6.
国王に昨日の龍の谷が襲われた事件を報告した。
「はぁ、時代錯誤というか…。もう龍の鱗とか使わなくてもけっこういい武器とか作れるんだよね。あえて、龍の谷にチェレンジするとは…」
でも、この国はクーラスを囲ってたじゃん。と、俺は思うんだけどなぁ。
「ドラゴン自体をなんとか使役して、兵器にしようとしているとか?」
無理があるよなぁ。あいつら、誇り高くて、我が強いし。
「だと思うが、ドラゴンを使役するなど無理がある事だろう?」
「そうですね」
とだけ俺は答えた。
「今後クーラスはどのように扱いますか?また檻のようなもので囲ってしまうのでしょうか?」
俺は龍の谷で暮らすのがベストだと思う。
そんなわけで、俺だけこの国で拘束されたような生活を送りクーラスは龍の谷で暮らすことになった。それがいいと思う。
俺も拘束されるというか、他の国にさらわれないようにするというか保護かなぁ?拘束かな?軟禁?あ、でもたまに龍の谷に行ってます。ちび達の様子も気になるし。
馬車とかで行くのは無理だから、毎度クーラスが迎えに来ます。
その度に空に向かって拝む人とかいるし、俺としては何とも言えない気持ちになります。
この国での俺の仕事はたまに来るドラゴンの通訳。
あとは、純血の動物がいればその子の調教をしています。
このあいだはひどかったなぁ。純血のライオン…。
途中でクーラスが来てその子を威嚇してくれたからその後の調教が上手くいったけど、クーラスが来なかったら、正直俺はあのライオンの餌になっていたかもしれない。
最近はクーラスが他のドラゴンをこの国に連れてきたりしてるので、ウォーレスなどは「狭い」とか苦情言ってる。あと、トイレとか「ドラゴンでもレディなのよ!」って怒ってたなぁ。