17)自己紹介党 キャッカ派
コータク「そんじゃー、ドンドン行くぞー」
ジョズ「……一体あと何人いるんですか」
三人目にして早くも疲れの色が見え始めて来たジョズに対して、コータクは何気なく返す。
コータク「ん? 4人だ」
フキ「正確には3人と1羽だけどね」
コータク「『1羽』なのか? アイツ」
フキ「んー、どうなんだろ? ジェノはどう思う?」
フキの言葉に対して、ジェノは仏頂面でこう返す。
ジェノ「……2人と2匹じゃねーの?」
フキ「じぇ、ジェノ……」
苦笑いするフキをよそに、ジョズが冷静にツッコミをする。
ジョズ「……なんで当たり前のように人外が混ざっているんですか」
コータク「まぁ、人だろうと人じゃなかろうと、ロスブリの立派な一員である事には変わりねーだろ?」
胸を張ってそう答えるコータク。だがジェノは、そんな彼を流し目で見ながらこう言う。
ジェノ「……ロスブリで立派なヤツなんて、無駄に温厚なフキと、無駄に器のデカいお前位だがな」
ジョズ「……やっぱり残りの4人(?)は一癖も二癖もあるんですね」
フキ「あ、あはははは……」
呆れるジョズに対して、力なく笑うフキ。そんな二人を差し置いて、ジェノがコータクに顔を向けてこう言う。
ジェノ「それはともかく、今までナンバー順に呼び尽くしているってことは、次はキャラ男か?」
コータク「ごめーとー」
ジョズ「……何なんですか、キャラ男って」
ジェノ「キャラキャラしててウザったい男だ」
会話を聞いたジョズの質問にジェノはこう答えたが、当然ジョズが納得するはずもなく、彼はこうツッコミを入れる。
ジョズ「いや、そんな『チャラチャラしててウザったい男だ』みたいに言われましても。そもそも何なんですか『キャラキャラしている』って」
ジェノ「まぁ、見りゃあ分かり尽くすから心配すんな。それより、席移動し尽くした方がいいぞ」
ジョズ「……何故ですか」
ジェノ「ん? 心配せずともハバネロより辛口なスパイス溢れるスパイの顔を拝み尽くすのが辛いなんて1ミリもオモッテナイヨ? ウソジャナイヨ? ホントダヨ?」
訝しげに訊くジョズに対して、明後日の方向を見て答えるジェノ。しかも後半はわざとらしくカタコトで言っている。
ジョズ「……ちゃんと私の目を見て言って下さい」
そう言われ、今度はちゃんとジョズの方を見て答えた。
ジェノ「ウソジャナイヨ? ホントダヨ?」
……わざとらしくカタコトで。
ジョズ「……動けばいいのですね。どういう意図かは『全く』分かりませんが」
そう吐き捨てて、左の席へ移動するジョズだった。
『自己紹介』のはずなのに、登場どころか本当のコードネームである『キャッカ』という単語すら出て来ないキャラ男。
だが泣くことはない。お前は主人公のコータクを差し置いてキーワード入りを果たしているというとてつもない優遇を受けているのだから。
今更書く事でもないけど、主人公はコータクダヨ? 今回は内気なフキ並みしかしゃべってないけど、主人公はコータクダヨ? ウソジャナイヨ? ホントダヨ?