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Return  作者: 清水 生命
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第1話 「日常」

 さて今日は、休み明けの月曜日だ。

 みんなも一緒だとは思うがだるい。

 休み明けが一番辛い。

 ピピピー、ピピピーという携帯のアラーム音で目を覚ました。

「ふわぁぁ、ねむ」

 といかにもだるいという声で言った。んーと関節を伸ばしながらシャーとカーテンを開ける。とともに、日差しが部屋中に差し込む。

「うん。今日も良い天気だ」

 制服に着替え、朝ごはん(食パン)を食べ、かばんを持ち、家を出た。

 携帯を触りながら、15分で着く駅へと向かう。家を出て5分ぐらいたって、歩いていると後ろから、

「た~く~ま~く~ん」

 と聞きなれた声がする。いつも会う。というか同じ高校だからしょうがないが、

「ようっ! お前もこの時間帯か?」

 と言ってくる。いつも会ってるんだからこの時間帯って聞かなくても分かるだろうに。

 いちいち話しかけてくるこいつは、田村雅斗たむらまさと。学校が小、中ともに同じの友達だ。まぁ一緒と言っても、腐れ縁だが。

 こいつとはいつもバカなことをしている。意外とイケメンで女の子には話しかけらてはいるが、性格でいつも彼女ができないらしい。まぁそれはうざいからだろう。何かと見当はつく。

 雅斗はすごくうざいからな。でも、実はこいつが居るから、俺は高校に辞めずに通えているのかもなとも考えたりもしている。

 こんな性格はしているが、実は、責任感が強く、誰よりも友達思いだ。これは誰にも曲げさせらしい。

「おい。この本見ろよ~。このエロ本どこにあったと思う?」

 とうざい声で質問してくる。どうでもいい。

「うん? お前の部屋か?」

 俺は素っ気ない返事をする。

「実はな…この本は、俺達の高校の図書室にあったんだ~」

 と自慢げに言ってくる。

 …大体、そんなものが高校にあっていいのか? 大丈夫か? 俺の高校。

 まぁ、それよりもそんなものを見つけてくる雅斗のほうが凄いと思う。

「よかったな」

 俺が興味が無さそうに言う。

「なんだ、お前~。こんなのに興味なしか~?」

 と聞いてくる。うざい。

「いや、全然興味はないとは言い切れないが」

 ふ~ん。と納得にいかないような顔をしたが、この話は終わった。

 

 こんなことを話している間に駅に着いた。そこから5分待ち、電車に乗った。

 さすがに朝だから人が多いな。いつもの事だからさすがに慣れていることだが。

 高校までは意外に近くて、三駅で着く。

 だから遠い高校の人よりは、10分、15分ぐらいは多く寝れる。そこがいいことだな。

「桜ヶ丘学園前~桜ヶ丘学園前~」

 というアナウンスが電車内に響き渡る。俺が降りる駅だ。人ごみをすいませんと言いながら降りる。

 ちなみに、俺の高校は、桜ヶ丘学園高等学校という。

 いかにも進学校っぽい。進学校っぽいよな? ……たぶん。でも、本当に進学校だからどうでもいいことだ。

「ふぅ~いつもより人、多くなかったか?」

 と雅斗。まぁそんな感じだったか?

「そうだな。いつもよりは多いかもな」

 と電車の中を思い出しながら言う。

「そうだよな~。なんでだろ?」

 俺は無視した。無視した理由は面倒くさいからだ。もう答えることも面倒くさい。俺は基本めんどくさいことはしない主義なんだ。

「おはよ~。学校面倒くさいな~」

 と雅斗とは違う声が後ろからする。

「おう。おはよ。健斗」

 と俺は返す。こいつの名前は南木健斗みなみぎけんと。俺の数少ない友達の一人だ。健斗は高校からの付き合いで、普通にいいやつだ。みんなからも人気があって、イケメンだ。俺なんかは全然敵わない。

 気も合って俺の中では、仲がいい友達だと思っている。

 その二人と話しながら、歩いているとあっという間に高校に着いた。

 ここでも、面倒くさいことが多いんだ。校門に立っている教師達。だらしない服装をしていないかだとか、化粧をしていないかだとかの検査をするために立っているんだと。

「こらっ! そこの二人! ちゃんとネクタイを締めろ!」

 案の定というか、いつもの事というか、止められた。ネクタイぐらいいいじゃねーか。

 俺達(俺と雅斗)を止めた先生は通称、ゴリラ先生と呼ばれている。見た目はゴリラ。中身はゴリラだ。野球部の顧問で、俺も去年までお世話になっていた。

「ごめん。先に行ってて」

 と俺は健斗に言う。

「分かった。んじゃ教室で待ってるね~」

 と言い、教室に向かって行った。俺らは面倒くさいことは避けたいため、そそくさとネクタイを締める。

「まったく、お前ら二人は」

 とゴリラ先生が。うるせぇと思いながら教室に向かうため、歩き出す。

 その途中雅斗が「うるさいな~」と俺に小さい声で言ってきた。俺は笑いながら「そうだな」と返した。

 2―Cの教室に入る。いつもとは違い、みんなが騒いでいる。「どうしたんだ?」と健斗に聞く。

「どうやら、この組に転校生が来るらしいよ」

 ふーん。転校生ね。この時期に珍しいな。みんなが騒いでいた理由が分かったところで俺は席に着いた。

 俺の席は一番後ろの窓側という、ベストポジション。いつでも寝れるからな。

「どうやら、女の転校生らしいぞ~。どんな子かな? 可愛いかな?」

 と雅斗。うん。まぁ不細工より可愛いほうがいいよな。

「そうだな。可愛いといいな」

 と俺。

「お、おはよ」

 と前から声がする。

「おう。おはよ」

 と俺。

「おうっ! おはよ~元気か?」

 と雅斗。

 この少し控えめのやつは、前田悠太まえだゆうた。こいつも俺の数少ない友達の一人だ。

 悠太も高校からの付き合いだ。いつもは控えめであまり喋らないのだが、怒ったらものすごく怖い。ヤバイよあれは、普段控えめなやつは誰もが怖いのだろうか?

「う、うん。元気だよ。」

 と悠太。すると、雅斗が「そうか、そうか」とうなずきながら悠太の肩を叩く。

 そんなやり取りをしているとキーンコーンカーンコーンというチャイムが鳴った。

「ほら~席つけHR始めるぞ~。」

 と担任が言う。みんな、どんな子が来るんだろ? とかコソコソ話している。

「さ~て、みんなも知っているとは思うが転校生がいる」

 やっほ~! という声が飛び交う。

「それじゃあ入れ」

 ガラガラとドアを開ける音が。


――俺はこのとき思ってもいなかった。この転校生が俺の人生を変えるとは…。




第1話です。

お手柔らかにどうぞ。

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