実は春香さんは…
はじめての投稿です。"小説家になろう"についてもまだわからないことも少々ありながら投稿したものなのでよろしくお願いします。
金岩高校2年の桐谷誠也
喉を潤したくて自販機でジュースを買ったその時、俺の目の前に今、学校一の美少女と言われている春香さんがいる。鼻孔をくすぐるようなにおいがマスク越しでもわかる。
なぜ、春香さんが目の前に、なぜ、2人きりの展開になったのか、いつもは大勢でいるはずの春香さんが、1人でいる、思考を巡らそうとしたその時、
「桐谷君、私と付き合って」
なぜだ、なぜなんだ、なんでこの展開、ドッキリなのか、カメラでもあるのかと周囲を見渡すが、いつもと変わらない雰囲気の10分休憩であった。毅然とふるまいたいが、俺の心拍数が邪魔をしてそうさせてはくれない。俺はただ、空白のこのまるで何もないような時間をどうにかしようと口を動かす。
「はい、俺でよければいいですよ」
言ってしまったと内心思ってしまったが、春香さんの顔を見ると少し赤くなってはいるが、微笑んでくれている。
「じゃあ、桐谷君、私のことを春香って呼んでね。明日もまた、ここにきてね」
そう言って春香さんは教室棟の方に帰って行った。これが俺が初めて経験する恋である。今までも告白をしたことは何回かあったのだが、全て実ったことはなかっただけに、今は嬉しくてたまらない。あの微笑みが強く心に残るこの感覚にずっと酔いしれていたいが、時間がそうさせてはくれなかった。チャイムがなり俺も慌てて、自分のクラスに戻る。