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第15話「ティエラ」

 ────…………そして、気付いたときには、





「ブハッ! ぶはぁっぁああ!」


 げほ、ごほ!!


 ガツンと殴られたような衝撃とともに、クラウスはガクンと膝をつく。

 そして、目の前には────……。



「うそ……だろ?」



 ガラガラと音を立てて崩れ落ちていくスケルトンジェネラルの姿があった。

 その眼窩が、もはや敵意すら灯さず本物の骨に成り下がり、足元に散らばる白骨の一つに交じってしまった。


 ※ ※ ※

 

 クラウス・ノルドールのレベルが上昇しました(レベルアップ)

  クラウス・ノルドールのレベルが上昇しました(レベルアップ)

   クラウス・ノルドールのレベルが上昇しました(レベルアップ)

    クラウス・ノルドールのレベルが上昇しました(レベルアップ)

     クラウス・ノルドールのレベルが上昇しました(レベルアップ)


 ※ ※ ※

「た、倒し……た?」


 ビキッ……。


「グッ……」


 猛烈に胸が痛み、口からは血の筋が垂れる。

 どうやら倒したようだが、先の戦闘で負った傷はそのままのようだ。


 しかも、無意識下に相当無茶な機動をしたのか、全身の筋肉が悲鳴を上げている。


「い、いてぇ……」


 ヨロヨロと、腰のポーション入れから回復薬を取り出すと、音を立てて飲み干すも、気休めもいいとこだ。

 いつも持ち歩いているのはちょっとした怪我を治す程度の下級ポーションなので、疲労回復効果も内蔵損傷にも効果は薄い。


「あ、そうだ……ティエラ!」


 自分のことばかりで、あのダークエルフの少女のことをすっかり忘れていた。

 ふと彼女が戦っていた場所を見れば。ぐったりとした少女の身体がある。


 それはピクリとも動かず……。


「嘘だろ?! おい。おい!! ティエラ!!」

「うるっさいわねー……。生きてるわよ」


 ゲホゲホと、彼女も血を吐きつつ、気丈にも立ち上がると、「ぺっ」と反吐を床に落とす。


「……そんなんじゃなくて、これ。飲みなさいよ」

 そうして、自分と──クラウスにも綺麗なラベルの貼られた薬瓶を渡してくれた。


「アンタ、そんな安物じゃ、帰るまでに死ぬわよ?」

「お、おう」


 …………なんで、上から目線なのよ?


 そう思いつつも、貰ったポーションを飲み干せば、立ちどころに痛みが引いていく。

 つまり、そうとうにお高いもの────……。


 こ、これ!?


高級(ハイ)ポーション?!」

「当たり前でしょ? これくらい、冒険者なら持ち歩きなさいよ」


 無茶言うなよ……。


 一本あたり金貨1枚だぞ?!


「……下級冒険者に出せる金額だと思うのか?」

「アンタのどこが下級よ? よくもまぁ、スケルトンナイトを倒せたものね──アタシでも苦戦したのに」


 スケルトンナイトだって?


「……ちげぇよ、こいつはスケルトンジェネラルだっつの」

「は? そんなわけないでしょ────いくらなんでも、上級冒険者でも苦戦するジェネラルクラスをアンタごときが倒せるわけないじゃん」


 アンタとか、ごときとか……!


「倒しましたー。討伐証明ありますぅー」

「あーはいはい。言ってなさい」


 ふん。

 生意気な女だなー。


「…………っていうか、ティエラ、あんた中級冒険者だよな?」

「そーよ。結構なベテランなんだから」


 あっそ。


「そのベテランの中級がここで何やってるの? ここ夕闇鉱山だよ? 下級も下級……ド新人が来るとこなんだけど?」


 ギク。


「何だ、今の音」……ギク??


「お、おおおおおお、音?」

「いや、ほら、ギクって音しなかった?」


「してないしてないしてないよー!! ギクってオトナンカシテナイヨー」


 ブンブンブンと高速で首を振るティエラ。


「あ! アタシそろそろ、人を待たせてるので──」

「は? 夕闇鉱山で人? 待ち合わせ……?」


 あからさまに挙動不審になり始めたティエラ。

 目がキョロキョロと泳ぐ。


「あ、いや、ほら……! あ!! あ、あれなーんだ!!」

「へ? ん?」


 ティエラがクラウスの背後を指さしたので思わず振り返ると、


「さいなら──!」

「あ。ちょ!!」


 シャッ!! と目にもとまらぬ速さで駆け抜けていく少女の影!


 登場した時とは打って変わって物音すら立てずに、骨の道を走り抜けていった。


「待てよ──────……って、もういねぇし」


 なんだったんだアイツ。





「…………帰ろ」

 




 よくわからないが、ひどく疲れたクラウスはガックリと肩を落とし、ドロップ品を搔き集めて墓所を這い出た。


 出てきた先は、分厚い岩盤に覆われた発掘坑であり、どうやら、自動資源採取中のクラウスが自分で掘り抜いたらしいが……。


「『自動資源採取』──危険すぎるわ」


 便利で効率的なスキルだが、本当に命を落としかねない。

 使い方をもっと研究しないと、次こそ死んでしまう。


「はぁ、まぁ……収穫があったので良しとするか」


 キラリと輝く、超大粒の霊光石を夕闇鉱山の魔光石の明かりにかざす──。


 夕闇鉱山の入り口まで戻ったクラウスは正真正銘の安全地帯でドロップ品を眺めつつ、乗合馬車の到着を持つのだった。




※ 本日の成果。 ※



 ~ドロップ品(討伐証明)~


 ケイブスパイダー触腕×15

 スケルトンジェネラルの下顎×1



 ~ドロップ品(素材)~ 


 ケイブスパイダーの糸袋×15

 ケイブスパイダーの毒腺×15

 スケルトンジェネラルの頭蓋骨×1

 スケルトンジェネラルの大腿骨×2


 ~ドロップ品(武器)~


 スケルトンジェネラルの大剣×1

 スケルトンジェネラルの大盾×1

 スケルトンジェネラルの兜(破損)×1

 スケルトンジェネラルの鎧(破損)×1


 

 ~ドロップ品(魔石)~


 魔石(極小)×2

 魔石(特大)×1

 青の魔石(中)×1



 ~採取品(鉱石類)~


 魔光石(極大)×1

 魔光石(特大)×3

 魔光石(大)×200(自動採取)

 霊光石×1



 ※ ※ ※

レベル:32

名 前:クラウス・ノルドール


スキル:【自動機能(オートモード)】Lv4

Lv1⇒自動帰還

Lv2⇒自動移動

Lv3⇒自動資源採取

Lv4⇒自動戦闘

Lv5⇒????


● クラウスの能力値


体 力: 255(UP!)

筋 力: 156(UP!)

防御力: 138(UP!)

魔 力:  79(UP!)

敏 捷: 166(UP!)

抵抗力:  54(UP!)


残ステータスポイント「+22」(UP!)


スロット1:剣技Lv4(UP!)

スロット2:気配探知Lv3

スロット3:下級魔法Lv1

スロット4:自動帰還

スロット5:自動移動

スロット6:自動資源採取

スロット7:自動戦闘


● 称号「なし」


 ※ ※ ※

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