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第11話 ガ-ゴイルと数の暴力

残酷な描写、不快な表現があるかもしれません。

人の死が多く書かれていますので、嫌だという方はお戻り下さい。


また、人物、職業等批判している訳でもありません。

あくまで見る方向が違うとお思い下さい。


それでもいいという方だけお読み下さい。



レベルアップの強化も終え、俺は実験と練習を行っていた、それは


ロケット・パ――ンチ!


俺の掛け声(グルルとしか出ないが)と同時に左手が肘から発射され壁に食い込んだ。

そして繋がっていた鎖が巻き取られると左手が元の形に戻った。


やった!やったよ!ついに俺はロケット・パンチを撃てるようになったよ、実際はロケットじゃなくマジック・パンチが正しいのだろうが、あえて言おう、ロケット・パンチであると。


発射した手を態々回収するのが嫌で、鎖で巻き取れるよう願ったのだが・・・


この鎖は何処に収納されているのだろうか?俺の体内だろうか?どう見ても体積以上の物が出ている、不思議だ。


まぁ、これまた魔法だからで済ましてしまおう、悩むだけ無駄な気がするし。


続いて、左手が俺の身体から離れる(鎖で繋がっています)とふよふよと横に浮かんだ。


追加で、浮かんでいる左手に指示を出すと指先から魔力レ-ザ-が5本発射された。


これも実験は成功だ、まだまま動きは遅いが、ついに俺はオ-ルレンジ攻撃を手にいれたのだ。


さて、今回の俺の願いは3つ(レベルアップも3つ)

①強力なロケット・パンチが撃ちたい。

②指の爪を出し入れ自由にしたい(今のままではグーが出来ない、ロケット・パンチはやはりグ-が基本だ)

③防御力UPにしようか悩んだが、索敵能力を望んだ(不意打ちは恐い)

以上だ。


現在の俺

【名前】 俺

【種族】 ブレンド・ガ-ゴイル(30%鉄製・55%鋼鉄製・10%ミスリル製・5%アダマンタイト製)

【LV】 20

【属性】 物理・魔法防御+

【スキル】 索敵LV1・爪発射・腕発射・遠隔操作LV2・魔力レ-ザ-(半誘導)LV3

【特性】 無機物吸収・材質変化LV2・形状変化LV3

【ストック】魔晶石(小)×4(空×2)


今回の実験で、スキルの爪発射と腕発射(本当はロケットパンチと表示して欲しい)にLVが無い事の理由が分かった、この威力は込める魔力量に比例するのだ、だが問題もあった、それは


強度が無いと自爆するのだ、ちなみに俺の右手はボロボロだ、威力に満足が出来ず、魔力を込め続けた結果・・暴発した。


腕がもげないで本当に良かった。


後、索敵なのだがLVが1の為、10m範囲位しか分からない、これもレ-ザ-の充填率と同じく眼球内表示がされる。



まだ、右手の損傷と腹の孔が塞がらないので、出来れば戦闘はしたくないが、どうしようか?


う~ん、そうだ!


まだダンジョンのジジイが寝ている隙に魔晶石を喰っておこう、あれには助けられたからな。


そうと決まれば、宝物庫かジジイの研究室へ行こう。


俺は中層防衛線を離れると下層へ向かって降りて行った。


以前、ダンジョンクリスタルで見たダンジョン内を思い返しながら、宝物庫の前にやって来たのだが

やはり鍵が掛かっていた。


壊して入ろうかと思ったが、やはり身体が動かなかった。

くそっ!これにも強制力が掛かっているようだ。


宝物庫は諦め、ジジイの研究室へ行くと

ジジイが元気に研究をしていた。

ちっ、まだ寝ていればいいものを


俺が入って来たのにジジイが気がつくと

「お前は何処に行ってたんじゃ!身辺警護をしろと言っておったはずじゃろが!まぁ、よい、もうすぐで解析魔法も完成だ、お前は騎士団が下層に来るまで見張っておれ」

そう言うと再び魔法研究に没頭し始めた。


このクソジジイめ、お前が侵入者を排除しろと命令したんだろうが。

そう思いながらも、仕方なく俺はダンジョンクリスタルの観察に戻るのであった。


現在のダンジョン内はあまり動きが無い、動いているとすれば工作室くらいだろう、せっせとドワ-フ達が働いている・・過労死しないのだろうか?


そう思っていたら、1人のドワ-フが倒れた・・ついに死んだのか?


