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清廉勇者と外道ダンマスの物語  作者: ハル
第1章 二人の生き方
3/16

魔人の章 一部 生まれたダンジョンマスター

話を結合して修正、後半に加筆しました。

もっと計画的にやりたいものですね。反省…

「うっ……んん?んあ⁉︎なんだ!ここは。」


周りは岩の壁に囲まれてる。光が差し込む隙間なんか無い筈なのにはっきりと見渡せる。

壁が光ってやがるのか?


そこへ

「やぁ!やっとお目覚めかい?それにしても豪快なイビキだったね。蓄膿症なんじゃないかい?治療をオススメするよ。」


「うおぉぉぉっ⁉︎なんだお前⁈化け物か!」


そこに緑の毛玉みたいな生き物が浮いていた。

大きさは手の平サイズ。だいたい15センチぐらいか?大きな丸い目が二つ、あとは落書きみたいな棒状の手が二本、横にくっ付いていた。


「こんな愛くるしい姿をした僕に向かって化け物だなんて失礼にも程があるんじゃないかい?別に取って食いやしないよ。ましてや君なんて……僕のお腹が壊れたら責任を取ってくれるのかい?」


「お前の腹なんてどこにあるんだ?それよりお前はなんなんだ⁈」


正体はわからんがどうやら知性はあるみたいだな。

話も通じるようだし引き延ばして隙を見てなんとか逃げ出すか……


「君が円滑な迷宮ダンジョン運営をできるようサポートするダンジョンシステムナビゲータ。それが僕さ!」


迷宮ダンジョン?……ってあれか!魔物や罠が満載で奥に眠るお宝を強力な番人が守ってるって………その迷宮ダンジョンか?」


「あぁ!概ねその考えで間違いないよ。」


マジか⁉︎ってことはここは迷宮ダンジョン内か?ならこいつは………


「やっぱ手前ぇは化け物じゃねぇか!おれをどうするつもりだ⁉︎」


「君の頭には脳の代わりにスライムでも詰まってるのかい?それともその歳でアルツハイマーか狂牛病にでもかかってるのかな?」


えっアルツ……何?狂牛?………牛が何?

もしかしてバカにされてる?


「数秒前の会話も頭に残ってないなんて……これは先が思いやられるねぇ………。

君だよ。君がこの迷宮ダンジョンのマスターだ。魔物を揃え、罠を配置して人間を宝でおびき出し滅ぼす。そして迷宮ダンジョンを大きく成長させていく。それは君の役割だ!僕はそのナビゲータだよ。」


「なんだよそれ………俺に人類の敵になれってことか⁉︎」


そんなこと無理に決まってる!そんなことをすれば剣でグサッとやられてそれで終いだ!自分の弱さはイヤッてほど自分でわかってる!やってられるか!


そこに毛玉は衝撃の一言を俺に放つ


「間違いを一つ正そう………君は既に……………人類の敵だ!」


俺は吠えた!顔を真っ赤にしながらあらん限りの金切声をあげて吠えた!


「何言ってやがんだ‼︎ざっけんな手前ぇ‼︎勝手に拉致っといて人類を滅ぼせ⁈人類の敵だ⁈寝言は寝てから言いやがれ‼︎俺は手前ぇの為にそんなことしてやる義務はねぇ!俺には夢があるんだ!自由に生きる権利があるんだ‼︎ぶっ殺すぞ‼︎さっさと俺をここから解放しろ‼︎」


毛玉はこれでもかというぐらいでかい溜息を吐いて語り出した。

「っはぁぁぁ〜……………全く……このキノコ野郎ときたら………権利?義務?夢?君は僕を笑わせたいのかな?お笑い芸人を目指したいなら『諦めろ』と言わせてもらうよ。なら言わせて貰おう。君はその権利を他者に認めて貰う為にどんな義務を負ったんだい?褒められたい。敬われたい。憧がられたい為にどんな利益を与えてきた?

