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第2話 ガ-ゴイルのレベルアップ

残酷な描写、不快な表現があるかもしれません。

人の死が多く書かれていますので、嫌だという方はお戻り下さい。


また、人物、職業等批判している訳でもありません。

あくまで見る方向が違うとお思い下さい。


それでもいいという方だけお読み下さい。

『レベルが上がりました、強化しますか?』


何なのこれ?まぁ強化しますか?と聞かれればYESしかないのだが、何をどう強化するって言うんだ?


出来れば爪を長くして欲しいもんだがどうなんだろうか?

もう人体を抜き手で刺すなんてしたくない、そんな事を考えると


『爪の長さを強化しました』


はぇ?何ですと!


指を見ると3cmほどであった爪が倍ほどに伸びていた。

あぁ・・そう言えばこんな爪をした人物が出ている映画があったな~何て題名だったかな?


ピコ-ン

『レベルが上がりました、強化しますか?』


も、もう一回あるのか?


そ、それじゃ~爪を刃物のようにしてくれ、映画のイメ-ジそのままに思わず考えてしまった。


『爪の形状を変化しました』


再び爪に目を向けると、爪がメスのような刃物に変化していた。


こ、これはリンゴが上手く剥けそうだ・・・・いやいやこれは不味いぞ!

このままでは箸が持てない、爪で刺して食べる事になってしまう。


ちょ、ちょい今の無し!お願い戻して。


シ――――――――ン


だ、だったらレベルアップはないの?


シ――――――――ン


あぅ(涙)次にレベルアップしたら元に戻せるようにしよう。

爪を見ながら黄昏ていると


身体が無意識に動き出した。


こ、今度は何事だーー!


俺の身体は自動で壁の窪みまで歩くとそこに座り込んだ。

そして、俺は再び動けなくなった。


もしかして俺ってこの広間に人が来た場合しか動けないのか?、いや間違いないだろう。

何てこった~~!


これって罰ゲ-ムですか?夢ですか?悪夢ですか?そう思いたかったが抜き手を放った感触がリアル過ぎた、そもそも何がどうしてこなったんだ!


誰か教えてくれ!

色々考えていると視界の右上に半透明な画面が表示された。


【名前】 俺

【種族】 ガ-ゴイル(石製)

【LV】 5

【属性】 無し

【スキル】 無し

【特性】 無し


は?これって俺だよな?名前が俺って・・・・他に何かなかったんかい!こんな今の俺になる前は立派じゃないけど普通の名前があった


・・・・・・あれ?そう、名前があったはず

・・・・思い出せない

・・・俺は社会人でサラリ-マンだった、結婚はしていなくて独り者だった、社会の事、趣味の事、娯楽に自分の性癖までは思い出せるが


・・・・家族や自分の事(性癖以外)が思い出せない、何故だ?

俺はいったいどうしてしまったんだ?!

訳が分からず落ち込んでいると


「ゴゴゴ」と音がし、通路を塞いでいた石壁が開きだした。


そして開いた通路から、わらわらとプチ悪魔もどきが現れた。


それは身長1mほどの小型で姿はなんとなく俺達ガ-ゴイルに似ていた、そんなプチ悪魔もどきは死んでいる3人組みの装備を取り外すとズルズル引きずって広間から出ていった。

・・・パンツまで取られるとは非情だ(涙)


それと、アレがでかかった事にむかつく。


それ以外にも居たプチ悪魔もどき達は、壊れた(死んだ)ガ-ゴイルをかたずけ、床を掃除すると居なくなった。


い、いったいなんだったんだ?


プチ悪魔もどき達の手際は素晴らしく、俺はハウスキ-パ-の印象をもった、一家に1匹プチ悪魔もどき、これで奥さん貴方の負担が軽減します。

・・・でも顔が恐いから無理だな。


アホな事を考えていると

再びプチ悪魔もどき達が現れた、タンスを運ぶようにガ-ゴイルを担いで。


そしてプチ悪魔もどき達は広間にガ-ゴイルを置くとまた居なくなった。


広間の中ほどにはガ-ゴイルが2体・・・何がしたいんだ?


そう思っていると突然、ガ-ゴイルが動き出し壁際に行くと空いている窪みに座り動かなくなった。


も、もしかして壊れた(死んだ)ガ-ゴイルの補充か?


あぅ!(汗)俺達ガ-ゴイルは結構な消耗品なのか?ちょっと目の前が暗くなった。



る~る~るるる~るるる~現実逃避したくてしょうがない今日この頃。


だがそんな場合ではない、ガ-ゴイルだって生きて(?)いるんだ、何とか生き抜く方法を考えなければ、俺はそう心に決めた。


それから俺は努力した、頑張った、血尿が出る(出ません)位頑張った。


俺達ガ-ゴイルが生き抜く為には団結して敵と戦わなければならない、連携と協力が必要なのだ、それを教え続けた。


・・・・・結果



ダメでした(涙)

その後も侵入者が現れるたび、俺達は戦った、それぞれが勝手に。


だって!ガ-ゴイル達、話を聞いてさえくれないんだよ、もう理性の無い獣の如く、いやロボットのように。


そうしてようやく俺はガ-ゴイルと言うものを理解した、彼らはこのダンジョン(広間)防衛の駒でしかないのだ。


ならば俺はその駒を上手く使って生き残る事を考えよう、そしていつかはここ(広間)を出るのだ!





それからのレベルが上がった俺の望んだ強化は


遠距離攻撃!


ロケットパンチにしようか悩んだが、まずは指先のメスを射出出来るように望んだ。


その結果、原理は理解出来ないが爪発射が出来るようになった、問題は爪なので発射すれば当然無くなる、また生えてくるまで待たないといけない。


それ以外にも分かった事がある、軽症位だったら自動修復がきくのか傷が直った、流石に砕けた手足は元に戻らないが、切断面が綺麗だった場合はくっつけていれば繋がった。


俺は遠距離からチクチク攻撃していたので欠損はまだ無い、自分の身体は大事だ。


続いて望んだ強化はやはり防御力だ。


レベルアップ時に防御力を上げてくれと望んだが、これは微妙だった、確かに丈夫になったがしょせんは石製、調子にのって接近したら鉄製の盾に殴られ、顔が欠けた(涙)、直ったけど。


ならばと望んだのは鉄製の身体。


だが、その日から俺の戦闘後での活動が増えた。


それは・・鉄を食う事、正確には鉄を口に入れる事なのだが・・・またそこで問題が発生した、口以上の大きさの鉄は入らないと言う事だ。


そこで悩んだ、大きな口を望むか・・・・いや見栄えをこれ以上悪くするのは勘弁して貰いたい、よって望みは口以外から吸収したいと望んだ。


結果・・・・・胸に大きな口(?)が出来た、ご丁寧に牙が並んでいて実に恐ろしい。

ああ、また一歩人型から離れてしまった、普段は閉じているが気を抜くと開くので注意が必要だ。


現在の俺

【名前】 俺

【種族】 ガ-ゴイル(40%鉄製)

【LV】 10

【属性】 無し

【スキル】 爪発射

【特性】 無機物吸収・材質変化LV1


今日も俺は侵入者を殺し、鉄を喰う。

早く鉄製になりた~~ぃ!


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