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短編とかその他

実り多き樹の国

作者: リィズ・ブランディシュカ



 実りの多い巨大な木。


 天に届きそうな大樹の周りに国ができていた。


 実りの力で発展していく国。


 その国の人々は、自分達の生活を支えてくれる大樹に感謝しながら過ごしていた。





 樹の国。


 国のどこからでも、巨大な木を眺める事ができるそこに、一人の少年がいた。


 少年は巫女の護衛。


 木の声を聞く事ができる少女「樹の巫女」を守る役目をになっていた。


「樹の巫女」は護衛である少年を信頼していた。


 少年は、いつもどんな時でも「樹の巫女」を守っていたからだ。


 しかしある日、「樹の巫女」は不思議な力で未来をみた。


 木が枯れてしまうという未来だ。


 そんな事をさせてはならない、と「樹の巫女」は未来を回避しようとする。


 原因は、木にたよらずに国を発展させようと考えている者達だ。


「水晶科学」と呼ばれるものに頼るその者達は、不思議な力を秘めた水晶を利用する。


 しかし、その水晶は何かの生命力を使わなければならなかった。


 だからその者達は、木の莫大な生命力を使おうと考えていた。






「樹の巫女」達は、「水晶科学」を広めようとするもの達に抵抗し、抗った。


 信頼できる仲間を集めて、武器を手にした。


 しかし、力及ばずに負けてしまう。


 何かを犠牲にしてでも豊かになりたいと思う者たちは、予想以上に多かった。


「樹の巫女」は枯れていく大樹から種子を受け取って、その国から離れなければならなくなった。


 そして、護衛の少年とともに彼方にある、枯れ地に移り住み、そこでほそぼそとした生活を送りながら、種子を育てた。


 やがて、時代が変わり、「水晶科学」の力で、世界が繁栄していっても。


 二人は貧しいながらに、そこそこの生活と、小さな幸せを積み重ねて人生をまっとうした。


 種子の世話はのちの子孫が引き継いでいった。








 やがて、「水晶科学」の繁栄は終わる。


 使用できる生命力がなくなっていったからだ。


 エネルギーの枯渇によって、世界中の人々はみるみる生活がなりたたなくなり、数を減らしていった。


 しかし、辺境にあるかつての枯れ地、新しい第二の樹の国は、多くの実りで潤ったままだった。



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