貴方に伝えたい
春休みが終わり新学期が始まる。
大勢の学生が行き交う学校前の桜道。
「おはよう」
後ろを振り返ると彼がいた。
私は久しぶりに見た彼の姿に私の胸の鼓動は激しくなったのを感じた。
私は気恥ずかしくてカバンで顔を隠した。
昔から知っているけれど、またいつかこうなると思っていた。
あの頃伝えられなかったこの思い。
きっと伝えるチャンスは今しかない、だけどプライドの高い彼だから伝えたらきっと嫌われてしまう。
高鳴る思いを押さえながら私は彼の耳元で囁いた。
「チャック閉めてください」