玄関にて事後処理
拳士に関係がバレたの?
誠也と春香の2人による会話メインで、少しずつ春香の性格が明るみに!
誠也が扉を急いで閉めると異変に気が付いたのか、春香はゴミ袋の山があって、
とおりにくい廊下を慣れたように通り、すぐに俺のいる玄関にかけつけた。
この時、誠也はこのゴミの山も片付けないといけないという思いでため息が出た。
「どうしたの?」
春香の短い問いに俺は焦りに近い表情を見せながらもその問いに答える。
「さっき、ここの目の前で拳士に会ってしまってさぁ、 マジでびっくりしたよ、
それで俺はランニングだとか憂さ晴らしだとか言って、
角まで逃げて拳士が家に入るまで確認して...」
ジェスチャーも交えて俺は一生懸命春香に説明した。
「誠也が ここにいること がバレたの?」
春香は付き合うときにも言ったが、他人にこの関係がバレることを嫌っている。
「いいや、バレてないと思うよ。少し強引だったけど
それなりの言い訳はしたし、あいつは物事を
詮索するようなやつじゃないしな」
「それに馬鹿だし、この前の試合でもフィルダースチョイス(Fc)したし」
そういえば今、誠也って言ってくれた? 初めてそう呼んでくれた?
「そっか、じゃあ桐谷君の苦しまぎれに言った言い訳を信じるよ!」
「絶対に信じてないじゃん」
「信じてるよ~」
いつもとは違う笑顔で春香はそう言う
「はい、これ」
そう言って春香は俺にタオルをそっと投げる。
「髪短い人が汗かいてるのってかっこいいよね」
この時、慌てて玄関に入ったので、汗をかいてることに気が付かなかった。
この汗が冷や汗なのかどうかは言うまでもない。
春香からの意外な一言に日で焼けた顔が少し赤くなった。
「ありがとう」
俺は形だけのお礼を言った。
なぜかというと疑問を持ったからである。
「ところでこれどこにあったタオルだ?」
「どこって、どうしてそんなこと聞くの?」
「だって、春香がこっち来た時、なんにも持ってなかったじゃん」
確かに、春香は慌てて玄関に来た、その時は何も持っていなかったし、
スカートのポケットから取り出した感じでもなさそうだった。
「あれ~そうだったかな」
少し顔を傾けて笑顔で如何にもなかたちの顔を作る
「どこから取ったタオルだ? まさか、そのゴミの山の中から?」
「そんなわけないじゃん、私はそんなことしないよ~!」
「玄関にいつもタオルは置いてあるんだよ! 私が靴脱いで足を拭く用に!
大丈夫だよ、それ昨日出した新しいやつだし」
「だいじょうぶじゃねぇよ!! 後で洗面所借りるからな!」
春香の足拭き用タオルということを知り、異様な感覚を覚えてしまった。
「え~大丈夫だってば!
だって、さっき、私と一緒に玄関に入ってきた時に使ってなかったでしょ?」
笑顔で大丈夫を念押しする春香だった。
「そういうことね、けどなんか匂いがあるような気が?」
「柔軟剤の匂いだよ!!」
「そっか、疑ったりしてごめんな」
しかし、実際は春香はタオルを使っていた。
春香は誠也とともに玄関に入って廊下を通り、ゴミの有様を見せた後、
誠也が片付けをしている最中いつものルーティーンを忘れていたことに気が付き、
足を拭くために使用したため、使用済みだったのである。
春香は嘘をつき、誠也は見抜けなかった。、
「いいよ、大丈夫!」
春香は安堵の笑顔を見せた。
そのとき、拳士は??
続く...
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