表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
矢田さんはヤンデレないっ!?  作者: えちだん
5/10

3人で調理実習です①

 皆さん初めまして。

矢田ちゃんの幼馴染の友田優子(ともだゆうこ)です。

小さいころ、いろいろあってふさぎ込んでいた矢田ちゃんが子供の頃みたいに元気になっています。

話を聞くと同じクラスの刹那くんとお付き合いすることになったみたいです。


「(不安しかない……!)」


 矢田ちゃんは独占欲が昔から強く、そのせいで矢田ちゃんは感情をあまり表に出さなくなりました。

ある日、彼氏さんのことについて聞いてみたところ……


「え!? 刹那くんのことが聞きたいの? もーーしょうがないわねー。えっとね、えっとね、彼の好きなところはね、わたしのことなんでも受け入れてくれるし、すごっく優しくてね! それでね……」


 すっごい上機嫌でのろけられたんですけど……。

ふさぎ込んで、感情を表に出さなくなった矢田ちゃんと180度違うんですけど。

いや? 元気になったのはうれしいんだけどね? それでも友達として心配になるのです……。


 彼氏のほうが。


 矢田ちゃん重たいから彼氏さん潰しちゃってるんじゃ……。

何とか確認できないかと思っていたらその機会は思ったより早く訪れました。


 家庭科の授業の調理実習。

三人組のメンバーで行うことになり、矢田ちゃん、刹那くん、私の三人で授業を行うことになりました。

この授業で刹那くんのこと知れればいいんだけど。


「じゃあ、早速作ろうか。今回作るのはご飯、生姜焼き、みそ汁の三品だね。誰かやりたいのとかある?」


 そう刹那くんが一言いうと矢田さんがすぐに手を上げながら返事をする。


「私、生姜焼きのほうを作るわ!」


「じゃぁ私はごはん炊いちゃうね」


「そうなると僕はみそ汁かな」


 早々に役割分担が済むと各々自分の作業に取り掛かる。

矢田玲子は用意されている付け合わせの野菜をまな板に乗せ、包丁を取り出す。

しかし、なぜか野菜を切らず困ったかのようにじっとしていた。


「(うふふふふふ……この料理に私の血を入れれば、刹那くんの身体に私が混ざりあって……)」


 そんなことを考え、持っている包丁で自分の指に手をかけようとするが、


「(やっぱり怖い! う~~、痛いのやだし……しょうがない、普通に作ろう)」


 結局怖気づき、普通に食材を切り分ける。

お世辞にも手際はよくなく、たどたどしく作業を進めるが、


 ザク


 うっかり指を包丁で切ってしまう。

鋭い痛みが指に走り、声が漏れる。

その声にいち早く反応を示したのは刹那秀登であった。

慌てた様子でけがをした手を握る。


「矢田さん!? 大丈夫!?」

「急いで殺菌しないと……ど、どうしよう。!! そうだ!」


 何かひらめいた様子で、意を決した様子の刹那。

そのまま切った指を口にくわえる。


「「…………」」


 数秒見つめ合い慌てて指を離す。


「ご、ごめん慌てて! すぐに水で流そう!」


「う、うん」


「(なんだこれ……)」


 二人で顔を赤くするカップルと置いてけぼりを食らっているもの。

ここから二人のいちゃつきは収まるどころか、さらに加速していく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