何もしていないだろう?それは只の願望だよ。自分はなにもせずに欲しがるばかり。なのにそれが叶わないと不平不満を垂れ流す。自分は間違ってない。相手が自分の価値に気付いてないだけ。

アホなのかな?そんな奴に価値がある訳ないだろう?」


なにも言えなかった………毛玉の言う通り俺は辛いこと全てに逃げてきたからだ。そして堕ちに堕ちて辿り着いたのがあの森なのだから………


「夢がある?なら君はその夢を叶える為にどんな努力をした?どんな計画でどんな準備をしてきたんだい?自分には運がないだけ。運が向けばきっと成り上がれる。言い訳を探しては現実逃避を繰り返してきたんだろう?人はそれを『妄想』と呼ぶんだろう?」


「ぐっ………⁉︎手前ぇに俺の何が「わかるに決まってるだろう!」


絶句………。なんだこの毛玉は……すげぇプレッシャーだ。顔面に上がった血が急激に下がっていき青を通り越して白くなっていくのがわかる。


「はぁ……まぁいい…確かに君にも権利はある。あそこに宝玉があるのが見えるだろう?」


毛玉が指差した方向に黒い球が浮いていた。

なんだあれは……尋常じゃない黒さだ……光を全く反射していない。見ようによっては空中に穴が開いてる様にもみえる。

なんかクラクラする。あの球を見てると吸い込まれそうだ…


「あれが迷宮核ダンジョンコアだ。あれを叩き割るといい。そうすれば君の言う権利が行使されるよ。」


「ん?権利?叩き割るとどうなるんだ?」

「君は死んでここから解放される。」

「はぁ?なんでそうなる?大体死んだら意味ねぇじゃねぇか!」

「別にいいだろう?ダンジョンマスターにならなければどうせあの森で死んでいたんだから。君の命だ。それを断つ権利は勿論君にはある。」


ぐっ……⁈なんだそれ?どうすりゃいいんだ。


「なんか………他に方法はねぇのか?」

「ないことはないが今の現状ではかなり厳しいね。」

「やるしかねぇのか?」

「君の自由だ。」

「ダンジョンマスターって何ができるんだ?」

「やり様によっては不可能は無い。それには力が必要だ。」

「不可能は無い?じゃあ俺をバカにしてきた奴らを見返すことは?」

「可能だ。」

「俺に唾を吐き掛けたあの野郎をぶっ飛ばすことは?」

「可能だ。」

「俺を騙したあの依頼主。あいつを首輪に繋いで引き摺り回すことは⁈」

「可能だ。」

「じゃああの高慢な冒険者組合ギルドの受付嬢!あいつをひん剥いてグチャグチャのドロ「君次第で全て可能だ。」


ぐうの音も出ないほどの解答。本当か?また俺は騙されてるんじゃ無いか?迷宮核ダンジョンコアを割ると死ぬってマジなのか?でも出口は何処にも無い。八方ふさがりだ…………こうなったら仕方がねぇ!覚悟を決めてやる⁉︎


「あぁ………いいだろう。やるならとことんやってやるよ⁉︎後で吠え面かくなよ⁈」


毛玉の目が怪しく歪んだ。笑っているのか?俺はその眼差しに背筋が凍りつく思いだった。



「んで?迷宮ダンジョンの運営なんてどうやったらいいんだ?」


俺は毛玉に聞いてみた。こいつがいねぇと何をして良いやらサッパリわかんねぇ。ムカつくが仕方がない。


「うん。じゃあこれから僕がアメーバの様な単細胞生物の君でも理解出来る『初めての迷宮創造ダンジョンクリエイト講座』を開いて上げよう」


ぐっ……こいつ絶対バカにしてるよな?

なんか意味わからん言葉を使ってるが雰囲気でわかるんだぞ?

アメバー?タンサン棒?これって悪口だよな?

今は我慢だ……耐えろ俺………。


歯をギリギリさせながら耐える俺に毛玉は


「ん?どうしたんだい?………ははぁ〜⁉︎さては余りの自分の幸運に酔いしれて、その感情を噛み締めてるんだね?」


「なんでそうなる⁈逆だ‼︎自分の不幸を呪ってる真っ最中に決まってるだろう‼︎」


この毛玉は本当に俺をムカつかせる天才だな。

俺は渾身の力で握り拳を作る。力を入れ過ぎてボタボタと手から血が…………出ない。俺にそんな握力は無い。我慢だ。今は我慢だ。


「何故だい?『ダンジョンマスター』

それはこの世界中のあらゆる生物が………それこそゴブリンからドラゴンに至るまでなりたいと思ってもそう易々となる事は出来ない貴重な存在なんだよ?」


えっ?そうなの?マジで?


