ドS、パーティーを組む①
「そうか。そうだよな。だが人間が多すぎる気がするな」
城門近くの裏道から約10分。そこにはどの奴隷を買うか迷っている勇者がいた。正確にはどの女奴隷をだが。
「は、比率的にはあまり違いは無い筈ですが…」
「そうか?47%くらいは人間に見えるが…」
「何を仰いますか!っと…確かに召喚されて間もない勇者様には僅かな違いを見分ける事が難しいのも無理はないですね。例えば檻の隅で手刀をして抜け出そうとしているのは竜人の娘です。角が在りそうな辺りがもっこりしている気がするでしょう?」
「つまり気のせいって事じゃん!」
突然振り向いた竜人の女は多分まだ非調教なんだろう。一点の曇りもない瞳で少し嬉しそうにツッコミを放った。ところで背後の棒の部分はどうして半分くらい細くなってるんだ?この世界の女の手刀はそんなに威力が高いのか?
「ね?調教済みとは思えない程元気でしょう?」
「お前無能だろ。それはいいとして70枚のあれと同じ種族か?他には居るのか?ライオンの方の種族も居るのか?」
探していた種族だった。理由は男と女が揃えば増えるだろ、という極単純で尚且つそれを絶対の理だと高禍原が信じているからだ。増えるのはいいが、一つ残念な事として宿に泊まる時はメイドと同じ部屋に泊まるしかないだろうという事だ。金銭的な問題で。
「ライオンの娘…は居ませんね。竜人の方も…元が少ないですからねぇ」
「どうせ残り物だ。居ただけましだな。あの女とローズを買う」
「リューズでしょ!忘れるの早すぎでは!?」
二回目はそんなものか。と気にされる事もなく言葉が空しく響いただけに終わった。ライオネルは自分の出番は終わりと分かると隣にいるリューズに別れの挨拶をし、店の奥へ入っていった。
「手続き…の前に名前はどうされますか?娘の方のみ変更可能ですが」
「しっかり私情を挟んでくる辺り奴隷商失格だよお前…おいお前。名前は?」
「ティーチェ」
「た…ち…問題ないな。変更する必要はない」
「承りました。では代金とお名前を…」
「おい女。お前、文字書けるか?」
「はい…?文字?一応は…」
差し出された紙に書かれた文字はしっかり異世界の読めない未知の文字だった。
盾盾盾盾盾盾盾盾盾盾
高禍原王子 20歳
勇者(盾) LV 1
HP 8/100
MP 9999/9999
力44.3+5
知104+5
防6+5
精(魔法防御)31+5
速13.7+5
「HPはメイドの手刀で減った。特に辛いとか痛いとかは無い。本当に死ぬのか?これ」
リューズ·ワーグレイン·アレグワイス 21歳
特になし
HP 387/387
MP 93/93
力98
知80
防135
精248
速11.6
「何?一言も話してない?話に割り込んで欲しかったか?」
ティーチェ
戦闘職ではないのでなし。
「えぇ…性がないのにはふかーい訳が有りましてですね。はい?聞きたくない?大丈ー夫!本編で語りますから!」
リティア
同じくなし。
「勇者様のHPが減ってしまって大変です…。再会したらポーションの説明をさせて頂きます」
どーも山田です。
魔防である精が増えてますね。回答は物語の中でいつかします。なんか無駄に伏線とか張り巡らしてしまう癖があるので明らかな間違い以外は楽しみに答え合わせを待っていて下さい。
それと奴隷商の性別、年齢を明かす事は無いのでいくらでも設定をねじ曲げて自分好みのキャラにして読んで下さって結構です。