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第8話 防衛戦だよガ-ゴイル

残酷な描写、不快な表現があるかもしれません。

人の死が多く書かれていますので、嫌だという方はお戻り下さい。


また、人物、職業等批判している訳でもありません。

あくまで見る方向が違うとお思い下さい。


それでもいいという方だけお読み下さい。



さて、防衛戦を行うと言う行動に限り、自由になれたがどうしようか?


①騎士団に突撃をかまし、ヒャッハ-!俺最強!俺無双を行う。

無理無理、速攻死ねます。


②塹壕(鉄柵)の向こうから狙撃(メス爪発射)を実行する。

メス爪発射に威力は無いうえ(鎧に跳ね返されます)、さらに弾数は10発しかない、却下だな。


③攻めては引きのゲリラ戦を行う。

う~ん、悪くは無いのだがここはダンジョン、行き止まりなどがあり厳しい。


④新兵器、魔力レ-ザ-で敵を薙ぎ払う。

うん、これがいい、まだ試射も行っていないが騎士達で実験をさせてもらおう。


方針を決めた俺は騎士達を目指してずんずんと上層へと昇って行った。


途中で会った、スケルトンやゴ-レムに挨拶をしつつ昇って行くと、剣戟の音や悲鳴、怒声や爆発音が聞こえてきた。


ダンジョン内で爆発とは正気か?爆風が一定方向にしかいかないダンジョンでは仲間も吹き飛ぶぞ。


強烈な風が吹いてきたものの、進んで行った先で見たものは

散乱する手足に飛び散った肉片、呻き声が蔓延する、悲惨な現場であった。




時間は少し遡り、騎士、魔法兵Side


「えぇぃ!何をやっておるか、相手は高々ゴブリンであろう、さっさと蹴散らして進むのだ」

そう怒声を上げているのは、周りより一際豪華な鎧を着た男であった。


「し、しかしグレック団長、相手のゴブリンが思った以上に武装化されていまして、中々倒せません、さらにこんな狭いダンジョン内では隊列も上手く組めず苦戦しております」

そう答えたのは傍に居た若い騎士で。


「何を言っておるか!我々第一騎士団は選らばれた人間であるぞ、それが畜生ごときに遅れをとるなどあってはならん」

「で、ですが、あいつら闘っている隙をついて矢を撃ってくるのです」


戦闘が行われている広間では、騎士達と武装ゴブリンが斬り合いを行っているが、その脇では弓を持ったゴブリンア-チャ-が狙いをさだめていた。


「くそっ!このっ!いい加減倒れろ」

剣を振るっている騎士が怒鳴るが、その剣はゴブリンの持つ盾に阻まれていた。


頭に血が昇った騎士は盾ごと切捨てようと大きく剣を構えたところで動きが止まった。

そしてバタリと倒れこんだ、その身体には脇から矢が刺さっていた。


上層部広間でのゴブリン達の戦闘は巧妙であった、武装したゴブリンが敵を引き付けつつ攻撃を防ぎ、ゴブリンア-チャ-が鎧の無い顔や首、脇など間接を狙った。


その結果、1人また1人と騎士達は倒れていった。



「くっ!1対1で闘う騎士道精神を知らんのか、畜生どもは!」

それを見たグレック第一騎士団団長は、怒りの声をあげていた。


第一騎士団は貴族達の子弟で構成されており、戦う事はほとんど無かった、あっても城の鍛錬場で型通りに剣を振るうくらいであった、しかも本格的な戦闘が始めてと言う騎士も多くいた。


「魔法兵団はどうした?我々の援護をせんか!」

彼は自分の言った事も忘れて、文句を喚き散らした。


彼はこのダンジョンに入る前、魔法使いなど不要だ、後ろで我々の戦果を見ているがいいと言い魔法兵団を後方へ下げたのだ。


「す、すぐにギルバルトに言って魔法兵団を前に出すのだ!」


騎士達が血を吐いて倒れていくのを見ながら彼は

ま、まずい、無理を言ってグリバ-ル侯爵に騎士団を出させていただいたのにこれでは私の地位が危ない。


すでに危ないどころか危機的な事に彼は気がついていない。

死んでいった騎士達はあれでも貴族なのだ。


彼がイライラしながら待っていると魔法兵団の一小隊が彼の元へやってきた。


「遅いぞ!屑が、さっさと畜生どもを殺せ!いや魔法で吹き飛ばせ!」

彼は焦りながらも考えた。


「で、ですが、前には騎士の方々が・・」

「いいからやれ!私の言う事が聞けないのか?!やらないとお前達を辺境送りにするぞ!」

彼は顔を真っ赤にして怒鳴り散らした。


「わ、分かりました、どうなっても知りませんからね」

魔法兵団の隊長はしぶしぶ、隊員達に合図を送ると呪文を唱え始めた。


くっくくくっ、バカどもめ、お前達は私が止めるのも無視して魔法を撃った事にされ、今までの被害はすべてお前達がやった事になるのだ、責任はお前達が被るのだ。


彼が考えこんでいる間に、呪文は完成し


「「「「「バ-スト・ボム(爆裂魔爆弾)×5」」」」」

広間の床に1mほどの魔方陣が現れると、それは次の瞬間、爆発した。


※バ-スト・ボム(爆裂魔爆弾)、属性は設置型地雷魔法、視界内なら任意に爆発出来る魔法陣を設置する魔法、迎撃、防衛、魔物退治に罠と非常に有効な魔法であり、軍隊に居る魔法使いには必須な魔法である。