「君にはちゃんとこの幸運を理解して欲しいね。

これは広大な砂漠から砂金の一粒を見つけるに等しいほどの奇跡なんだよ?」


えっ?俺ってもしかしてとんでも無いラッキーマンなの?


「ふふふ……頭では理解出来たようだね?だがその幸運を体感するのは此れからだよ。

さぁ始めに『ステータスオープン』だ。」


「『ステータスオープン』?どうすりゃ良い?」


「オープンしたいと念じれば良い。手足を動かす感覚と同じだ。君にはもうその力が備わっている。」


ふむ……そう言われてもなぁ……とりあえず開け!と思ってみる。すると


「おわっ‼︎なんだこれ⁈」

頭の中で色々と文字が浮かび上がってきやがる。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


名前: タゴサク

種族: 菌類

属性: 混沌カオス


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



ちょっと待て!色々と突っ込む所があるぞ‼︎


「どうしたんだい?タゴサ「その名前で呼ぶんじゃねぇぇぇぇっ⁉︎」


「俺様の名はサバトだ!サバト・ゲイロードだ‼︎二度とその名前で呼ぶんじゃねぇ⁉︎わかったか⁈」


「はぁぁぁ………了解したよ。名前は書き換えておこう。名前なんてただの識別記号だろうに…何をそんなに拘ってるんだか?」


「うっせい‼︎俺には大事な事なんだよ!」


「大体サバトって何?黒魔術の儀式でもするのかい?そんな事すると魔女裁判にかけられて拷問の末に殺されちゃうよ?いい歳して厨二病も甚だしいね。それに君は生前、魔力が殆ど無かっただろう?それこそ生活魔法も使えなかった程に……」


「うるさいうるさいうるさい⁉︎又、訳わからん言葉使いやがって‼︎馬鹿にしてるのは空気でわかってるんだぞ!いい歳って言っても俺はまだ17歳だぞ!魔力に関してもちょっと才能が足りなかっただけだ‼︎」


「見た目は三十代に見えるけどね。ちょっと才能が?現実を受け止めた方がいい。『全く』だろ?」


うがあぁぁぁぁぁぁ‼︎もう許さん!ぶっ殺してやる!


俺は毛玉を全力でぶん殴った。もうこれまでの人生で一番と言えるほど渾身の力を込めた。しかし毛玉はポヨンポヨンと跳ねるだけでとても効いている様子が無い。


「ははは。僕に攻撃をしても無駄だよ?そもそも君たちとは存在の次元が違うんだ。それこそ太陽の熱全てを一点に集めたとしても僕を消滅させることは出来ないんだ。」


やってみなきゃわかんねぇだろがぁぁぁぁぁぁ‼︎

俺は長時間、毛玉と格闘したが無駄だった。奴はなにもしなかったが俺の体力切れでギブアップだ。


「一分半で動けなくなるとは………体力ないね。君………」


「ハァッハァッ………そんなに……無敵なら…お前が…戦えばいいんじゃないか?」


「それは不可能だよ。言っただろう?次元が違うと。僕に攻撃を通せるものは存在しない。また逆に僕が攻撃を通せるものも存在しないんだ。そういう約定ルールなんだよ」


ああそうかい。わかったよ。ならいつか口で言い負かしてやる。俺は心にデッカい目標を立てるのだった。


「あと、これも書き換えとけ!間違ってんぞ⁈」


俺はウインドに表示される種族の項目を見ながら毛玉に伝える。

ダンジョンシステムってのも案外いい加減なんだな。菌類ってなんだ?俺は人類だぞ?


「ダンジョンシステムに間違いなんて起こるはずがないだろう?表示には何らおかしい点は見つからないな。もしかして種族項目の菌類に対して疑問があるのかな?」


こいつは何を言ってるんだ?菌なんて言葉聞いた事もない。大体、俺を見て人類種以外の何に見えると思ってるんだ?


「俺が人間以外の何に見えると思ってんだ‼︎

さっさと書きかえろよ!」


毛玉はさらなる衝撃の言葉を放つ。今日で一体何度目だ?


