プロローグ1 魔神誕生
稚拙、遅速、駄文お許しを…処女作です
鬱蒼とした森の中、一人の男がフラフラと歩いていた。
出口を求め彷徨い歩きいったいどれだけの時間が経ったことだろう。太陽は遥か前に沈み、僅かな光を照らす月や星も分厚い雲に覆われ周りは完全なる闇が包んでいた。
「チクショウ。こんな所で死ねるかよ。」
(思えばあんな依頼なんか受けなきゃ良かった。少し考えりゃ気付けたはずだ!高報酬に騙された!今度あいつを見つけたら絶対ぶっ殺してやる!)
男はこんな境遇に立たせた依頼主を呪うことで己を奮え立たせなんとか歩を進ませる。
とは言え周りは一面闇に包まれ方向感覚は既に役に立たず自分は街に向かえているのか。それともさらなる森の中に進んでいるのかさえわかっていなかった。
依頼は大掛かりだが簡単な物だと思っていた。辺境区の森に腐人種や骨人種が大量発生した為、緊急に大人数を派遣したい。と辺境伯の従者を名乗る男は冒険者組合を通さずに直接、依頼を持ちかけてきた。
報酬は金貨一枚。金に目が眩んだ。金貨一枚有れば半年は喰うに困らない。飢えを凌ぐ為にそこらに生えてる雑草やキノコを食べ、腹を下す日々ともおさらばだ。
直ぐさま馬車に乗り込み現場に急行。待っていたのはそんな生易しい物ではなかった。
待っていたのは吸血鬼とその眷属達。
気付いたのは集められた覇気のない冒険者達と突撃をかました直後だった。
「話が違う」
蹂躙なんて言葉では言い表せない殺戮がそこにはあった。
虎穴に飛び込んだ羊の群れの如く冒険者達は食い散らかされていく。
依頼を終えれば一緒に娼館に行く約束をした隣のおっさんはヘルハウンドに両脚を膝下だけ残して丸かじりにされた。
吸血鬼と言えば最低でもCランク冒険者が討伐に向かう魔物。その最上位『真祖』ともなればAやSランク冒険者でも封印するのが精一杯という化け物中の化け物だ。
今回の吸血鬼はそれなりに格が高いらしくBランクパーティ。できればAランクパーティの冒険者が欲しい所だった。ならば何故、彼等の様なFランクが呼ばれたか。それも大量に。
答えは時間稼ぎである。高ランクパーティを雇う依頼費をケチった辺境伯は子飼いの魔道士や僧侶達の共鳴魔法の詠唱の時間稼ぎに彼等を使ったのだ。
要は肉壁である。金など最初から払う気などなかった。どうせ死ぬのだから。
それに気付いた彼は脱兎の如く逃げ出した。敵から、背後から撃たれる味方の魔法からも脇目も振らず逃げた。
体中を食い千切られた冒険者を盾にして、頭部を失った死体に躓きながら必死で逃げた。気付けば一人森の中。周りに人の気配など何処にもいない状況であった。
奇跡的に怪我らしい怪我もなく今に至る。
「くそっ!死ね!ふざけんな!なんで俺がこんな目に!なんで俺だけがこん…な…え?あれ!?」
彼はあることに思い至る
「ちょっと待て!見知った顔は何人かいたがどいつも冴えねぇ奴らばっかりだ。期待の新人とか言われたあのガキは居たか?いや居なかった。なんでだ?ランクは俺と同じFランクじゃねぇか。」
悪い想像はドンドン膨らむ
「こんな依頼をあのガキに声をかけねぇはずがねぇ。まさか…冒険者組合は…知ってた?そんな…俺は……嵌められた?厄介払いと間引きされたのか?」
事実、彼は鼻摘まみ者だった
曰く、ゴブリン一匹仕留めるのにもヒィヒィ言う始末
パーティを組めば実力も無いのに分け前の要求だけは一人前
恫喝すればすぐにキョドる。目を見て話しをしない。目がいやらしい。鼻息が荒い。口が臭い。体臭かキツイ。いつもブツブツと独り言。耳を澄ませば死ねだの呪われろだの言っている。
どうせ童貞だろ?顔に書いてあるよ。存在が不愉快。生きてる価値なんかあるのか?呼吸をするのも贅沢だ。空気が勿体無い。う○こ製造機。
全くその通りである。
冒険者組合への想像は嘘か真かはどうでもいい。彼にとってはそれが真実なのだ。
「ざけんなぁぁ!俺をなんだと思ってやがる!俺を誰だと思ってやがる!俺は…俺様は『サバト・ゲイロード』様だぞ!」
サバト・ゲイロード
彼が冒険者に登録する時に自分で付けた名前だ。
生まれた時に付けられた田舎臭い名前は故郷を出るとき一緒に捨ててきた。
農業大国オースリン王国の片田舎で雇われ農夫の息子として生まれたサバトは何時も考えていた。
俺の一生は親父か?
土をいじくり泥だらけになりながら得られる賃金は微々たる物。
こんな奴隷と変わらない一生を俺は送るのか?
違うだろ‼︎
お伽話の英雄のように歓声を浴び羨望の眼差しを向けられる。
天高く積まれた金銀財宝の傍らで媚びた美女を侍らかす。
祖国の危機とあらば即座に駆けつけ巨大な魔物を一刀両断!
そんな世界の主人公になるのを夢見て故郷を捨てたのは十三歳の春だった。
ベルガ帝国の首都にいけばなんとかなる!
計画もなく目指してみたものの結局そこにすら辿り着けず地方都市で早四年。
今では立派な浮浪者同然の生活。
自分などそんな英雄達の路傍に佇む石ころでしか無いことを思い知らされる日々
「舐めんなよぅ…俺様は…ウゥ……ヒグッ………ヂグショウ…………」
ポツポツと降り出した雨はサバトの流した涙を洗い流すどころか追い討ちをかけるように強まっていく。
「寒みぃ…このままじゃ凍えて死んじまう……あぁ腹減った」
力なく歩くサバトは土砂降りの中、石に足を引っ掛け泥の中に顔から盛大に突っ込む。口中と鼻腔の奥に泥が入り込みその苦さにむせ返る。
「ウゲェ!ゲホ!ヴォェッ!ハァハァ………
アアアアァァァ‼︎石ころまで俺をバカにすんのか!ふざけんな!死ね!テメェ舐めんじゃねー!」
サバトは躓いた石をゲシゲシ蹴りそのまま仰向けに倒れ込んだ。体力の限界だ。一歩も動けない。寒さに立ち上がる事さえもう出来ない。
「ここで俺は死ぬのか…クソッタレな人生だったな…アァ眠ぃ……」
薄れいく意識の中で何か音が聞こえた気がした。
ピィーーーーー!
ーーーーーーーーー認証 開始ーーーーーーーー
ーーーー登録完了 ダンジョンへ転送しますーーーー
サバトが蹴った石が輝き出す。そして辺りは光に包まれた。
共鳴魔法
複数の魔道士が魔力を増幅させ合い高火力の魔法を撃ち出す。何人でもできるが術者の限界を越えるほど高め合うと身体が爆発する。取り扱い注意
これだけ書くのほぼ1日…アメーバみたいな遅さだな。
作者はサバトみたいな人間じゃ有りません。イケメンクールでモッテモテよ!うそじゃ有りません。いやマジで(汗)




