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僕は賢者の孫娘とイチャイチャしてたら、ってちょっと強引だったかな

作品とは関係ありませんが、クールな洋楽知ってたら教えてください。

インスパイアしてきっと作品の質があがりますので<m(__)m>

 あの後、僕はジーナさんの言いつけでまた王都の職安に来ている。

 以前僕の魔術適性を調べてくれた姥桜さんのもとへと向かうと。


==============================================

         姓名:イクト・マクスウェル・Jr

       魔術適性:ファイア・S+

            ヒール・A

            ライト・A

            ウィンドウ・A

            ウォーター・B

            以下該当なし

       保有魔術:メイデンズプレイヤー・A++

            サンクチュアリウォール・A

            以下該当なし

       固有魔術:ライフドレイン・S+++

            フレア・S+++

            以下該当なし

==============================================


 以前はB判定だった風属性のランクが一つ上がり。

 C判定という微妙な感じだった火属性が最高ランクまで上がっている。

 おまけに以前は適正無しと判断されていた水属性までついていた。


「……信じられない、私は長年ここに勤めてたけど、ここまで伸びしろのある相手は初めてだわ」

「お世辞でも嬉しいですよ」


「ふふ、お世辞なんかじゃありませんよ。貴方は素晴らしい才能をお持ちだわ。そう、まるで賢者ブライアン様の若い頃にそっくりね」


 マリーのお爺さんのことか……恐縮なんて特段感じないさ。

 僕にとって才能の有無は問題じゃない。


 僕にはマリーがいればそれでよかった。

 強いてはマリーと一緒に過ごす時間のための金銭だったりとか。


「魔術適性は生まれ持ったものとされているから、普通は適性評価が上がったり下がったりなんてしないんだけど」


「そう言えばまだお名前を聞いてなかったですね」

「私?」


 僕は話題を逸らす一環で受け付けの人に名前を尋ねた。

 あのまま根掘り葉掘り聞かれるのは拙いだろ。


「私の名前はニーナ、ニーナ・レチェバルト」

「レチェバルト? どこかで聞き覚えがあるよう気がします」

「きっと私の娘が有名だからだわ、娘は王都でも人気の鍛冶屋さんだから」


 ……まさか。


「娘さんって、ジーナさんですか?」

「えぇ、自慢の一人娘よ。恋愛に無関心なのが玉に瑕ね」


 落ち着け、親子だからとは言え、例の件は伝播(でんぱ)してないはずだ。

 ここは冷静に相手の話に乗るだけでいい。


「そうだ、貴方、家の娘に会ってみない?」

「ジーナさんでしたらすでに顔馴染みです」


「あらそうなの? それは……え?」

「何かありましたか?」


 すると、先ほどまで湖畔のように落ち着きを払っていたニーナさんは顔に驚嘆の色を浮かべる。


「冗談じゃなくて?」

「……ジーナさんには何か秘密があるんですか?」

「えぇ、あの子は大の男嫌いだから。心許すのも使い魔のルガートくらいなものよ」


 惜しい、いや、逆に美味しい。

 あの爆乳が誰かの魔手によって弄ばれてなくて、実に安堵する。


「じゃあ彼女はどうやって仕事を取ってるんですか? 鍛冶屋なんだから、依頼相手は男ばかりのはずなんじゃ?」

「そのための使い魔よ、そう言えばイクトさんの使い魔はどんな方?」