「君はいつまで人間のつもりでいるんだい?先程も言ったよね?〜君は『生前』魔力が〜と。」


「生前?俺は一回死んでるのか?」

「ご明察!君はダンジョンマスターに登録され、ここに転送されたときに、ついでに身体の構造を全て作り変えられている。それを死と言うなら君は一度死んで生まれ変わったってことだね。君の貧弱な身体ではダンジョンマスターとしての魔力に耐えられなかったから仕方ないね。」


「嘘だろ?もう俺は人間じゃない?魔物になっちまったってことか?もう頭がこんがらかってパンクしそうだ。」


「ははは……頭の容量なんてゲームウォッチ並の君には辛い現実だったかな?でも感謝して貰いたいものだよ。何故なら生前の身体でここに来たらその瞬間に爆発四散でガメオベラ!って結果だったんだから。」


俺の常識がどんどんと壊れていく。なんだこの世界は………俺はやっていけるのか?


「それに魔物になった?といったね。答えはYESでもありNOでもある。体内に魔石を持つのが魔物と定義されいる。君にとっての魔石とはあそこにある迷宮核ダンジョンコアだ!」


俺は黒い球を見る………あれが………俺の魔石?

だからあれを割ると俺が死ぬって言ってたのか………


「君の死亡条件は三つ!

1.君自身の生命活動の停止。

2.迷宮核ダンジョンコアの破壊。

3.迷宮核ダンジョンコアをエリア外に持ち出されることだ。

気を付けなよ?迷宮核ダンジョンコアは君の心臓と同義だ!」


背中に冷や汗が流れ落ちる。あんなむき出しの球が俺の心臓?


「さぁ!話を戻そう!そんな訳で君は人類から菌類になったんだよ。たったの一字違いだ!大した問題じゃないね。」


問題大有りだ!菌類ってなんなんだよ?初めて聞く言葉だ。


「ちょっと待て。ちゃんと説明しろ。菌類ってのは何が出来る?ドラゴンのように火を吐いたり空を飛んだり出来るのか?」


「では望みどおりにちゃんと説明しよう。

菌類とは真菌と粘菌の総称である。

ほとんどが固着性の生物なんだ。微視的には、細胞壁のある細胞からなっており先端成長をする。これは植物に見られる特徴だが光合成は行わないから植物に分類はできないんだ。」


⁇⁇…何言ってんだ?こいつ。呪文でも唱えてんのか?こんな所で魔法をぶっ放すつもりか?


「栄養の摂取は外部の物質を分解、消化して体外から吸収する。単細胞の微生物なんだが多細胞の菌も存在する。その場合、菌糸と呼ばれる細胞列しか「待て待て待て待てちょっと待て!全然サッパリ1ミリもわからん。もっと俺にもわかるように説明しろ!」


「ふむ。望みどおりにしてあげたのに。やっぱり君の頭の中はアメーバでいっぱいのようだね?では君にもわかるよう説明しよう。」


毛玉は呆れたような目をしておれを見る。

頭良いからって調子乗んなよ?


「先程から君に対しての評価だがあれは比喩表現では無い。」


アメバーとかタンサン棒、キノコ野郎って言ってた奴か?キノコぐらいはわかるぞ?昔、食ったら笑い茸で死にかけたからな。


「真菌とはキノコ、カビの総称で粘菌とはアメーバのこと……この世界風に言うならスライムだね。その集合体で君の身体は構成されている。」


………………………………はぁ?


「な……何言ってんだ?この身体を見てどこがスライムだ?この手も足も顔もどうやったらキノコに見えるってんだ?」


「それは君の遺伝子………つまり魂がその身体になるよう設計されているからだ。今はまだわからないだろうがダンジョンマスターとして成長していけばその身体の価値に気づくはずだ。」


聞き捨てならない言葉を聞いた。成長?身体の価値?


「俺は強くなれんのか?」

「君次第と言っただろう?その身体のポテンシャルは無限大と言っても良い。」


マジか!あぁ顔がにやけて来やがる……腹の底からゾワゾワとした感覚がせり上がってくる。だが不快じゃねぇ!身体が震えて来やがる。これが武者震いか………やってやる!俺はこの世界で好き放題して生きてやる⁉︎


「さっさと次の説明に行きやがれ!この属性の混沌カオスてのはなんだ⁈」


「ふむ………これだけが不思議なんだ。先例がない。言葉だけの意味なら全てが入り混じった状態を指すね。」


全て?


