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Re;BARC  作者: ぜろ
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あべこべ

勢いで書いた。死ぬまでには完成させたい。

 

 


 前世ってあるのかな?




 唐突だけど僕はこう思った。僕は栄えある侯爵家の長男。現当主である母上は当代女王様の従姉妹にあたる。ちなみに父上は子爵家の出だ。


 ただ今年で14を迎える僕の経歴は複雑である。何から話せばよいだろう。


 まず、僕は生まれながらに違った。なにがどうとは言葉にうまくできないが違ったのだ。


 1番の違いは物心ついたときから知識があった。自覚したのはつい最近だけど、身につけたとかではなく、気づいた時には備わっていた知識だ。空の青さの理由や暦、重力、天動説等である。


 天動説を周りにもらした時は一騒動あり、異端な考え方であると思い知らされた。


 その僕の備わっていた知識とこの世界の知識には大きな隔てりがある。


 この世界は男女の人口比に偏りが見られる。男性比は男性比が女性の半分にも満たない。そして、人が子をなすには番が必要である。このことから、男性が重んじられる傾向にある。いわゆる男尊女卑である。

 ただ実務は女性が取り仕切り、もっぱら男性はというと庶民なら家事、貴族なら社交界である。そして、国も男性の保護には力を入れている。


 現場は女性、監督も女性、一部を除き社会は女性でできている現状だ。


 王政であるこの国でも王様は王様だが、女王様が王様である。ややこしいが女王様が頂点でそのお婿さんが王様なのだ。いわゆる女系王家。


 僕には理解はできても納得ができない。僕の知識から生じる違和感が拭えないのだ。歪だ。


 また、魔力という不思議パワーがある。もうこれは意味がわからない。魔力を発生させる臓器が体内にあるとかなんとか、僕はコイツとの相性が最悪だ。おかげで病気がちである。

 ……と言うのも、肉体と魔力が反発しあってるとかなんとかで、身体が一次成長を終え、出来上がるまで伏せりがちであった。ただ、一次成長を終えたあたりからこちらは良好である。



 「お目覚めですか?殿下」


 ちがうよ、僕はとっくに殿下じゃないよ。



 思わず苦笑が漏れる。



 繰り返しになるが僕は侯爵家の長男として生を受けた。ただ我が国の伝統で王族の長子は直系の養子に入るのが習わしである。王家を絶えさせないためである。そしてその当時、当代の女王様には子がいなく、懐妊の兆しが見えなかったことに加え、母上と女王様は仲の良い従姉妹関係なので僕は生まれて間もなく、すんなり暫定とはいえ王位継承権第一の座に着いた。


 女王夫妻にもよくしてもらったが、僕が養子に入って4年ほど後、女王様は目出度くご懐妊。翌年、王女殿下をご出産。



 7歳の生誕祭にて正式に王位継承権を正式に定める習慣があるので、今となって考えるとあと1年出産が遅ければこの国の次代の王様は僕だったんだよね。まぁ興味ないけど。


 このため、今だに殿下呼ばわりする奴が多い。やめろよ、邪推されるだろ。


 正当なる直系がお誕生なされたため、慣例に従い僕は王位継承権を破棄し、本来なら侯爵家に戻るのだが、僕が王家に養子として入ってる間に侯爵家に長女が誕生。本妻の子である。ちなみに僕の母上は妾腹である。

 これまた僕からしたらややこしいのだが、女系社会であるにも関わらずこの世界では一夫多妻制がとられている。つまり、貴族社会では本妻に子がいなければ、妾腹の子が本妻の養子となるのである。


 家督争いを嫌った王家の意向と、ある伯爵家の要望により伯爵家の猶子となる。このとき6歳。


 が、この伯爵家は一時期王位継承権を有していた僕を猶子にしたことで次第に調子に乗り、取り潰し。このとき12歳。


 猶子といえど、仮にも僕は王族に連なるもの。さらに、王族の遊び役に抜擢されていたこともあり、母上の実家の子爵の預かりとなった。



 あれよあれよと侯爵家、王家、伯爵家、子爵家と移り住んでいるワタリドリ。


 もうこれだけで人生濃ゆくない?



 「お召し物の支度が整っております。並びに送迎の馬車も既に屋敷の前に」


 うむ。



 ちなみにこの人は子爵家の有能メイドさん。子爵家に来てから大変お世話になってます。



 大変濃ゆい人生を送っている僕はこの秋から王立学園に通うこととなった。


 王立学園はこの国随一の教育現場であり、貴族子女並びに庶民が共に通う共学学園である。


 この国は王を頂きに置いた貴族制こそ取っているものの、ここ100年で体制は大きく変化を見せ、民主制に近いものとなりつつある。王が、白!!と言っても、みんなにとって黒いものは黒いのだ。


 昔は貴族のみだったらしいけど、体制の変化とともに市井にも門戸が開かれたそうだ。


 そして、この学園は歴史ある全寮制である。これから卒業まで僕はこの学園で寝食を過ごすのだ。いろいろあるんだろうなー。

 子爵家には、くれぐれも女性に気をつけるようにと、厳重に注意された。

 この世界は女性が社会を回してることもあって色々と積極的なんだよなー。対して男性が消極的な印象だ。


 これまで様々な家で帝王学を学んできたけど、これまではぜんぶ家庭教師だったからこれからの学園生活が楽しみだなー。



 学園指定の服に着替えて、馬車に乗り込む。荷物は……。


 「必要な荷は既に寮へ運ばせております。いってらしゃいませ若様」


 相変わらずこのメイドさんは有能だなー。



 では、いってきまーす。


 

死ぬっていっても余命幾ばくとかちゃうで?

気持ちの問題やで。のんびり完成させたいってことやで。

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