 僕には使い魔はいない。

 使い魔を使役する、というか、養う器量をまだ持ち合わせていない。


 僕は傍にマリーが居てくれれば、それでいいと思える。


 ◇


 それがどうしてこうなった。


 魔術適性の評価を貰ったあと、僕はジーナさんと一緒に怪しい店へと来ていた。

 何故かと言えば、ジーナさんの弟子になるための必須条件だからだという。


 って理由になってない。


 僕はいつ彼女の弟子になることを承諾したというのだ。


「いいかイクト、魔石はあのままの状態だと真価を発揮出来ないんだ。だから魔石は私たち、職人の手で加工してやる必要がある。そのためには相棒が必要だ」


 相棒ねぇ……なら普通にフレンズに頼めばいいのに。

 魔術師という人種はどうも陰気で困る。だって、


 だって、魔道の探求のためだけに、奴隷商を認可しているのだから。

 正式には認可ではなく黙認らしいが。


 訪れた奴隷商店には不憫な姿をした人達が無気力に座り込んでいる。

 商店にいる奴隷は全部で六名、男が二人に女が四人だ。


 この状況をどうするべきなのか、僕の頭の中では最適解が出ている。

 先ず、僕は商品として並んでる奴隷一人一人と話した。


「貴方のお名前は何と言うんですか?」

「リュト」

「得意分野は何ですか?」

「……」


 リュトと名乗った十三歳ほどの少年の髪はほとんど手入れされてなかった。

 察するに、ろくな教育も受けてないのだろう。


「そいつはダメだな、飲み込みが悪そうだ」


 次はリュトの隣に居た少女だ。

 彼女はこの場所に似つかわしくないほど、清廉としていた。


「君の名前は?」

「……他を当たって」

「ああ、他を当たらせて貰うよ」


 その後も僕は侍らされた奴隷たちと一言二言会話を交わした。


 ジーナさんは鷹揚とした様子で僕の動向を見ている。

 まるで試されてるみたいだ、師弟関係じゃないのに。


「で、お前はどの奴隷を買うつもりなんだ?」

「無論、全員ですよ、僕はここに居る全ての奴隷を買います」

「そうか、なら私が店主に話しを付けて来てやるよ」


 で、僕は持ち金をほぼ使い果たし、奴隷達を全員買い取ったんだ。


 その後、僕らは大広場にやって来た。


 平日だからだろうか、半径五百メートルほどの石畳の立派な広場は閑散としている。


「リュト、君にちょっと用がある」

「……はい」

 野生児のようなリュトと一緒に距離を取り、僕は彼に少数の魔石を持たせ、こう言い含めた。


 ――これで人生やり直して欲しい。


「……はい」

「僕とジーナさんはこれで立ち去るよ、次こそは上手に生きるんだぞ」

「上手に? 僕、は」


 それ以上、僕が彼ら奴隷にしてやれることはない。

 社会が奴隷制度を許容している以上、その中で生きる僕は看過するしかなかった。


 リュトは僕の言うことに素直に従い、他の奴隷達と一緒に広場を立ち去る。


「ジーナさん、僕はもう帰りますよ」

「……明日、お前達を迎えに行く。お前達の依頼はもう終わってるからな」

「じゃあ明日は落成式ですか? 楽しみにしてます」


「お前が優しい人間なのは分かる。だがそれは優れた能力を持っているからこそ許される。だから私はお前を許そうイクト」


 僕は居丈高なジーナさんの爆乳を脳内で滅茶苦茶にしていた。


 ◇


 翌日、僕とマリーはジーナさんが迎えに来るのをイチャつきながら待っている。

 彼女はもう恐妻の演技を辞めたらしい。


「カガト、今日限りで貴方を使える機会がなくなるのだけが唯一の未練です」

「ラプラス様が私めにお掛けくださった酷い仕打ち、いえ、温情は一生忘れません」


 こいつらいつもギスギスしてるなー、悪魔だからか?

