出張版ですよ 空気だけの存在 エア子さん
こういうのもありかな? ってことでやりました。
指摘があればうれしいです。
僕は思ったよ、こんなところで出番がくるとはね…。
ここは、何処かって? 自分の通っている学校だよ。
相変わらず地味ライフを満喫しようかと思ったらさ…。
『コラー! 満、この様はなんだい? せっかくアタシらが活躍した物語が埋もれてしまっているじゃないか! 宣伝するぞ!』
「嫌だよ~エア子さん。人に知られるのってホント嫌い」
ちなみに、実体なき2・5次元サウンドオンリー空気だけの存在エア子さんは僕のみしか声が届かない。不都合この上ないよ。トホホ。
『お前は~相変わらず人間が弱いな。少しは鍛えてやったのにな』
人間かどうかもわからないエア子さんに人と言う言葉を使われてもな~とは思う。けど、言わない。怒られる。
ちなみに、今は休み時間で次は移動授業だけどボッチな僕としては置いてきぼりなのである。
しかし、エア子さんが今のうちにアピールするぞ! で張り切っている。何故にこのタイミングで?
授業中でエア子さんと会話していると、また先生に目の敵にされるからいいんだけどね。
「そんなこと言うけどさ…。なにをするのさ? ネタバレしてもしょうがないし」
『そうだな~。満、アタシの魅力を言ってみな』
「うるさい人」
『それだけかい? 情けないね~。美人で頼れるお姉さんとかあるじゃないか?』
「エア子さん…ビジュアルないのに強気だね。まあ、あえて言うと声だけ美人?」
『コラー! そんな言い方があるかい。アタシの魅力をいいな』
ない、とは言えないか…。真面目な台詞を吐くと恥ずかしいしね。僕はあれこれ考えていると。
『もう、いい! 満とは絶交な! いいのかい?』
「それ、何度目? エア子さんが結局は僕にコンタクトするじゃないか…」
『だよな~。満がちゃんと生きているか、心配になってな』
「大丈夫、いつも底辺にいるから問題ないです」
『だからほっとけないのさ! 満は』
だってさ、屁理屈を言うとね、リア充という上位人生の捕食者がいれば、当然に下位の弱者がいるわけですよ。リア充ライフの食い散らかしたカスを集めてご馳走と偽りながら密やかに慎ましく生きる隠者が僕! 偉くない? いや、自分で何を考えているのかわからない…。
『満よ、卑屈な表情になっているぞ! 笑顔だ! え・が・お』
ニッコリ。
『いや、なんか気持ち悪いな…』
「酷い! でも、正解」
そもそも、大量生産地味な顔の僕にはキモイだけでも上出来なのだ。
『普通にしていれば小柄な美少女に見えるのにな。男してはキモイがね~、』
「それは、断じて否、断じて否だよ」
『おや、コンプレックスだったかい? すまんな』
「いいよ、自身の美醜なんてどうでもいいでしょ?」
『そういうもんかね~』
「話がそれていない? 短編ストーリーで宣伝行為でしょ?」
『そうだったな。満はこれでも頑張って他人と交流したりするんだ。読んでみてくれな』
「人間嫌い」
『こ、こいつは~。じゃあ、登場キャラ』
「ブドさん大好き、仙洞会長ロリばばあ、新亜さんうぬぼれビッチ、梨園さん中二病もどき、我空兄うざい、以上」
『他にも登場キャラいるだろ!』
「エア子さん、全部紹介しなくていいでしょ? どこまでも必死だよ。これ」
『せっかくだからな、アタシは久し振りに出番が来てはしゃいだかもしれないねぇ』
「あと、エア子さん…そのしゃべり方どうにかならない? せっかくの美声が萎えるよ」
『性分だからな、どうにもならないねぇ』
などと駄弁っていると、次の授業が始まるチャイムが鳴り響く。
「ヤバイ! 遅刻するよ。次の授業ってなんだっけ?」
『ボケ、満。科学だよ。実習室に急ぎな! でも、廊下は走るんじゃないよ』
それ、どうしたらいいの? 無茶苦茶言ってくれるよエア子さんは。
「じゃあ、行くかな。その前に(空気だけの存在 エア子さん)ヨロシクね!」
『アタシからも(空気だけの存在 エア子さん)よろしくな!』
そして、僕らは教室から去る。
うん、他人から見たらよくわからないやりとりを見られなくて良かったなと安心する僕がいる。
お わ り