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ふあぁ
ふと気づくと、サナはまたユキの夢の世界にいた。
今日は、珍しくユキは立っている。今日は珍しくサナの方から話し始めた。
(…わたし、しんちゃんと離れ離れになっちゃうかも…)
「私たちと一緒だ。」
(うん、ほんとに…)
「サナちゃん、それでいいの?」
(良くないけど…しょうがないんでしょ?)
「そんなこと言わないで!!」
ユキが急に声を荒げた。サナは久しぶりのユキの大声にびっくりした。
「しょうがないなんて言わないで!私たちと一緒はダメ!すごく後悔する!」
(ユキちゃん…)
「いい!?あのじいちゃんの言うことが全てじゃない!」
(どういうことなの?)
「私もわかんない。でも、ここで流されちゃダメあの。いい!?TOTOさんの約束より大事なものがあるはずよ」
(でも、殺されちゃうんでしょ?)
「そんなのやってみないとわからないじゃない!だいたい…」
(だいたい…?)
「今の私なんて…死んでるも同然だもの…」
(ユキちゃん…)
「お願い…あなただけが私の希望なの…」
ユキはそういうと、ふわぁっとサナの前から消えていなくなった。