 いや、昨日の一件も考えると社会全体の陋習(ろうしゅう)だろう。


「準備は出来てるかお前ら」

 この世界に対する雑感を認めると、ツナギ姿のジーナさんが迎えに来た。


「じゃ、行くかイクト」

「新築かぁ、どんな建物なんだろう」

 僕とマリーが新居に対して焦燥感を抱いていると、ジーナさんは不敵な笑みを零す。


「私の納得の行くいい仕事だったよ。会心の作だから期待してていいぞ」


「はーい」

 マリーは破顔して、本当に嬉しそうにしていた。


「部屋割りはどうするつもりだ?」

「オリビアの部屋があるといいですねー」

「もしも私の部屋が用意されてなければお前の夫を寝取ってしまおうか」


 来たか、僕の人生最大のモテ期が。

 前世ではなかった眉唾なそれが、今生でキャリーオーバーしていたか。


「では、皆さん一斉に参りましょう。じゃあなカガト」

「御達者で、マリー様」


 とマリーが言った瞬間、僕は故郷のプレンザ山を目にしていた。

 僕の魔石生成の能力もチートだけど、マリーの力にはまだまだ遠く及ばない。


「帰って来たのか……」

 プレンザ山の山おろしはまだ冷たく、新鮮だ。

 僕は故郷の新鮮な空気を肺一杯に吸い、白い息を満たされた郷愁と共に吐いた。


「イクト、中々立派な家だぞ、見てみろよ」

「ああ」

 マリーから促された僕はいよいよ、新居とご対面し……よ、うと。


「酷い、誰がこんな真似を」

 次いで出て来た言葉は故郷を襲った惨状への嘆きだった。


 両親と一緒になって開拓し、麦が育つようになった畑が丸ごとなくなっていたんだ。

「豪邸と言えばそうだけど、せめて畑は残しておいてくださいよ、ジーナさん」

「……すまんな」

 そう言うジーナさんの眼はキツク、ちっとも反省の色が見えない。


「文句は家の中を見てからにしろ」

 いつかその爆乳を揉みしだいてやるからな。


 そして、家の中に上がろうとした時。

 僕はそこで信じられない人達と再会する。


「君達は確か」

「奴隷商店にいた奴隷達か」


 髪を整え、衣服も買い替え立派な姿になった彼らが居たのだ。

 見違えた、そう思わずにはいられない。


「君はリュト?」

「そうです」

「見違えたな」

 そう言わずにはいられない。だけど、


「どうして君達がここにいるんだよ」

「はーい、私が連れて来ましたー」

「マリーが?」


「イクト、お前がこいつらに温情を与えたのは知ってる。けど、少しはやり方を考えろ、自分の行動には責任が付いて回るってこと、ちゃんと自覚しろよ。こいつらあのまま放置してたら全滅してたぞ」


「何か遭ったのか?」

「ああ、どこかの馬鹿がフレアの魔石を持たせたから話が拗れた」


 マリーの話を聞くと、僕に解放された彼らは裏道で遭遇したごろつきに殺され掛かっていたらしい。たまたま通りかかったマリーが彼らを助け、事情を尋ねて僕の名前を耳にして、ならと彼女は――


「なら、こいつらは今日から私達の家に住み込みで働いて貰おうじゃないか。どうせ行く当てなんてないだろうし、それにイクトはジーナさんに弟子入りして相棒が必要だったんだろ?」


 ジーナさんの弟子になったつもりはないけど、そう言うことだ。

 マリーは一度決めたら頑なに意思を曲げない娘なら、これ以上の議論は無駄だ。

 僕はこの先一生、彼女の尻に引かれるんだろうな。


「リュトって言います、得意分野はないけど、一生懸命、イクトさんの役に立ちます」

「リュトの面倒はイクトの係に決定されましたー、それじゃ私はこいつを貰おうかな」


 マリーは奴隷の中でも品格に溢れた少女を選んだ。

 するとオリビアも「私の配下に加えてやろう」と言い、三つ子の女奴隷を従える。


「なるほど、一人に付き一人の性奴隷が貰えるのですね」

 残った一人、男の奴隷は空前絶後のビッチが早速唾を付けていた。


「イクトさん、僕は先ず何をすればいいでしょうか」

 僕が面倒を見ることになったリュトは、人生のリスタートに意気込んでいる。

「そうだな……リュト、君には僕の父さんから教わった農業の知識を教えるよ」

「は、はい!」


 リュトの眼差しは太陽のように輝いていた。

 僕は彼の熱意に絆され、マリーとの新たな生活の未来を思索している。


「ちょっと待てイクト、お前は私の弟子だろ?」

 そしたら僕は爆乳美人の爆乳に爆乳責めされ、頭の中が「乳」でゲシュタルト崩壊を起こす。


「リュト、とりあえずお前はこっちに居るルガートから鍛冶仕事の補佐業務を徹底的に教えてもらえ」

「はい! 頑張ります」

「いい返事だ。後はイクト、お前だけだな」


 ――言っておくが、私は仕込み上手だぞ。


 僕はジーナさんのこの言葉にしてやられ、渋々彼女の弟子になったんだ。

 マリーは僕を侮蔑が籠った眼差しで見た後。


「まぁいいか」

 いいのか。


 ――そして、僕がジーナさんの弟子になって四年の時が経過した。

 あの頃と今の変遷を語るには一言じゃ足りないけど、強いて要約すると。



 僕は――賢者の孫娘とイチャイチャしてたら異世界御用達の魔石工房の主になってました。

まだ終わりではありません。

手元にあるカードを全てショーダウンするまではやり続けます。

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