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1、死んで生まれて

お久しぶりな方もそうで無い方も、読んでくださりありがとうございます。

所々直しや変更したところがあるので楽しんでください。


 私は生まれつき体が驚くほど弱かった。


 季節の変わり目には風邪をひき、しかも悪化して肺炎をおこす。入院生活上級者である私は滅多に学校には行かなかったから、たまに行くとソロプレイヤー。華の女子高生?青春?ナニそれおいしの??をリアルで体験してきた。


 だけど私の人生はそれなりに充実している。まだピチピチの十七歳だけど胸を張って断言できる。



 ピッ、ピッ、ピッ、



 ママは手先が不器用で料理が少し?かなり?独特のハーモニーを生み出すけど、私のためにレシピをみながら作ってくれるタマゴ粥は異様に美味しい。



 ピッ、ピッ、ピッ、



 パパは凄く厳しい性格だけどね、とっても優しいんだ。私が四歳くらいのときにあげた似顔絵がパパの部屋から発見された驚きは凄かったよ。



 ピッ、ピッ、ピッ、



 最後にお兄ちゃんは見た目チャラ男なのに基本良い奴だ。意外なことに見た目に反して頭が良いので勉強を教えてもらったりした。


そしてついでにネットで発見した乙女ゲームの初回限定版や同人誌を買ってきてもらったりしている。でもさすがにヤンデレ乙女ゲームを買って来てもらうのは心が痛んだよ(笑)

 すまんお兄ちゃん!



 ピッ、ピッ、ピッ、



 まぁこんな感じの優しい家族の元に生まれ育ち私は《ここまで》大きくなれた。


 だからさ・・・・・・



「お願い目を開けて!!」


「頼む!!起きてくれ!!!!」


「おい!おれが滅茶苦茶恥ずかしい思いして買ったゲームまだ全クリしてねーんだろ!?起きて早く続きやれよ!店員の目が物凄く痛かったんだからな!!」


 もう充分だよ。


 私の横でみんなが懸命に話しかけてくるのが聞こえる。


目を開ける力すらもうないけど聴覚はまだちゃんと生きているようだ。


 ガチャガチャと沢山の機材や人が動き回る音がする。その中には私が小さな頃からお世話になっていたおじいちゃん先生や最近入ってきて友達みたいにお喋りした若い看護師さんもいるんだろうな。


 私ね知ってたんだよ。私が生まれたときから二十歳まで生きられないって言われてたの。だけどさ、私を諦めないでくれてありがとうね。



 ピッ・・・、ピッ・・・、ピッ・・・、



 段々と私の命の音が小さくなっていく。


「先生!」

「頑張れ!君はまだ死ぬには早すぎる!!」

 次生まれるときはせめて二十歳まで生きたいな~。


 それじゃあ皆さんおやすみなさい。




 ピッ・・・、ピッ・・・、ピーーーーーーーーーーーーーー。


 ―――――――・・・

 ――――――――――・・・・・・

 ―――――――――――――・・・・・・・・・


 とまあ、こんな感じで私は死にました。はい。


「あぶぶ~」


 ベビーベッドの上で柔らかな布団にくるまれ目をパチクリとさせる生後半年くらいの赤子がいます。それが今の私です。


「あら陽菜ちゃんご機嫌ね」


 陽菜と呼び私の顔をお美しい女性が覗き込むように笑顔で見てくる。これが今の母です。


「陽菜ちゃ~ん!今日も美人さんですね~!流石ママとパパの子でしゅね~」


 だらしないくらい顔を緩ませて更に私を覗き込んできたのは茶髪のこれまたお美しい男性。これが今の父です。


「・・・だぅ」


 この体になってから何度目になるか分からない思考が頭をよぎる。



 何でこうなった。







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