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「いやぁ、勝手にすみません」

 水木さんの部屋でした異形のモノとの対面をかいつまんで説明する。

 襲撃のくだりを説明したあたりで、一斉にみんなの顔が険しくなった。


「うそでしょ、銃撃戦するの?」


「怪我したら終了って、顔に傷ついたらどうするの」


「っていうか、制限時間なし?」


 麗さん、水木さん、美優さんが口々に言う。どれもごもっともな意見で、


「いやぁ、勝手にすみません」


 としか言えなかった。


「7人?」


 ルール説明のとき、千尋が声を上げた。


「人数合わないよね」


 そう言って、美優さん、麗さん、祭…と数え始めた。最後に俺と付け足しても、指は6本しか折れていない。

 千尋があたしを見て首を傾げる。


「もう一人は?」


「藤野さん」


 小さくつぶやいた声に、


「はぁ!?」


 反応したのは水木さんだった。

 そりゃそうだ。藤野さんは水木さんの彼氏であり、うちの会社ではなくごく普通の会社でサラリーマンをしている。水木さんの彼氏であるがゆえに、社員でもバイトでもないのにこの会社の雑務を任されているのである。


「…できれば、でいい」


 勝手にメンバーに入れてしまったことを今更ながら申し訳なく思い、本当はメンバーになってもらわなければ人数が合わないのだが、『できれば』なんて言ってしまう。

 あぁ、人数が合わなくなったらどうしようか。ずーんと一気に暗くなったあたしに、


「残念ながら、」


 と水木さんが暗い言葉を落とす。


「ハル、今日休みよ」


「え」


 顔を上げれば、


「仕方ないから電話してあげるわ」


 本当は危険なことに巻き込みたくないけど、と付け加えて水木さんが携帯を取りに部屋へ戻る。


「ありがとうございます!」


 大きな声を出せば、背中越しにひらりと白い手が挙げられる。かっこいい。

 水木さんの大人っぽさにしびれつつ、


「さて」


 気合を入れ直す。


「人数はそろったね」


 美優さんに目配せをすると、にやりと笑われた。


「作戦会議といきますか」



 時刻は12時47分。異形のモノとの対決は、あと二時間ちょっと。


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