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第6話 崩れ落ちるダンジョンマスタ-と身辺警護のガ-ゴイル

残酷な描写、不快な表現があるかもしれません。

人の死が多く書かれていますので、嫌だという方はお戻り下さい。


また、人物、職業等批判している訳でもありません。

あくまで見る方向が違うとお思い下さい。


それでもいいという方だけお読み下さい。



老人が馬車を急かして走らせる事2日、ようやくヴァンラント山の麓へ到着した。


ダンジョンの入り口は山を少し登ったところにあったが、老人専用の秘密の入り口はそこから少し離れた所にあった。


老人は周りに誰も居ない事を確認すると、秘密の入り口に立ち呪文を唱えた。


すると何も無かった岩肌にポッカリと入り口が出来上がっていた。


そこへ老人が入ると再び入り口は消え普通の岩肌に戻った。



老人はそのまま自分専用の宝物庫へ向かうと扉を開いた。

そこには多種多様の魔法の品があり、剣に槍、斧に杖、鎧や使用方法の分からない物すべてが乱雑に置いてあった。


その中でも山になっているのがギルドカ-ドであった。


ギルドカ-ドとはその名の通りギルドが発行する身分証明書のようなもので、大きさは手の平ほどでミスリル銀で出来ている、そしてこの世界では、このカ-ドを持てる人間を一人前と扱われる習慣がある。


何故なら材質が希少金属で出来ている為非常に高価なのだ、さらには高度な付与魔術が掛けられており本人認証や状態の表示もされる、ゆえに安易な取引が出来ないでいる。


それ以外にもこのカ-ドはその価値から担保や財産としても扱われている、本人が解除すればそれはミスリル銀の板としての価値を持つからである。


これらの事からギルドカ-ドは上流階級や貴族は持つのが当たり前となっていた。


この部屋にあるギルドカ-ドもこの迷宮で命を落とした者達の物であるが、売る事も宝としても扱う事が出来ず増えていくいっぽうであった。


老人はそんなギルドカ-ドの山の前に立つと1枚づつチェックをしていった、それは忍耐と根気がいる作業ですべてを確認するのに一晩がかかった。


そして朝、すべてのカ-ドのチェックを終えた老人はホッと一息をついた。


この山の中には、この国の貴族の名前が無かったのだ。


心配させおって、どうせどこかの道端でモンスタ-にでも襲われたのだろう、後は騎士団にこのダンジョンには来ていない事を上手く伝えなくては、そう考えていると


足元に一枚のギルドカ-ドが落ちている事に気がついた。

気だるげにそのカ-ドに目を通すと、我が目を疑った。


ジョナサン・グリバ-ル


グリバ-ルとはこの国の侯爵家の名前である、この世界名前の後に付くのは家の名であり、それは貴族しかありえなかった。


「う、嘘じゃろう」

老人はその場にガックリと膝をついた。


どの位そうしていただろうか、老人はゆらりと立ち上がるとダンジョンの工作室へと向かった。


工作室とはダンジョン内の扉や罠、ゴ-レムやガ-ゴイルを製作為の部屋で今、そこでは虚ろな目をしたドワ-フ達がモクモクと作業をしていた。


彼らはダンジョン用の職人として連れてこられ洗脳されてしまった者達であった。


老人は工作室へ着くと

「すぐに鉄扉、鉄柵、罠にモンスタ-を大量に製作するんじゃ、いいな!何としても騎士達の侵入を遅らせるのだ」

そう命令すると自分の研究室へ戻り解析魔法の完成を急いだ、だがどうにも心配であった。


ダンジョンの様子はダンジョンクリスタルで見張っていれば分かるのだがそれでは研究をしてはいられない、でも様子が気になる。

そんなジレンマで集中出来ずにいたが。


「そうじゃ!わし専属のガ-デイアンがおれば少しは安心も出来るというもんじゃ」

我ながら良い考えじゃ。


そう考えついた老人は何をガ-ディアンにするか考え始めた。


ゴブリンなどの下級モンスタ-ではダメだ、だが下層のモンスタ-は犬型で部屋には入れたくない、しかも生き物では防衛本能があり最後までわしを守るかが疑問だ、ならば命令に忠実な魔法生物が良い、ゴ-レムか?スケルトンソルジャ-か?もしくはガ-ゴイルか?


