5.
龍の谷が襲われた。俺が落とした居場所特定器により、王都から龍の谷までの最短距離(空から行くのだからそうなのだろう)などを考慮し、龍の谷の場所を突き止めた不届きものがいる。
クーラスもウォーレスもトルネも4匹のちび達も怒った。俺にじゃなくて、突き止めた奴・突き止めようとした奴。
俺も怒ってるんだけど、クーラス達の怒りが凄すぎて圧倒される。
「ここは俺達ドラゴンの安住の地なんだ。それをやすやすと…!」
「そうよねぇ、目的は討伐して私たちの体の一部を武器とか防具にするのかしら?」
なんだかエグイ。
「そこら辺の魚の鱗でも武器とかにしとけ!」
それはちょっと…弱そうだ。
「ねぇ?ここに来た人間は消していい?」
「我々に危害を加えようとする人間だ。リョウは全く危害を加えようとしていないだろう?その逆だ。攻撃してくるようなら反撃する。おそらく、人間サイドは我々を生け捕りにしたいはずだ。なんらかの毒なんかを使ってくるんじゃないか?食べ物を与えられても、絶対に食べるな。いいな」
ものものしいけど、事実だなぁ。ドラゴンを生け捕りかぁ。結構じゃなくて、かなり難易度高いと思うケド。眠らせるとか?
あの毒を吐く子には毒関係効かなそうだけどなぁ。と、クーラスに伝えた。
「そうだよな。毒を吐くのだから毒関係に耐性がありそうだな」
「おい、毒を吐くちびっ子はどこだ?」
「ココです」
「今回、敵は催眠ガスとか使ってくるかもしれない。が、お前は効かない可能性があるとリョウが言う。俺もそう思う。毒をブレスで吐くドラゴンだから、毒関係に耐性があってもおかしくないだろう?
だから、もし皆眠ってしまったらお前だけが頼りだ!全力で敵を潰せ!」
そこまで?俺も眠るだろうな。
「リョウに当たらないようにしろよ、ブレスを吐くにしても」
「わかりました。作戦が成功したアカツキには俺に名前をつけて下さい!」
クーラスは渋ってたけど、俺はいいんじゃないか?と無責任に思った。
「はははっまんまと龍の谷に着いた。ここでドラゴンを一網打尽にして一攫千金!ウハウハだな、こりゃ。笑いが止まらねー」
「おい相棒、仕事は終わってからが肝心だ。気を引き締めてかかろうぜ?」
「心配性だなぁ?俺らにはコレがあるから大丈夫だって!」
男が所有しているのは違法の睡眠薬。合法の睡眠薬の10倍以上の濃度の睡眠薬。それをボール状にしたものだ。
男たちの作戦はこう、ボール状の睡眠薬に火をつけてドラゴンの方へ投げ入れる。ドラゴンが寝付いたころに、動かないように魔術でしばって拘束。その後アジトに持ち帰る。異次元につながるような便利ななんでも収納できる袋に収納するため、重さも大きさも感じずに持って帰れる。
と、いうもの。
男たちは頃合いを見計らってボール状の睡眠薬を投げ入れた。
クーラスが瞬間的に凍らせた。
よって、睡眠薬の被害は全くなし。
「このボールを投げ入れた者は誰だ?」
クーラスが男たちに問う。
男たちは互いに罪を擦り付け合った。正直見ていて醜い。
「クーラス、二人の計画だよ」
と、俺が進言した。俺の護衛だった男もいるし。
「何でニンゲンがドラゴンと仲良く生活してるんだよ?」
何でと言われても…。
「逆に何でドラゴンを襲うんだ?意味がないだろう?」
「金だよ、金。ドラゴンは金になるんだよ」
へぇ、俺はそんなこと考えないからなぁ。
「堅実なのが一番儲かるんだけど?知ってた?」
実際そうなんだよなぁ。
「命あっての物種とかいうし。君達この後どうなるかわかる?龍の谷の場所知っちゃったんだもん。仕方ないよねぇ。世界各国で不可侵て決めてるのにさぁ」
「絶対にしゃべらない!!俺は死にたくねーよ!」
「嘘だね。金を積まれたら話すだろうね」
俺も怒ってるし、クーラス達怖かったんだもん。
「さぁ、ちび達練習の成果を見せてみてよ。2人もいるから、多少の事は大丈夫だよ♪」
俺はその事に彼らを利用することに決めた。
失禁して、失神した。どっちかにすればいいのに…。
あーあ、神聖な土地での失態だねぇ。俺はリバースしたけど、てへっ。
炎のブレスで大火傷と思ったら、急速冷凍。さらに竜巻で吹き飛ばされ、毒で皮膚を焼かれた。
「あーあ。一攫千金ってうまく行かないよね。どうする?このまま帰る?ここで死ぬ?」
聖域みたいなところで死んでほしくないんだよなぁ。魚は死んだからOKかな?
「もう、俺達を殺してくれ……」
息も絶え絶え懇願される。
「クーラスどうする?」
「このままにするのも、こいつらの罰になるな」
笑みを湛えて言う。笑えない。皮膚ないから筋肉丸見えでグロい!
「ちび達見てなさい!」
ウォーレスはそう言うと、炎のブレスで男たちの痕跡を消し去った。
「レディにいつまでもあんなグロい男たちを見せないでよ!」
あぁ、そういえば裸だったか。股間(皮膚はない)丸見えの男たちは嫌だったようだ。