見ていると、インプがやって来てドワ-フを引きずりながらベッドまで運ぶと寝かせていた。


か、過酷な仕事現場だ(汗)


ドワ-フとは丸々太っている印象があったが、ガリガリに痩せているのをみると涙を誘うものがある。


ゴブリン達が居なくなってしまい時間が分からないが、今は夜なのだろう

騎士団が侵入してきそうな様子もない・・実に暇である。


残った2人のゴブリンを探してみると、スケルトンやゴ-レムに囲まれた中で寄り添って寝ていた。


変な趣味に目覚めないといいが。


それにしても暇だ、ダンジョン内は動きが無いまま過ぎていった。



どの位時間がたったのだろう、いい加減飽き飽きしていると、入り口の方から動きがあった、再び騎士団の侵入である。


朝かどうか分からないが、ご苦労さんな事だ。


騎士達は上層で僅かに残っていたグレ-ウルフ(灰色狼)やゴブリン雌、子供ゴブリンを狩り尽くすと中層へ降り始めていた。


これではもうゴブリン達の再興は無理だな。

それにしても非戦闘員の雌ゴブリンや子供ゴブリンを皆殺しとは騎士とは罪な職業だ。



はて・・ここで、悩みが浮かんだ。


今は人間では無く、ガ-ゴイルをしているが俺はどちら側の存在なんだろうか?人間側か?モンスタ-側か?


人間の前に出れば問答無用で攻撃されるから、モンスタ-側だろうか?

それとも人間の心を持っているのだから、人間側だろうか?


身体は鉄で心は人間・・どっかの人造人間みたいだ、まぁ俺は俺で何とかなるだろう。

気楽に考える事を止めた。


そんな考えにふけっていて、見ていなかったら、いつの間にか中層広間で戦闘が行われていた。


そこでは盾を構えた騎士達とスケルトン&ゴーレム+オマケのゴブリン連合が剣を交えていた。


広間の隅や通路には弩弓が置かれ矢を騎士達に向け撃っているが、盾を構えた騎士達には余り有効では無いようだ、さらにスケルトン達も盾を使った打撃を受け体勢を崩したところで止めをさされていた。


スケルトンは骨しか無いから軽いんだよな、動きはそれなりに早いんだけど、隊列を組まれると付け入る隙が無い、あの騎士団長以外にやるではないか。


唯一、頑張っていたゴ-レム達であったが、周りを囲まれ攻撃をされ続けると崩されていった。


いかん!いかんよ、全然なってないよ、何でスケルトンとゴ-レムがバラバラで攻撃しているの?


ゴ-レムで敵隊列を崩して、その隙をスケルトンが突けばいい勝負になったと思うのだが。


しばらくすると戦闘は終わり、騎士達が凱歌をあげているのが分かった。

ああ、最後のゴブリンも死んでしまった(涙)


騎士達は少し休憩をすると中層の探索を始めた。


そして騎士達は、俺が元居た宝部屋にも侵入を始めたのだが・・・多勢に無勢、あっと言う間に宝部屋は制圧されてしまった。


最初、宝部屋に侵入した騎士は5人、部屋の真ん中でガ-ゴイル達に襲われた、この時点で5:8ガ-ゴイルが勝っているが、すぐに侵入して来た騎士が追加で5人、これにより10:8とガ-ゴイルが数で負けた、戦闘が始まると来るわ来るわぞくぞくと騎士が現れ25:8と言う、何これイジメ?と言われる状況になった。


あの数は卑怯だわ~。


騎士達は数にまかせ、中層階を制圧していった。


途中、下層からやって来た、2つ首の犬ヘルハウンドの群れに怪我人を多数出したが、それらも撃退されていった。


ここでも失敗をしている、何で戦力の分散投入をするのだろうか?

指揮官が居ない所為で、こうも戦闘が一方的になるとは思いもしなかった。


そして、遂に騎士達は下層へと侵入を始める。



騎士Side


「どうだ!私の采配通りにすれば、ダンジョンに居るモンスタ-など簡単に葬れるわ」

「まさにその通り、団長の全団員への盾装備指示、実に素晴らしい」

「そうだろう、そうだろう」

「団長が冒険者でしたら、すべてのダンジョンが攻略されておりましょう」

「何かね君は、私が冒険者のような薄汚い真似をするとでも言うのかね」

「いえいえ、団長の偉大さを称えているだけでございます」

「まぁ、よい今、私は気分がいいからな、大目にみよう」

「ははっ、ありがとうございます」

「すみません、グレック団長、負傷者が多数出た為、今日の攻略はここまでになりませんか?」

「何を言っとるか!今日中で攻略するのだ」

「そうだぞ君、団長の指示に従わないか」

「で、ですが」

「くどいぞ、団長の機嫌を損ねる気かね、すぐに下層に下りる準備をしないか!」

「・・・・・分かりました」



魔法兵Side


「どうじゃ、騎士団の様子は?」

「負傷者が多数出ておりますが、中層は全て制圧した模様です」

「そうか、で、あのガ-ゴイルはどうした?破壊出来たのか?」

「それが・・中層では出なかった様子で、下層に移動したものと思われます」

「まずいの、このままではまた死者が出るぞ」

「やはり、騎士団と合流した方がいいのでは?」

「そうもいくまい、今のあやつらじゃ話など聞きやせんわ」

「そうですか・・」

「上手くいく事を祈るしかないの」


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