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ドS、更に沈黙する

 「待って下さいよ~私も付いて行きます。いえ、付いて行かせて下さい」


「あ…えっと…待ってくれ!俺もそっちがいい」


 どうしてこんな事になっているかというとあの話し方だけ元気な死にそうな王様がとんでもないアホだったからである。



 「早速だが勇者諸君。諸君らにはこの国目前に迫った危機に立ち向かって頂きたく召喚させて頂いた。千年に一度訪れる災厄…国蝕節に。因みに明後日に第一波がくるぞい!」(血吐き描写省略)


 「はぁ?何…」


 貞龍が文句を言おうと一歩前に出ると衛兵が槍を鳴らして威嚇した。


「もちろんタダではない。ここに金貨100枚を5人分用意した。見事国蝕節を止めた暁には何でも望む物を褒美として取らせる。では細かい事は使用人に任せるぞい。勇者諸君、健闘を祈る」(血吐き描写省略)


 それだけ言うと衛兵が王様を取り囲みそのまま広間の奥の扉へ入って行った。


 しかしそれが高禍原は気に食わなかった。近くのツボを蹴り飛ばし広間で一番大きな窓を割ると飛び降りても大丈夫な事を確認してから飛び降りた。怒りに任せての行動だがおそらく自分が起きた時に王に伝えたメイドが自分の担当だろうと勝手に目星をつけての行動だ。あのバカそうな女なら余裕で騙せると思う。


 「お待ち下さい勇者様!」


 メイドと同時にスカートの中身を隠そうともしない恵夢子が躊躇せずに飛び降りて来た。割れた窓からどっちのパーティーに入るか迷ってこっちを選んだ貞龍も階段からこっちへ向かってきているようだ。



 「まずはステータスを確認しませんか?勇者様。お怒りはごもっともですがトラックによる召喚は召喚者の願いを達成しないと帰れないのです…」


「それだ!何で俺達トラックに引かれて生きてるんだ?」


 貞龍の言っている事は良く分かる。なぜもっとましな召喚ができないのだろう。


 (くそっ…いつもなら召喚(笑)なのに今回に限って笑えねぇじゃねえか…)


「ではトラック…別名虎ッ苦の説明をさせて頂きます。その名の通り虎の様に獰猛で手がつけられない、別世界の乗り物を介してこの世界に勇者様を呼び寄せる魔法です。失敗すれば死よりも苦しい地獄の苦が待っている為その名が付いたと言われています」


(…召喚側デメリットねえじゃん!!)


 改めて王の暗殺を企てようか考えてしまった。


「大丈夫です。皆様はこうして無事召喚されたのですから」


 恵夢子は嬉しそうだが貞龍の方は僕と同じく渋い顔をしている。どうやら使用人の振り分けは男にはメイド、女には執事が付いている様だ。だが他の使用人は喋っていない。当然と言えばそうだがうちのメイドを嘲っている表情な気がする。傍目から見たら普通に見えるが僕の20年間磨き上げられてきた眼力にはそう写った。


 「では、そろそろステータスを確認したいのですがよろしいでしょうか?ステータスオープンと声に出せば確認できますのでよろしくお願いします」


高禍原 王子 勇者(盾)

HP 41/100

MP 9999/9999

力44.3+5

知104+5

防6+5

精9+5

速13.7+5


 (減ってるぅぅ!確実に虎ッ苦で受けたダメージあるぅ!あと.てなにぃ!?)


 つい我を忘れて心の中でツッコミを入れてしまった。


「あ…あ…っ…防御以外は素晴らしいです…!」


「あーら…味方の盾役なのに防御が低いのですか?リティア、頑張ってね」


 貞龍のメイドが急に話したかと思うと執事とクスクス笑った。イラつかない事もないが人間の防御力は一体どれくらいが平均かもわからないので怒りきれなかった。しかしバカにされてはいるが良く見なくても分かるあのアホみたいな数字。おそらくカンストというやつなのだろう。チートクラスだと自分でも思う。


 「防御より僕のMPを見てくれ。これは他と比べてどうなんだい?」


 「あ、ごめんねそれ使わないから」


 バカにしたメイドを屈服されようとしたところに聞いた事のある気がする声が聞こえた。

どーも山田です。

ツッコミがいないのは向こうも同じですが流石にこっちには仲間に入れたいと思います。主人公のキャラがぶれるので…。

 たった3話ですが何となく性格は理解できてきたでしょうか?名前で気付いた方をいると思います。主人公以外は名前で説明しているのでそれを踏まえて読むと一層楽しめると思います。

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