「例えば全属性の魔法が得意とかそんな意味じゃねぇのか?」


「うーん。少し違うと思うよ。例えば火と水は相反するものだ。お互いが打ち消し合ってしまう。混沌カオスとはそれら全てが混じっても調和が取れている状態のことなんだと思う。つまりよくわからないってことだね。」


「ヘェ〜……お前にもわからないことがあるんだな」


なんか初めてこいつに勝てた様な気がした。

口角が上がってニヤニヤが止まらねぇ………


「気持ち悪い笑い方をするね君……通りでモテない筈だ……君のことだからどうせ世の汚物、全部をコネてありったけの呪詛で固めたような属性ってことだろう。」


「へっ!言ってろ⁉︎」


ちょっと悔しそうにしてるな。

なんか調子出て来たぜ。


「まぁいい。そのうちわかんだろ!次だ次!」


「確かにね。今、推論しても結果は出ない。検証は後に回そう。じゃあ次行くよ。迷宮ダンジョン運営にあたって最も大事なことは迷宮核ダンジョンコアを守ることだ。」


そりゃそうだ。あんなむき出しの球が割られたら俺は死んじまうんだからな。


「しかし侵入者が居なければダンジョンも君の成長もしない。より強く、より凶悪な迷宮ダンジョンにする為には敵から魔力の吸収は不可欠なんだ。」


「魔力の吸収?どうやったらそれができるんだ?」


「生物は常時、微弱ながら魔力を放出している。そして感情が揺さぶられた時、放出も大きくなる。喜怒哀楽に後悔、期待や焦り全ての感情だ。そして死ぬ瞬間が最も魔力が放出される。もちろん強者ほど高い魔力を持つから吸収量も大きくなる。吸収は迷宮ダンジョンエリア内であればコアが自動で吸収してくれるから安心しなよ。」


俺はゴクリと唾を飲み込む。だから迷宮ダンジョンは人を殺しにかかるのか…………


コアに魔力が溜まっていけば繋がりのある君も同様に強くなっていく。想い描く人生を送りたければどれだけ生物を狂わせ殺すかにかかってくる。頑張ってくれよ」


毛玉の目は人間など唯の餌なんだ。だから殺してしまえ!と言っている。

そう。俺は殺らなきゃならない。人間を………この手で………

生前は殺しなんかしたことがない。そんな度胸も無ければ実力もなかった。ヘコヘコしてればその場は凌げた。

でも今は殺らなきゃ生きていけねぇ。皆んなが俺を殺しにくるんだ……俺を財宝かなんかだと思ってやがんだ……


だから…………奴等を………餌だと思って何が悪い!



俺は間違ってない!


俺は正しい‼︎



「ふふふ……だんだんと染まってきたね。いい傾向だ。

さぁ次は魔物召喚といこうか。エリア内であれば念じれば生成が可能だ。魔物は君の命令を忠実に守るよう魂に刻まれている。反乱を起こすこともないから安心しなよ。

もちろん強力な魔物ほど消費魔力は大きい。今の君の実力じゃドラゴンなんて到底召喚できないから最初はゴブリンがいいかな?」


おお!俺に忠誠を誓った魔物か………テンション上がるな!

最初がゴブリンってのがなんだが練習だしな!


俺は手をかざしてゴブリンを想像する。出てこいやぁ!


すると前方に小指の爪ほどの魔石が出てくる。

次第に内蔵、骨、肉の順番に生物が生成されていく。


うぇっ………気持ちわりぃ………


身長は俺のヘソより少し上あたり。頭はデカく肌は緑に色づきだした。腰ミノ一枚しか身につけていない。

額に申し訳程度の突起が付いた小人が完成した。


うん。どう見てもゴブリンだな。

奴は不思議そうに周りをキョロキョロと見渡している。


よっしゃ!ここはいっちょガツんとかますか‼︎

「よう!俺がお前のご主人様となるサバト・ゲイロード様だ!喜べ!おまえは栄えある下僕第一号だ。これからは俺に忠誠を誓ってキリキリ働けよ‼︎」


ゴブリンは蒼い顔をして後退っている。俺のカリスマ性に恐れ慄いてるのかな?


