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1)プロローグ党 密談派

 男1「4月だ!」


 男2「4月だなー」


 男1「つまり新学期だ!」


 男2「つまり新学期だなー」


 男1「今年はどんな奴が入部してくると思う!?」


 男2「……おい、ちょっと待て」



 とある大学のとある部室……の地下室で二人の男が密談をしていた。

 どうやら、これから入部してくるであろう新入部員について話しているようだが、期待に胸を膨らませているツンツン頭の男とは対称的に、気だるげな受け答えをしていた男は、どこか不服そうな表情をしている。



 男2「お前、まさか去年のように気に入った奴や面白そうな奴を勧誘しようだとか考え尽くしてるんじゃねーだろうな?」


 男1「大丈夫だって、勧誘はしねーよ。今年は去年とは勝手がちげーしな。なんつったってオレ等はテ……」


 男2「分かってんならいーんだよ。皆まで言い尽くすんじゃねー」


 男1「でもよ、一人位なら入部する奴が居たっていーんじゃね? オレ賑やかなの結構好きだし。」


 男2「……入部者は居ねーよ。つーか居たらいけねーだろうが。理由は分かるな?」



 入部希望者は歓迎したいが、自分達が所属する集団の特性上それが出来ない、そんな問題に直面したツンツン頭の男は、左手を顎にあてて、暫くの間唸った。


 すると男は突然左手で指を鳴らし、もう一人の男が座っている机を両手で勢いよく叩き、そのまま前に寄りかかった状態で尋ねた。いかにも妙案を思いついたという顔をしている。



 男1「要するに『入部者が居たらイケナイ』状況をなんとかすればいいってことだよな?」


 男2「……まぁ、そうなるな」


 男1「とりあえず、耳貸せ」


 男2「……これ、密談なんだが……」


 男1「まぁ、こうゆーのは気分の問題ってことで」



 そうしてツンツン頭の男はもう一人の男の耳にゴニョゴニョと話し始めた。



 男1「………………………………………………」


 男2「………………………………………………」


 男1「………………………………………………」


 男2「……それって問題以前の問題じゃね?」


 男1「まぁ、最後まで話聞けって」


 男2「……分かった」


 男1「………………………………………………」


 男2「………………………………………………」


 男1「…………………………………という訳だ」


 男2「なるほど……試し尽くす価値はありそうだな。だがそうなると前準備が必要なんで、早速取り掛かり尽くすとするか。」


 男1「おー、じゃあ任せたぞー」



 ツンツン頭の男はもう一人の男を笑顔で見送った。その後、これから起こる出来事を想像したのか、小さな声で「新学期が楽しみだ……」と呟いた。

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