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5、家族になりました


 両親の死から3年、私は四歳になった。中身は二十歳超えちゃったぜ。酒は飲めないがな!もしこの体で酒を飲もうとしたら全力で止められるうえ私が酒に興味を持たないように世界各種の色んなジュースが用意されそう。


 あの事故のあと私は[悠介さん]改め[お父さん]に引き取られた。若すぎるとか何か色々言われていたようだが何だかんだあって私の親権を無事にゲットしたようだ。


 まだお父さんは若い。それなのに、

「何が何でも陽菜を育ててやる!誰かに渡してたまるもんか!!」


 と言ってくれたお父さんには本当に泣きそうになった。


 この三年でお父さんは物凄い親バカになった。本当に物凄い親バカだよこの人は。


 すぐ風邪をひく私のために自然豊かな田舎に一軒家を買い、仕事はほとんど在宅ワークで済ませ、手料理や家事の一通りを習得し、私を怖がらせないように仕事の関係の用事の人でも厳つい顔の人は家に立ち入り禁止。私の教育上悪いからお父さんに色目を使った人は即退場。


 やりすぎだろ。特に色目の件。お父さん一生結婚できないよ。


 どんだけ私を溺愛してんだよ。滅多なことでは家の敷地内から出してもらえないおかげで私は今世でも友達0人だよ。ママ友サークルとか参加しようぜ。絶対お父さんモテモテだわ。


 この世界では超能力の使える科学者や医者などの知識人がかなり重宝されているらしく国内だけではなく外国からもお父さんに仕事は舞い込んでくる。


 しかし、お父さんは私にべったりなため絶対外国に行かない。私は余程のことがない限りこの田舎から出しては貰えない。田舎には同年代の子がほとんどいない。はいオワター。私に友達作らす気ないですよね。


 開き直った私はまだよちよち歩きの頃から取り憑かれたように本を読み漁った。お父さんは一応知識人なだけあって家の書庫には物凄い数プラス私のために買ったあった絵本がある。私は絵本から論文までとにかく読んで読んで読みまくった。流石に超能力の本はほとんどわからなかったが何回も読んでいるうちにこの幼女の柔らかい頭脳が段々と理解していった。

 幼い時の記憶力に学生の集中力。これ最強じゃね。

 そしたら今度は週に二回来るハウスクリーニングの方にゴチャゴチャ陰口を言われるようになった。最初はそれなりにムカついたがある日ふと気づいた。


 あれ?普通の幼女はこんな分厚い本読まないよな?あっ、これ私が悪いやつだわ。確かに幼女が分厚い本読みながら時折ノートとかにメモ書きしてたらかなり不気味だわ。納得したら別に陰口が気にならなくなっていた。


 前世で1人も友達がいなかった私の心の強さをなめるんじゃねぇやい!


 なんて思っていたらお父さんに陰口を言われていることがばれた。それからうちには例のハウスクリーニングさんは来なくなった。お父さんただ苦情入れただけですめばいいなぁ。


 忘れもしない私がお昼寝から目覚めお父さんの仕事部屋に向かっているとわずかに開いた仕事部屋から話し声が聞こえてきた。


「大武さん!あの子供がいる限り大武さんの未来はせばまります!!別の人に渡すか施設に預けるべきです!!」


 まあ、ごっもともな意見だなと思っていたら。お父さんは当たり前のことをいうかなのように、


「お前もう家来んな」


 といった。


「ですが!「俺さ陽菜がいないとダメなんだよ。陽菜が最高に可愛くてさ。あいつのお父さんやらせてもらってんの感謝してるくらいなんだわ」


 本当に愛しそうな声だった。


「なのに陽菜を捨てろだと」


 私が言われてるわけでもないのにゾッとした。声こわ!!


「今すぐ出てけば聞かなかったことにしてやる」


「っつ!」


 ダッシュで部屋を出て走り去る女性の背中を見ていると後ろから突然抱き上げられた。


「ひ~~な~~大好きだからな・・・・・・




お前は俺より先にいくなよ」


 というエピソードがある。


 さてあのハウスクリーニングのおばちゃんは社会的制裁をくらえられていないだろうか。そんなこんなで私とお父さんは家族になった。



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