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03話『エンカウント』

 当面の間、イカちゃんの宇宙船を探すことにした。


「本当にアタイの宇宙船を探すの手伝ってくれていいの?」

「何度目だよその質問」


「だって、貴方だって自分のいた場所に戻りたいんじゃない?」


 確かに戻りたい。

しかし、俺の歩むべき道は見えない。

ここがどこかも分からないし、何を目的に歩けばいいか分からない。

だったら取り敢えず宇宙船でもなんでも、目標のある方を選べばいい。

動かないより動いた方が、気も紛れると思う。


「アタイ感激しちゃうわ、こんなに優しくしてくれて、最初に逢ったのが貴方で良かったぁ」


「まぁ俺も退屈はしてないよ」


 取り敢えず二人で、高いところを目指している。こういうときのお約束だろ?

宇宙船がでかいなら、上から見れば分かるだろうしな。


 それにしても、とにかく森が続いている。

異世界転生で森といえば、エンカウントイベントが必須なんだが。


ガサガサ

言ってる側から出てきたな。


ぴょこんとウサギが出てきた。


「なんだ、ウサギか」

「ウサギなのね」

「癒されるなぁ」


そういうとイカちゃんが触手を一本振ると、5mくらい先まで伸びて、ウサギの首が飛んだ。


「え、えぇ~っ……」


「なになに?その顔」

「何故逝ったし」

「お腹減ってない?」

「減ってるっちゃ減ってる」


焼きました、食べました。


「それにしても攻撃力の高い触手だなぁ」

「そうでもないわよ、ただのチョップじゃないの」

「俺のチョップはそんなに強くないぞ」


ガサガサ

お、またエンカウントか?


ぴょこんとウサギっぽいものが出てきた。


「足長っキモっ」

ウサギの形はしてるが、足が1mくらいある。

「足が長くてキモいって言われるとアタイ傷つくわぁ」

「あ、すまん」


「君たちもこの世界に飛ばされたのか?」

ん?


「ウサギ、しゃべってるな」

「……いっやぁあああしゃべったぁ!」


ウサギに向かって赤い閃光が飛んだかと思うと


ちゅどーん!


「は?」


高熱の爆炎が辺りを焼き尽くす。

熱が収まる頃には、ウサギの跡形もなく、ただクレーターだけが残っていた。


「ちょいちょいちょい!」

「あぁービックリした」

手には、冗談みたいな光線銃。


「何で殺したし」

「いや、喋ってたし」

「俺も喋ってますけど」

「寂しかったからつい話かけちゃったの」


最初に出逢ってなかっただけでこの扱い!


「あと、何処から出したその光線銃」

「あ、これ?亜空間バッグよ」

「便利そうな代物だな」

「冷蔵庫機能も付いてるから生物も安心なのよ」

「光線銃も冷えてんじゃねぇか」


 たまにクール宅急便が持ってくるクールじゃない品物ありますよね。


「とにかく、いきなり殺しちゃだめ!」

「はぁい」

「何かこちらの世界の情報を持っているかもしれないんだから!」

「はぁい」

「聞いてる?」

「はぁい」


 とにかく、現地民でもなんでも情報が欲しい時だというのに。

エンカウントもそうそう頻発しないぞまったく。


ガサガサ

必ず草むらから出てくるんじゃねぇお前ら。



「お、君たちも流刑者かい?」


今度は銀髪のイケメン男子が現れた。


「いやぁぁ!しゃべったぁー!」


赤い光線が彼を捉え、辺りが炎に包まれた


「何やってんのぉ!」

「つい」

「ついじゃねぇよ」


「痛烈な歓迎だね、いきなりなんだい?」

後ろを振り向くと、銀髪の男が宙にふわふわと浮いている。


「いやぁぁ浮いてるぅ」

「やめい!」


「取り敢えず、ここは何処なんだい?」


 銀色の髪をかき上げながら、流し目で聞いてくる。こいつも何も知らないのか……


「俺たちも何も分かんないんだ」

「君もか……」

「アタイもいまいちなのよね」

「殺そうとしてた奴が普通に会話に入ってくんなよな」


これは、仲間が増えたのか?


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