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6)自己紹介党 ジェノ派

 コータク「そんじゃー、そろそろアジトに行くとするか」


 ジョズ「あれっ? ここがアジトなのではないのですか?」


 コータク「ここはあくまでも『ゲーム同好会』の部室だ。いくら人通りが少ないとはいっても、さすがにここをアジトにするにはちょっと問題あるからな。」


 ジョズの心の声(なるほど……確かにここは人通りが少ないけれども、もし警察に所在がバレて捜査官がやって来た場合、真っ先に疑われる場所という捉え方も出来ますしね。)



 そう思いながら、ジョズはコータクの右隣にある机の上のパソコンを見た。



 コータクの心の声(私の調査が正しければ、例の電子メールはあのパソコンから送られたようですね。アジトにもパソコンは備え付けているはずなのにわざわざこのパソコンで電子メールを送ったのは何故でしょうか?)


 コータク「どうした?」



 どうやらジョズの様子に気が付いたらしく、コータクが声をかけた。



 ジョズ「あ、いえ……アジトにパソコンは備え付けてはいないのですか?」


 コータク「パソコンか? 当然だがアジトにもちゃんとあるぞー。でも簡単にアジトの場所を特定される訳にはいかねーから例の電子メールはここのパソコンから送ったんだけどな」


 ジョズの心の声(なるほど……万一私が予想に反してメール元を警察に知らせた時の為の保険ということですか……)



 感心しながらジョズはコータクの方を見た。



 ジョズの心の声(野生児の様な風貌やラフな言動に反してかなりの切れ者の様ですね。敵でなくてなりよりです)


 ジョズ「それで、アジトはいったいどこにあるのですか?」



 気を取り直してジョズが尋ねると、



 コータク「とりあえず、『アジトの定番』と答えれば解るよな?」


 ジョズ「地下室……ですか? 特に空気の通りは感じませんが……」


 コータク「スパイってそんなことも分かんのか!? スゲーなオイ!!」


 ジョズ「まぁ、それなりに訓練はこなして来たつもりですから」



 そうかそうかと感心しながら、コータクはポケットからキーホルダーを取り出した。それには手のひらサイズの筒状のものが取り付けてある。



 ジョズ「それは何ですか?」


 コータク「これか? 赤外線レーザーだ」



 そう言ってコータクはレーザーの発光部分を部屋の奥にある掃除用具入れの方に向けた。



 コータク「あの掃除用具入れの取っ手、ネジで固定してあるだろ? 上の方のネジに、赤外線に反応する超小型のセンサーがあるんだよ」



 そう言ってコータクは赤外線レーザーのスイッチを押した。それとほぼ同時に、鍵が開いたような音がした。


 ジョズは音のした方向を見た。そこにはひとつの電光掲示板があった。この学校にはどの部屋にもあるものなので、先程までは特に疑問は感じなかったのだが……



 ジョズ「あそこから空気の通りを感じますね。先程までは全くと言っていいほど感じなかったのに……」


 コータク「まぁ、一流の職人が1000分の1ミリ単位の精度で作ったからな。アリ一匹どころか空気すら通さねーよ」



 そう言ってコータクはポケットから赤外線レーザーをもうひとつ取り出した。



 コータク「これはアジトに入るためのキーアイテムだからな。無くしたり盗られたりしないように気を付けろよ?」



 取り出した赤外線レーザーをアンダースローでジョズに渡した後、コータクはそう忠告した。



 コータク「あ、そうそう、部外者が何かの間違いで鍵を開けるとかいう事態が……」


 ジョズ「起こりません。潜入のスペシャリストを含めて赤外線を発生させる装置を持ち歩いている人なんていません」


 コータク「……まぁ……そうだな……とにかく念には念を入れて、コタツの最大出力の10倍の赤外線を当てねーと鍵が開かない仕組みになっているからな」



 それを聞いた瞬間、ジョズの頭に二つの感情がよぎった。一つは、コタツの最大出力の10倍以上の赤外線をあんなに小さな筒から放出できるということに対する素直な驚き、そしてもう一つは……



 コータク「そんな訳で人に向けて当てるようなことはするなよ?」


 ジョズ「それ以前に人に向けて投げるようなことをしないでください!!」



 そんなものを雑に扱うコータクへの憤り……



 コータク「言われてみたらそーだな。まぁこの忠告守らねー奴もいるし」


 ジョズ「それはこの組織が無法者の集団(『テロリスト』と読む)だからだと思います」



 ジョズが冷静にツッコんでいると、突然ドアをノックする音が聞こえた。恐らく先輩が携帯で呼んだ人物なのでしょうと思いながらジョズはドアの方を見た。


 ガラガラと音を立てながら姿を現した男に向かって、コータクが「よう、ジェノ」と声をかけた。恐らくあの男のコードネームなのでしょうとジョズは推測する。


 そのジェノという男は、ジョズやコータクのように特殊な髪型はしていない。上は黒を基調としたカジュアル服、下はくすんだうぐいす色のカーゴパンツというコーディネートから見て、あまり見た目に拘るタイプなのではないのだろう。


 彼の外見においてその独特な服装以上に印象的なところは、非常にアンバランスな右目と左目。


 右目は一重で、そこから気だるげそうに彼の黒目が半分だけ覗かせている。半月型にデフォルメされても恐らく不自然には感じないだろう。


 それに対して左目は二重で非常に鋭い。三角形型にデフォルメされてもやはり不自然には感じないだろう。



 ジェノ「……確かアジトで待っているとか言っていたよな?」


 コータク「いやー、来る頃にはアジトに案内し終えていると思ったんだけどなー。赤外線レーザーの前フリを長くし過ぎたか?」


 ジェノ「ったく、呑気な奴だな」



 そんなやり取りをしている二人を他所に、ジョズは未だにドアの方を見ていた。

 赤外線レーザーの前フリが原因で、まさかの2連続サブタイトル詐欺……


 次回、ジョズがどうしてドアの方を見続けているのかが分かります。当然、ジェノの外見以外の描写もしていきたいです。

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