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見過ごす 2019/8/27
外に出ると、途端に雨が降ってくる日だった。
もう30分早く出れていたら。
私のあまりのトロさに怒られているのかと思う。
私は、小学生の時から自分のことを「私」と呼んでいる。
可愛くない顔をしているから、「私」ではないと気持ち悪いと考えていたから。
学級委員になりたくて、とにかく周りに優しくしていた。
自分に返ってくるからと、悪口も絶対に言わなかった。
「私」はいつからか、「私は」と言う事が多くなった。
自分のことしか考えなくなっていた。
今日、「じゃあお前はどう考えてんの?」って聞かれて言葉に詰まった。
私は何も考えていなかった。
自分の事も言えない、考えられない奴になっていた。
朝、ホームに上がる階段で、片方の靴を手で持って上がっている方がいた。
ギリギリの時間を生きている私は、ただ隣を通り過ぎた。
そんな奴になってしまった。
道に迷ってる人を助けていたあの頃というものが、かつてあった。
けれどもそんな奴になってしまった。
時間に流されるんじゃなくて、利用しなければ。