ゴ-レムは防御力はあるが鈍重過ぎて脇をすり抜けられてしまう。

では、スケルトンソルジャ-か?敏捷性はそれなりだが、脆すぎる。

やはりここはガ-ゴイルがいいじゃろう、防御力と敏捷性もなかなかじゃしな。


老人は自分の考えに満足しつつ研究室を出ると上階を目指した、目指すはダンジョン中層、通称宝部屋。


何故老人が工作室で出来たガ-ゴイルを使わずに、中層宝部屋のガ-ゴイルを選んだかと言うと、それはレベルに関係がある、出来たばかりのガ-ゴイルのレベルは低いのだ。


その点、中層宝部屋で戦っているガ-ゴイルは最大で15レベルを誇っている、これは中々のレベルで中級冒険者のレベルに匹敵する。


老人はそのガ-ゴイル達を自分の身辺警護にあてるつもりでいた。


道中、冒険者達に会わぬよう気を使いつつ老人は、ガーゴイルの居る中層宝部屋へと着いた。


そこで老人の見た物は・・・


石製のガ-ゴイル、これはいい予想通りだ、問題は全身金属で出来ているガ-ゴイルだ、しかも鋼鉄製だろうか?さらには妙な金属、ミスリル?が混じっている。


どういうことじゃ?もしやドワ-フ共の洗脳が弱まったのか、それで勝手にこんな物を作りおったのか?・・だがまぁよい、今は行幸というもんじゃ。


しかし、このガ-ゴイルの口にあるマスクは何なんじゃ?ドワ-フの考えはよく分からん。


老人の見ているガ-ゴイルの口にはマスクが付いていた。


ガ-ゴイルは自分の顔の恐ろしさを少しでも和らげようと、レベルアップした時に口にマスクをつけていたのだ。


キャ○ャ-ンしかり、筋○マンしかり、ガン○ムも、戦闘前にシャキ-ンと塞がる口マスク・・浪漫だよね、当のガ-ゴイルはそう思っていた。


老人は懐から水晶玉を取り出すとブツブツと呪文を唱え始め、そして呪文が終わると

「よいか!お前達は今からわしの警護を行うんじゃ、わしに危害を加えようとした者は殺せ!いいな」


「それと、お前。お前はわしの身辺警護じゃ、全力でわしを守るんじゃぞ」

そう言うと老人はガ-ゴイル達を引き連れ研究室へ戻って行った。




ガ-ゴイルSide


今日は朝から冒険者がやってこない。


暇だ・・・・・普段だったら1組位は来ていてもおかしくないのだが、まぁこういう日も偶にはあるだろう。


しかし、ずっと自分の名前を考えているがどうにもピンと来るものが無い。

う~ん、『鋼鉄戦士ガ-ゴイル』・・・いまいちだ。


何か良い名前がないか悩んでいると、1人の老人が広間へ入って来た。


この広間に1人で冒険者が来るのは始めてだった、最低でも2人組みだったのだが

・・これがソロプレイヤ-というものか?もしくは老人お断り、足引っ張んじゃねーよ、と言われパ-ティを組んで貰えなかったのだろうか?どちらにしろ可哀想なおじいさんだ。


老人は辺りを見渡しながら、広間の中央へやって来た。


可哀想なおじいさんを殺めるのは気が進まないが、これも仕事だ、やれやれと思いながら動こうと思ったのだが何故か身体が動かない。


な、何故だ?

そう思っていると、老人が俺の方へやって来た。


ま、まさか!遮蔽の魔法も効かないのか?


このままでは動けないうちに殺れてしまう、さっきは可哀想なおじいさんと思っていたものが今では死神に見える。


そのまま老人は俺に近づくと、俺の身体を触り、コンコンと叩き始めた。


い、いやだ~~~老人とはいえ男に撫で回される趣味は無い、しかも叩くとは、この老人Sか!Sに決まっている。


戦々恐々としながら老人を見ていると、何故か老人が驚いた顔をしている。


そんなに俺が珍しいのか?それとも俺と言う玩具が手に入って喜んでいるのか?

苦悩していると


老人は懐から水晶玉を取り出すとブツブツと呪文を唱え始め、そして呪文が終わると

「よいか!お前達は今からわしの警護を行うんじゃ、わしに危害を加えようとした者は殺せ!いいな」


そして俺の方を向くと

「それと、お前。お前はわしの身辺警護じゃ、全力でわしを守るんじゃぞ」


ああぁ~この老人は身辺警護という名目で俺を弄くり回すつもりだ、Sでジジイで、さらには無機物フェチめ。


ちょっとイタズラされる少女の気持ちが分かってしまった、行動した変態は死刑にすべきだ。

YES ロ○-タ NO タ○チ。


現在の俺

【名前】 俺

【種族】 ブレンド・ガ-ゴイル(45%鉄製・40%鋼鉄製・10%ミスリル製・5%アダマンタイト製)

【LV】 15

【属性】 無し

【スキル】 爪発射・遠隔操作LV1・魔力レ-ザ-LV1

【特性】 無機物吸収・材質変化LV2・形状変化LV1

【ストック】魔晶石(小)×1


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