「違う。帰れ」

「だが断る」


そんなやり取りの末――


数分後。

浴場からはカナタの高らかな声が響き渡った。


「ふふ……浄化、完了!」


……なお、湯の温度は謎の儀式により5度上昇し、設備担当が後日、原因不明の異常として報告書を提出することになる。



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