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Welcome to RORI world ①

 ちゃぽん。

 水の流れる音で、目が覚める。


 見渡すと壁一面にタイルで、辺りに湯気が漂っていた。

 今私がいるのは、明らかに室内だった。おかしい、さっきまで児童公園にいたはずだ。


 ここは……浴室?


「誰かが入れてくれたって訳じゃあ、無いよね。服着たまんまだし」


 そう、私は特製ヒーロースーツを着たままだ。服を着たまま浴室にいるせいで、べっとりとして気味が悪い。


「な、ななななな……」


 ん? 今、誰か入っているのかなぁ。

 声がした方に振り向くと、何という事でしょう。そこには、全裸の美少女がいたではありませんか。


 しかも、穂村ちゃんと同じか、ちょっと下ぐらいのお年頃。つまり、ロリだ。幼女ボディだ。ちっぱいだ。


 綺麗なロングの黒髪が、お湯に濡れて肌に貼りつき、そのちっぱいを隠している。

 だがそこがいい。見えているより、なんか、エロい! いいよ、最高だよ!


 ここは何処だとか、貴方は誰だとか、そんなのどうでもいいっ! 今の私の使命は、この素晴らしき光景を、脳内HDに録画する事以外に何があるっ!


「え、何? だ、誰なのよ、アンタ⁉」


 あら、この謎の幼女さん。明らかに動揺していらっしゃる。ふるふる震えて、怯えきっちゃってるよ。可愛いなぁ、もう!


「あ、私は気にしないで。怪しい者じゃあないよ。ただ見ているだけ……おっと失礼、鼻血が」


 どうやら、穂村ちゃんが一緒にお風呂入ってくれなくなったせいで、幼女の全裸耐性が落ちてたみたいだ。今の私に、この状況は刺激が強過ぎるよ。


「こ、の……!」

「え、なに? お姉さんにお話しでも?」

「変質者の分際で、馴れ馴れしくすんじゃねぇぇぇぇぇぇぇっ!」


 先ほどの怯えきった表情から一変。そのつぶらな瞳を吊り上がらせ、膝蹴りを顔面めがけて打ち込んできた。

 ま、体もちっちゃいし、対して勢いも無かったから、私なら簡単に避けられるんだけどね。


 ただ、うん。避ける際に、アソコがね。あんまりにアダルトな角度で見えちゃったからね。収まりかけてた鼻血が、また噴き出しちゃったよ。


「な、なんという強烈な……」

「嫌ぁぁぁぁぁぁっ!」


 顔を真っ赤にして、手で隠しちゃったよ。

 恥じらい幼女も、いいもんだねぇ~。


「まぁ、でもそんな気にしなくてもいいよ。私、女の子だし」


 バイザーを取り、素顔に戻る。私はロリコンだけど、女だと明かせば、少しは落ち着いてくれるんじゃないかな。


「訳分かんない事、ぼざいてんじゃ、ねぇぇぇぇ!」


 あれ? 女の子だと明かしたけど、状況が全く変わんないぞ。未だに、変質者を見る目つきで、こっちを睨んでくる。


 その娘は、浴室の外にあった金属製の、身の丈程の棒を手にした。多分、武器か何かだろうなぁ。

 棒術かぁ……。ナイフ相手なら何度か経験あるけど、こういう武術的な武器はあんまり経験無いんだよなぁ。どう捌こうか。


斬花(ざんか)イグニッションッ!」

「へ……?」


 その娘の掛け声と同時に、手にした棒の先端が開き、ピンク色の光が放たれた。その光は収縮し、刃を形成する。それは、先端が光で出来た槍だった。


 昔見たSF映画で、似たようなのを見た事がある。光で出来た刃は、高熱と、何でも切り裂いちゃう恐ろしい切れ味を持っているのだ。


 って事は、やばくない? 今目の前にある槍も、凄まじい熱を感じるんだけど。コレ、多分当たっただけで即死する代物なんじゃないかなぁ!


「死ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

「おわっ⁉」


 明確な殺意を持って、光の槍を胴払いに薙ぎ払う。腰を落としてどうにか避けたけど、なんという事でしょう。後ろにあったタイルが光の部分に触れて、溶解したではありませんか。


 まずい。この槍、あまりにも私と相性が悪すぎる。接近戦以外に能が無い私にとって、触れただけでアウトな武器は、脅威でしかない。

 だからここは、惜しいけど、もんの凄く惜しいけど。


「戦略的撤退!」

「あ、逃げるな! この変態っ!」

「私だって、もっと見てたかったわよぉ~!」


 ホントにね。こんな可愛い幼女の全裸を背に、逃げるなんてね……。


「ただ、最高のメモリーをありがとう!」


 私はさっきまでに見た光景を、脳内HDに鮮明に焼き付ける。そして、浴室を飛び出し、廊下を駆けて、玄関から飛び出した。



 初めまして、赤城優人です。初投稿作ですが、いかがだったでしょうか。一応は完結済みですので、最後まで投稿していきたいと思います。では、また。

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