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04 雨

 私は何でも、口に発してしまう。深くは考えないで。


 気持ちを素直に出してしまう。他人の気持ちを、想像しないで。


 でも、その男子は、いちいち何かに引っ掛かる。些細な事柄も、放っておけないタイプだ。


「なんで」

「何のことを言ってるの?」


「話し掛け」

「ああ、なんで話し掛けたかね」

「そう」


「私は、特に理由なく話し掛けるタイプだから」

「ああ」


 疲れる。でも、嫌いじゃない。変な感覚がある。


 嵐が始まった。急に強い雨が来た。暗さは、前からずっといた。でも、急な強い雨が来た。


 ものすごい雨と、風に包まれていた。私は、ワーワーと声を出していた。


 それなのに、平然と大学の建物まで、普通に歩く男子。


「あーあ。濡れちゃったよ」

「濡れている方が、落ち着きます」


「そう。変わってるね」

「日向の人間ではないので」

「そうか」

「はい」


「雨が嫌いだ!」

 そう私は、叫んでいた。やや楽しそうに、少し楽しそうに。


 五文字以内では無くなっていた。二桁文字数を遥かに越える言葉を、男子は言っていた。


 それは、私に心を開いたということか。たぶん、そうだろう。嬉しくて嬉しくて。濡れている服が、ほとんど気にならなくなっていた。

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