時間は戻り、ガ-ゴイルSide


見渡す限りの死屍累々・・味方も巻き込んで何をやっているのやら。

まだ生きている(瀕死)騎士に止めをさしつつ、歩き回っていると


「うぅぅぅ」呻き声が聞こえてきた。


声の方に目を向けると、一際豪華な鎧を着けた人間を見つけた。


どうやら気絶しているだけのようだが、俺の興味は人間ではなく鎧にあった。


多少傷は付いているが、周りの様子から比べると驚くほど損傷が少ない、魔法でも掛かっているのか?見つめると


【名前】 プロテクション・ア-マ-(全身鎧)

物理防御力を上げる呪文と、魔法防御力を上げる装飾がほどこされている全身鎧。


ほぉ、これはいい鎧だ。

では、さっそく、いたたきます。


男を脱がすのはいつも嫌になるが、全身鎧を男から外すと、胸の口へ入れた。


こ、これは・・・まろやかなのにコクがあり良い味を出している、最近無機物の美味さに目覚めた俺が点をつけよう、星3つである。


俺が鎧の味に点をつけていると

ドタドタ、ガチャガチャと音が接近して来た。


むむっ、増援か、一旦退却した方がいいかな?と思っていると


「こっちはグレック団長が向かった方向だぞ、何かあったのかもしれん、急げ!」

「あの爆発音はなんだったんだ?」

等々、声まで聞こえてきた。


君達、重い鎧を着ている割に早いのな。

あっと言う間に俺は、3人の騎士の視界に捕らえられてしまった。


「何だ、あいつはガ-ゴイルか?」

「あいつの足元に居るのは団長だ、早く助けないと」

「まさか、団長はあいつに・・」

俺が喰った鎧の持ち主は団長だったらしい、道理で良い物を持っているはずだ。


3人の騎士は剣を抜き放つと走りながら俺に切りかかってきた。


いきなり切りかかってくるなんて酷いぞ、と思いながら新兵器【目から魔力レ-ザ-】を両目から撃ち放った、3人仲良く消し炭になるがいい。



だが、ここで俺に大問題が発生!


魔力レ-ザ-を撃った瞬間、目が見えなくなったのだ。


よって、当たっているのかいないのか、さらには状況までが分からない、何っ~?

と思う間もなく俺は衝撃と共に弾き飛ばされた。


広間の中ほどまで飛ばされた俺が通路に目を向けると

突きの体勢で固まっている2人の騎士を見つけた。


どうやら、レ-ザ-を撃った瞬間は視力を失うようだ。


「くっ、硬いな」

「ああ、スピ-ドスラッシュで貫けないとは何て装甲だ」

どうやら『スピ-ドスラッシュ』と言う突き技でやられたようだ、スピ-ドと付く名前から高速移動出来るようだな。


「おぃ、ロベルトが居ないぞ、どうしたんだ?」

「あのガ-ゴイルが放った何かを喰らったようだ、気をつけろよ」

「ああ、今はあいつを倒すのが優先だ」

「行くぞ!」

2人になった騎士は剣を構えると再び俺に向かって来た。


おぃおぃ、俺を倒すより団長様と倒れた騎士を助けてやれよ、と思いながら、俺も【目から魔力レ-ザ-】を『片目』から発射した。

両目だからダメなのであって片目なら問題無く撃つ事が出来る、俺の予想は正しかったのだが


騎士達は二手に分かれる事でそれを避けた。


くっそ~当たらなかった、騎士とはここまでやるものなのか?今まで数と地の利で勝ってきたが、慢心していたようだ。


その考えは半分正しく、半分間違っていた。


彼ら3人の騎士(1人死亡)は、貴族主義の第一騎士団を嫌い、実戦経験を重んじていた、ゆえに騎士団内でも浮いた存在であり、部隊から離れ索敵を命じられていたのだ。


それからの戦闘は一方的であった。


俺が一方的にやられた、騎士は俺を挟んで左右に分かれると、時間差をつけて攻撃をしてきた、負けじと俺も右の騎士を攻撃したが左の騎士が邪魔をした、今度は左の騎士を攻撃したが右の騎士がそれを邪魔する。


くっ、まるで良い様にあしらわれている。


今は装甲で何とかもっているが、騎士達は巧妙に同じ場所を攻撃してきておりいつまで持つか怪しいところだった。



俺達ガ-ゴイルに心臓は無いが、核がある、それは心臓と同じ位置にあり、それがやられると死んでしまう、脳があるのかは自分でも分からない。


戦況は、俺の装甲が破られるのが先か?騎士達の体力が尽きるのが先か?勝負はそこになった。


だが、ここで運は俺に味方をした。

それは


「おぃ!貴様ら、早く私を助けにこんか!早くしろ!」

鎧を剥ぎ取られた騎士団長の言葉だった。


右の騎士が一瞬、騎士団長を向いた、その隙が死を招き、俺の魔力レ-ザ-が眉間に刺さった。

そして、それに動揺した、左の騎士にも魔力レ-ザ-が命中した。


ナイスタイミングだ、騎士団長。


お礼に命は取らないでやろう、俺は倒れた2人の騎士をそのままに

呆然としている騎士団長を残してその場を離れた。


現在の俺

【名前】 俺

【種族】 ブレンド・ガ-ゴイル(30%鉄製・55%鋼鉄製・10%ミスリル製・5%アダマンタイト製)

【LV】 17

【属性】 物理・魔法防御+

【スキル】 爪発射・遠隔操作LV1・魔力レ-ザ-LV2

【特性】 無機物吸収・材質変化LV2・形状変化LV2

【ストック】魔晶石(小)×4


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