7)自己紹介党 ジェノ派 第2部隊
ジェノ「で? いい加減アジトに案内し尽くしたらどうだ?」
コータク「それもそーだな。じゃーそろそろ……ってどうしたジョズ? ドアなんか見て」
ジョズ「少し……訊いてもいいですか?」
コータク「また質問か? 遠慮せずにガンガン言っていいぞー」
ジョズ「確かに私はあのドアの鍵を開けてから中に入りましたよね?」
コータク「ああ、間違いなくピッキングして入ったな」
ジェノ「犯罪用語(『物騒なこと』と読む)をさらっと言い尽くすんじゃねーよ」
ジョズ「犯罪集団(『物騒なひと』と読む)がさらっと言わないでください」
コータク「で? その物騒なドアがどうかしたのか?」
ジェノ「勝手に話をまとめ尽くすんじゃねーよ。つーか、やるならせめて事実に基づき尽くしたまとめ方をしろよ」
このままだと、赤外線レーザーに続いてドアが原因で話が脱線していきそうだったので、ジョズは早く自分の疑問を伝えることにした。
ジョズ「とにかく、私が開けたドアは南京錠が掛かっていました。部屋の中では鍵の開け閉めは出来ないはずです。だから私が部屋に入った時、既にコータク先輩がいるのはおかしいと思いまして……」
コータク「よく気がついたなー。言っとくけど窓から入るようなことはしてねーからな。さすがに窓の鍵を開けっ放しにする訳にはいかねーし」
ジョズ「それなら、どうやって部屋に入ったのですか?」
それを聞いたコータクは、ドアの前に移動した。そしてドアに取り付けてあるガラスを指さし、
コータク「こうやってだよ」
そう言って、そのガラスを引き戸を開けるかのようにスライドさせた。ガラスと縁の間に10センチほどの隙間があるのが分かる。
それを見たジョズは、相手に確認をとるような口調で、
ジョズ「……つまり先輩は、
(1)普通に鍵を使って部屋に入る
(2)ガラス戸を開ける
(3)隙間から腕を出して内側から鍵を掛ける
(4)ガラス戸を閉じる
……ということをしたのですか?」
コータク「まぁ、そーなるな」
ジョズ「どうしてわざわざそんなことを……」
ジェノ「コイツ、こういうサプライズは好きだからな」
ジョズ「泥棒が入りそうな物騒なドアですね……」
ジェノ「……そう考えるとアイツのあのまとめ方、あながち間違いだとは言えねーな」
コータク「大丈夫だって。部屋に入るのに鍵が必要なことには変わりねーんだし。そんじゃーそろそろアジトに行くとするか」
ジェノ「やっとかよ……」
そういったやり取りの後、コータクが電光掲示板を取り外し、ジョズを案内した。
ちなみに、電光掲示板の裏には取っ手が付いているので、隠し通路の中から電光掲示板を取り付けることができる。
取り付けられた後には再び鍵が掛かるので、取り外しているところを目撃されなければ部外者に気付かれることは無い。
コータク「着いたぞー」
ジョズ「ここですか……思っていたよりは広くないですね」
アジトにある部屋は二つ。どちらも小中学校の給食のように机が向かい合わせになっているが、奥の部屋はひとつひとつの机が大きめで、それぞれの机の上にはパソコンがある。恐らくあのパソコンでサイバーテロやシミュレーション等をするのだろう。
手前の部屋はホワイトボードがあることを考えると、恐らくミーティング室といった所か。
ちなみに、机の構図は↓のような感じ。
+++++++++
入 +
口 ★ +
+ ● ● +
+ ● ● +
+ ● ● +
+ ● ● +
+ +
+++++++++
コータクは★の所の机に、ジェノはコータクの隣で入口に近い側、そしてジョズはコータクの隣で入口からは遠い側なので、ジェノと向かい合う位置で座った。
コータク「そーいえばお前自己紹介まだじゃん」
ジェノ「そうか……少し待ち尽くしてろ」
そう言ってジェノはペットボトルを取り出した。透明な液体が入ったそれを、ジェノは一気に飲み干す。
ジョズの心の声(容姿や言動を見る限りではぶっきらぼうな印象ですが……コータク先輩の前例もありますしね……この人は一体どんな人なのでしょうか?)
ジョズがそう考えている内に、ジェノは液体を全て飲み干した。
するとジェノは突然左手を机に叩きつけ、今までは気だるげそうに開いていた一重の右目は全開し、ただでさえ目付きの悪い二重の左目は一層鋭さを増してジョズを睨み付けた。
そして、背筋も凍るような殺気を出しながら彼は口を開いた。
ジェノ「てめーらぁぁぁぁぁ!!!!!! 今からコッチの自己紹介の時間だ。しっかり聞き尽くしなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
ジョズ「!!!!!!!!!!?????」
なんとなく予想はしていたけど、やっぱりドアの前フリで(ry
次回はとうとうジェノ無双が始まり尽くします。