ドS、同じ境遇の者と出会う
「…ん?うっ…生きてる…?」
背中が痛い。それだけなら我慢できるが目の前に広がる光景は一面白。凹凸の一つもない完全なる白の世界でまさか死んだ…なんて考えが頭をよぎる。
「あ♥️起きましたよ~」
女の声がしたと思うと仰向けに寝転がっていた王子の目の前に嬉しそうな表情で覗きこむ知らない女の顔が視界全てを埋めた。
「ほんとうか?」
首だけ動かすと履いていなのが見えた。その瞬間脳を超スピードで回転させる。
「グアア…ッ!!」
短時間の思考の結果無理矢理起き上がり衝突事件?のダメージを活用する事を思いついた。
「大丈夫かあんた!」
「もしや…トラックに轢かれたとか…?」
寝転んだ体制では履いてない女の事が解決しないので痛いが座った状態に体を動かす。そこで声を掛けてきた男女以外にももう一ペアの男女がいるのが見えた。
「それをどうして…?」
「あっ!アタシもだよ」
「俺も俺も」
「全員がそうなのか!」
土手口 恵夢子 (17) 制服 女
変角 態三郎(18) 白衣 男
童閻寺 貞龍(19) 私服 男
化山 加菜恵 (21) スーツ 女
全員がトラックの出現前にあの見覚えの無い本を開き白紙を見ている。個人の生活があるのでタイミングに違いがあるようだ。
「じゃあさ、状況はどうせ意味分からないだろ?さっきから光ってるあそこに行ってみようか」
恵夢子はプールに居る時にトラックが出たらしい。周りの被害が気になるが履いてない理由は分かった。脱いだ瞬間だったり、着替えの時に轢かれて一番乗りでここに来たから着替えた、とかいくらでも可能性はあるだろう。語ってはくれなかったが。
まぁそれは良いとして、僕の目が覚めた時から光りだしたらしくスポットライトの様になっている女の像の前に行ってみる事にした。しっかり5つ分光があり目の前の像は胸で手を合わせている。精巧な造りでまるで生きているかの様な錯覚を覚えるそれを前にして王子の視点は4人の少し後ろに移動し、立ち上がる少女を見守っている。
「あ…」
「ん?」
履いてない、変角と化山は二人で話していてこっちに興味がない、貞龍は恵夢子と近い。こんな好条件があるだろうか!貞龍のほつれている服の糸を恵夢子のスカートに結びつけ、立つと捲れる様に細工した。
どーも山田です。
これドSかなぁって疑問に思いながら書いてます