呆れ顔
警察!?
3人は声を揃えて、驚きの声をあげる。
「でもさぁ、TOTOさん。普通警察がいい人で、TOTOさんが悪い人になるんじゃないの?」
サナが素朴な疑問をTOTOに言う。TOTOは、うっかりした!と言わんばかりに手で頭をなでると笑い出した。
「ほほほ、確かにそうじゃ。悪者はわしじゃな、ほほほ」
「じゃ、私は悪者に店から連れ出せれたんだぁ〜、うける!!」
恵がそう言って笑い出した。というか、サナは彼女はよくTOTOについてきたなぁと関心する。サナも最初そうだったがTOTOは怪しさという点では、知り合いの中でも随一だ。由香もそれを不思議がって、絶対自分ならついていかないと真面目にいう。
「ほほほ。恵さんには、もう少しだけ不自由な生活をしてもらうが…勘弁じゃ。あと10日ぐらいじゃ」
「不自由も何も。パークハイアットのスイートにホテル暮らしなんて、夢のようだわ」
恵はそう言って笑う。由香は驚き自分も一緒にいくーと騒ぎ出したが、それはTOTOが止めた。
「ねぇ、TOTOさん。由香のことってどう思う?最初、ユキと名乗ってここにきたこと、彼女は覚えてないの…」
「そうそう。信じられないもん。私がユキ姉の名を語るなんて…恐れ多い」
「恐れ多いって…。大げさだな〜。それにユキ姉じゃない!私はサナよ」
「ごめんユキ姉…あ、サナ姉か…大げさじゃないよ…てっいうかほんと覚えてないんですね…」
由香は、身振り手振りジェスチャーを大きく交えながら言う。その言葉に恵もつづく。
「サナちゃん、あのね。あの頃、あなたは池袋はもちろん、新宿でも有名人だったのよ…雑誌やテレビもきたりして。ただあなたはそれを全て断ってたけど。」
「は?私が?なんで?」
「そりゃ、あんだけ売れてれば。いくらキャバ嬢といってもあんだけ人気があればね…。でもあんまりサナちゃんが断るから、結局当時のスタッフリーダーは、ナンバー2のマコって子をユキに仕立てて、取材を受けさせてたわ」
サナは、ますます頭がグルグルしだした。そんなに売れてれば少しは記憶に残っているはずだ。だが、なんにも思い出せないでいる自分にだんだんと腹がたってくる。
「ほほほ、マスコミを抑え込んだ者がおったでの…。サナちゃんのプライベートはほとんど公表されんかったがの」
TOTOがそう付け加える。(それ、やったのあんたでしょ!)瞬間的にサナはそう思った。
「TOTOさん、そろそろ話してよ。去年の私とさなやんに本当はなにがあったのか」
「うむ。じゃが、サナちゃんはもうすぐ同じことを体験することになるからの。それは…」
「秘密の方が楽しいのね…はいはい」
サナは呆れ顔でそういった。