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嘘はつかない!



サナはその夜久しぶりに夢をみた。


例のユキの夢だった。真田と一緒にいるときにユキの夢をみるのは、初めてだったかもしれない。


ユキはいつものようにアンティークな椅子に座っている。さて、今日は機嫌がいいのかしらと、サナはユキの言葉を待った。


「ねぇねぇ、サナちゃん…さなやんが来ないよ?」


(きっと時計を探してるんじゃない?)


「そうかなぁ…」


ユキは泣いていた。


(ユキちゃん…)


「さなやんに会いたいよ…もう時計なんていらないよ…」


(大丈夫!私たちも探してるから、あなたも含めてね)


「ほんと?」


(うん、だからもう少し待っててね。あ、あとね)


「うん…」


(私ね、昔乱暴されそうになった時、さなやんに助けてもらったことがあったみたいなの!)


「えっ!?ほんとに?」


(うん。だから、私もさなやんに会ってお礼をいいたいの)


「ヘェ〜それきっと喜ぶよ。」


(でしょでしょ。ねぇ、さなやんっていい人ね)


「うん。わがままでひねくれ者だけどね」


(あはは、しんちゃんみたい)


「似てる!似てる!でもね。もうすぐ会える気がするの…もう近くに来てる気がするの」


(ねぇねぇ、会えたら4人でダブルデートしようよ)


「うん!するする!約束だよ、サナちゃん!」


(もちろん)


「さなやん今でも一生懸命さがしてるよね?」


(うん。必死だよ!)


「会ったら、遅いよ!遅いよ!っていっぱい言うの…」


(ユキちゃん…)


「そしたらね。きっとさなやんは一生懸命わたしを探してくれてたのに、ごめんね!ごめんね!!って言うの…」


(ますます、しんちゃんみたい…)


「でもね。私はすぐに許しちゃうんだぁ。だってこの日のために我慢してきたんだもの」


(ユキちゃん、泣いちゃうね…)


「もう大泣きだよ。きっと。でもさなやんにいっぱいキスしてもらわないといけないから、いつまでも泣いてらんないの。」


(ユキちゃん…)


「もうね。いっぱい準備してあるの。去年渡せなかった誕生日プレゼントやさなやんが欲しがっていた香水…」


(ユキちゃん!)


「さなやんの好きな食べ物いっぱい作って、それから、それから…」


(ユキちゃん!!)


サナはもう耐えられなかった。初めてユキの元へ駆け出してユキを抱きしめた。



「さなやん、さなやん…さなやんに会いたいよ!!前なら会いたいって言ったらいつでもすぐ飛んできたのに!どこにいても、どこからでも!」



サナは、日記を思い出した。こんな娘がさなやんを騙しているわけがない。


(絶対、見つかる!!絶対に!!ねぇ聞いて! しんちゃんはさなやんを探すと言ってくれた!!しんちゃんは絶対やるっていったことはやり遂げる!!絶対に、さなやんを見つけてくれる!!さなやんと一緒で彼も絶対嘘はつかない!!!)













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