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エピローグ
「お婆ちゃん、今の、いつも万引きしていく子でしょ?」
二人が店先を離れた後、店の奥から若い女性が出てきた。彼女の問いにお婆さんが頷くと、女性は、はぁと溜め息を吐く。
「私に店番任せてくれたら、すぐにとっ捕まえてやるのに。『まだまだ私は現役だー』ってそればっかりなんだもん」
「そうだね。そろそろ、あんたに任せてもいいかもね」
「そうですよ。そろそろ私に……って、え? 本当に? どうして急に、また」
「なぁに」とお婆さんは笑いながら、女性が開けっ放しにしている引き戸の向こうを見る。
テーブルやテレビが置かれている小さな生活スペース。そこにある棚の上には、古い写真が飾られている。場所は、病院だ。ベッドの上で上体を起こしているのは、若い男性。その横には若い女性が赤子を抱いて立っている。
「そろそろ私も、あの世に行く番かと思ってね」




