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Ⅳ
日が昇り朝が来た。ミヤコの朝はここから始まる。フトンをタンスにしまいキッチンへ向かった。朝は和食派のミヤコ。鍋に水を張り沸々と料理を作った。支度が終わり洗濯を干しているとき零は起床した。
「ミヤコおはよう」
「お早う零。」
「今日は?」
「鮭」
「よっしゃ!」
零は鮭と聞くと喜んで「顔とか洗ってくる!」と言って洗面所へ行った。ミヤコはクスクス笑いながら朝を準備しに行った。2人とも席に着くとミヤコは昨日のことを伝えた。零は最初、驚いていたけど最後は「分かった」と言ってくれた。ミヤコはほっとした。零がもっとなんで?とか聞いてくるだろうと待ち構えていたから。
「零」
「なんだ?ミヤコ」
「今回は、なんで?とか言わないのね」
「言いたかったけど、ミヤコが決めたことだろ。一緒に国都に行くよ。」
ミヤコは不思議でならなかった。いつもなら、反発して最後の最後に「いいよ」って言っているのに。でも、慧人に会えると思うと心が高鳴る。やっと、愛おしい人に会えるとわくわくした気持ちで国都へ行く準備を始めた。