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8)自己紹介党 ジェノ派 第3部隊

 ジェノ「コッチはロストブリストのリストナンバー2、ジェノ・バラージだ! ゲーム同好会ではゲームプランナー担当! 好きなものは揚げ物に甘い物、そして……」


 ジョズ「ちょっ、ちょっと待ってください!」



 一気に畳み掛けようとするジェノを、ジョズが慌てて止める。そして間髪入れずに、



 ジョズ「なんと言いますか……、色々聞きたいことはありますよ? さっきから言っている『尽くす』とかいうおかしな動詞の使い回しでしたり、『コッチ』とかいうおかしな一人称でしたり、『揚げ物と甘い物』とかいう容姿にそぐわないおかしな好物でしたり!」


 コータク「聞ける所全部聞きやがったなー、コイツ」


 ジョズ「とにかく! 一体何なんですか!? あの豹変ぶりは!」



 そう言ってジョズはジェノの方を指さす。



 ジェノ「んー、どー説明し尽くそーか……」


 ジョズ「なんかまた口調が変わってますよ!?」


 ジェノ「まぁ、コッチ気分屋だからなー」


 ジョズ「気分屋というよりは多重人格者だと思います」



 そう言った後、ジョズはジェノの人格(本人曰く『気分』)がコロコロ変わるようになった原因と思われるものを指さし、



 ジョズ「そもそも、その劇物は何なんですか!?」


 ジェノ「イヤ、これ言うほど危険なものじゃねーんだけど……」


 ジョズ「それは劇物乱用者の常套句です」


 ジェノ「じゃあ逆にコッチから言い尽くさせてもらうがな!」



 そう言ってジェノは既に空になったペットボトルを左手で上から押さえつけるように掴んでジョズの目の前に突き出し、そしてそれを右手で指さしながら、



 ジェノ「何処の世界にこの『水道水』を劇物扱いする奴がお前以外にいるんだよ!」


 ジョズ「何処の世界にその『水道水』を飲んで人格が変わる人が先輩以外にいるんですか!」


 ジェノ「バカ、水道水舐めんなよ? 水道代を除き尽くせばタダ同然であるにも関わらず、癖の無い爽やかな飲みごたえと透き通るようなのど越しを併せ持つ、正に『安くてうまい』の完成形と言い尽くすことができる代物だぞ!?」


 ジョズ「熱く語り過ぎです!」



 その後、ジョズは深いため息をついてコータクにしゃべりかける。



 ジョズ「大丈夫なんですか? あの人……」


 コータク「まぁ、アイツはウチでも一、二を争うぶっ飛んだ性格の持ち主だからなー、むしろ話の切り口が多重人格と水道水だけだったからアレはまだ序の口だぞ?」



 そう言ってコータクは、再び携帯を取り出した。



 ジョズ「……まさか一人ずつ呼ぶのですか?」


 コータク「ああ、そっちの方が一人一人を覚え易いだろーし」


 ジョズ「こんなのがあと何回続くというんですか……」


 コータク「大丈夫だって、次の奴はウチでもかなりマトモな部類だし」


 ジョズの心の声(『ウチでも』というフレーズが引っ掛かりますが……本当に大丈夫なんでしょうか?)


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