彼女の家はゴミ屋敷???
やっとここまで来ました
前置きが長かったようにも感じます
俺は今日、早くも彼女である春香の家にお邪魔する。 だが、決して、誰も予想していなかったであろう光景が広がる。目の前に広がる。
「桐谷君、入って!」
「お邪魔します」
「んっ! これは、どうなってんすか!?」
俺は春香に言われるまま玄関に入ろうとしたところ、玄関の先の廊下にはゴミ袋とそれからはみ出るようにして出たゴミなどでなんとか歩けるスペースを残して散らかっていた。視線を下に落とすと観葉植物などが一切ないのだが、落ち葉は普通じゃないほどに落ちている。今まで見ていた春香からは全く想像ができないこの光景を見てしまう。
「お邪魔しました! また、明日!」
「待って!」
俺は想像とのギャップに耐え切れず外に出ようとするが、春香が俺の腕を掴んで離さなかった。春香は俺の力で倒れ、床に膝をつく、俺は逃げきれないと諦め、外に出ようとして、掴んだ玄関のノブから手を放す。
「なんで、なんで外に行っちゃうの?」
「なんでって、そのー」
俺はつい言葉に詰まってしまう。春香に俺がいま、ここで感じた事をそのまま言うと春香が別れると言いそうで、口が裂けてもそんなことは言えないと感じた。しかし、この間、春香はずっと俺の顔を見上げていて、目が潤んでいるのがわかった。俺は女子を泣かせるのかという余計な思いまでこみ上げてくる。俺はどうすればいいのかと自問自答した末、本心を言うことにした。考えるまでに10秒ほどを要したが、1時間のように感じた。
「ちょっと、汚いからかな」
俺は少しずつ小さい声になりながらも春香に本心を伝えた。すると目の前の春香の目から瞬きするたびに涙が流れている。それを見た俺は女子、しかも彼女を泣かせてしまったという言いようもない思いでいっぱいであった。心が締め付けられ、岩のように重い物を持っている感覚になる。
「こんな 私 ダメなのかな?」
春香は涙声ながらに俺にそう問いかけてくる。春香のこの顔は今まで一回も見た事のないえも言われぬ顔だった。学校では決して見たことがない表では出さない顔だろう。そんな春香のことを考えると俺はふと言ってしまう。
「ダメじゃないよ 訳があるんだろ?」
春香は深く頷き俺に意思を伝える。俺はその意思をくみ取り、今度はこちらの意思を伝える。
「わかったよ、とにかく帰らないからさ」
「ホント?」
「うん、帰らない!」
「やったぁー」
春香は無邪気なように振舞いながら涙を左手で拭い、声もいつものトーンに戻る。
「いい加減、その掴んでる手を放してくれるか? 靴が脱げない」
「あっごめんね」
そう言って、掴んでいた右手を放し、春香は立ちあがる。俺は腰かけて靴を脱ぎ踏み場の狭い廊下を見る。
「お邪魔します」
「どうぞ」
春香はさっきまで泣いていたとは思えないような笑顔で俺を迎える。それを見て俺は少し安堵し、春香の後に続いてゴミで狭くなっている廊下を進む。
「ここがリビングでーす!」
「ここがリビングか?」
案の定ゴミで溢れていた。玄関で見た光景が焼き付いているため、今更になってこの光景を見て驚くなんてことはなかった。しかし、テーブルの周りだけは他と比べてきれいになっていて、ちょうど2人が座れるようにはなっていたので、春香はそこに座り、俺には残りのスペースに座るように促したため、俺はバッグを横に置き座る。
「私ね 昨日、片づけたんだよ えらいでしょ」
「えらい えらい」
ちょっとテキトウな返しになったが、一応の返しはした。俺としてはもっとできただろうと心の中で思うところもあったからだ。
「けど、どうしてこんなことになってんの? 汚部屋を通り越してまるでゴミ屋敷やん?」
俺はついつい本心を春香の前で言ってしまった。俺はまた春香が泣き出すと悟り、春香の顔を見る。すると春香は語る。
「実はね 」
次の次話投稿は間が開きそうですが、面白いと思っていただけたのなら次話以降も是非ともよろしくお願いいたします
HAVE A GOOD DAY!!