あっ四つん這いになった。きっと平服してるんだな。

ふふふ……威厳があり過ぎるのも困り者だな!


「グギゴグゲ、ゲギゲガガガゴゲ」


「んっ?なんか言ってるぞ?」


「武器が欲しいといってるね。刃物がいいみたいだよ。」


「へぇ〜ゴブリンの言葉がわかるのか?どうすりゃ良い?」


「ナビゲータとして当然だね。魔力を消費するけど念じれば出てくるよ。材質も決めれるよ。」


そっか。じゃあ石のナイフでいいかな?

念じるとポンッと出てきた。ダンジョンマスターってすげぇ!


ゴブリンに渡してみると十字を切りだした。こいつゴブリンのくせにギリアム教徒か?

んで?………自分に刃先を向けて……ふむふむ……

思いっきり喉に突き刺「待て待て!何してんだお前は!」 あっ!こいつ舌打ちしやがった。



「どうやら余りの絶望感に自決を試みたようだね。」


「なんでだよ!召喚した魔物は俺に忠誠を誓うんじゃなかったのか?」


「何言ってるんだい?忠実と忠誠は全然、別問題だよ。命令を喜んで受けるか嫌々受けるかの違いだね。」


「結果は一緒じゃねぇか!」


「それは違うよ。士気の差はそのまま作業効率に直結する。ストレスを溜め過ぎると最悪、自傷行為や自決をしてしまう。魔物のケアをすることもマスターの大事な仕事だよ。」


ゴブリンって面倒くさぇ!でもしゃあねぇな……

ゴブリンの肩を組んで優しく話しかけてみる。


「なぁ…今こそこんなんだけどよぉ。いつか絶対いい目に会わせてやっから一緒に頑張ってこうぜ!な⁈」


あっ……不貞腐れやがった……


「しかし召喚したばかりで自殺を決意させる程ストレスを与えるなんて前代未聞じゃないかな?君のカリスマ性の無さに戦慄を覚えるよ。誇っていいことだと思うよ。」


誇れるわけねぇだろ!


「まぁ魔物召喚はこれぐらいでいいかな。後の細かいルールは追い追い教えていこうか。

さぁこれからがサバト・ゲイロードのマスター人生の始まりだ。心して掛かってくれよ。」


あっ!こいつ初めて俺の名前を呼びやがった…

テンション上がってきたな。


「よう!そういえばお前の名前はなんていうんだ?」

「僕は唯のダンジョンシステムナビゲータだ。名前なんてないよ。」

「それじゃ長すぎて呼びにくいじゃねぇか。」

「では君が名前を決めてくれ。」


うーん…名前ねぇ……

少しの間考えてみると俺の脳内に強烈な電流がはしった。これしか考えられねぇ‼︎これが天啓という奴か!


「決めた!これからお前の名前はスーm「却下だ‼︎素晴らしい名前だ。良いセンスをしている。抜群と言っていい。だがそれは許されない名前だ。禁呪と言い換えてもいい。この世界を完全に消し去るかもしれない恐ろしい禁呪だ。二度と口にするんじゃないよ。他の名前にしてくれ…」


ビビった…マジで殺されるかとおもった……ちょっと漏れちまった……


「うーん…じゃあマリモってのはどうだ?」

「うん?何故その名前になったのか興味があるが…でも悪くない…了解した。今から僕の名前はマリモだ。」


マリモはフワフワと俺の頭の上に乗っかってきた。

「よろしく頼むよ。サバト」

「ああ!よろしくな!マリモ」


これが俺の薔薇色の人生の第一歩だ!やってやるぜ‼︎

マリモが度々、現代用語を使っていますがこれは仕様です。

裏設定なので多分理由は出てきません。


菌類はWikipedia参照です。

間違いや勘違いありましたらごめんなさい。


拙作ではレベルやスキルは採用していません。

期待された方がいましたらごめんなさい。


ダンジョンマスターの能力は大体テンプレどおりですが内政系ではないつもりなのでDP制は廃止しています。

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