表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

飲み込んだ。

 結局、兄の隣室の音はお日さまが昇るまで続いた。いつもの事だ。弟の方は丑三つ時を過ぎた頃に止んだ。自分だけさっさと寝やがって。酷い奴である。眠気に欠伸を溢しながら階段をゆっくりと降りていくと、長男がキッチンに立ち、残りの二人は既に食卓に付いていた。


 最後の段差を降りた時、丁度こちらを向いた長男、優也と目が合った。どうやらコーヒーを淹れていたらしい。これもいつもの日課だ。


「おはよう。紗雪」


 ニッコリと笑みを浮かべ、こちらに微笑む兄に「おはよ、」と軽く返事を返しながらも瞼が段々と下がっていくのを感じた。そんな私を見ていた兄はムッと顔を顰めた。


「お前また夜更かししてたのか?いつも早く寝ろって言ってるだろ」


「あー、はいはい。ごめん、ごめん」


 あんたらが原因だかんな?と思いながらも不満を飲み込み、既に朝食が用意されている自分の席に座り、「いただきます。」と呟いて食べ始めた。未だ不満そうな様子の兄はほうっておく。


「姉さん、昨日ずっとゲームしてたでしょ。ほんとに好きだよね。飽きないの?」


 呆れた顔をこちらに向けた隣に座っていた弟、結望(ゆの)には取りあえず頷きかえした。君こそ毎晩呪い続けて飽きないの?と聞きたいけど怖いから食べたパンと一緒に飲み込んだ。


「ゲームも良いけど程々にしとけよな。」


 口を挟んだもう一人の兄、和希にも取りあえず頷いた。お前のせいだからな?という言葉はいつの間にか置かれていたコーヒーと一緒に飲み込んだ。


「……困ったものだね」

 

 うちの兄弟は皆なんて自己中なんだ、という意を込めて溜息をこぼせば、前に座っていた裕也がものすごく白い目を向けてきた。


「…自分のことを言ってるのか?」


 その言葉、そっくりそのまま返して差し上げましょうか?という言葉は残りのコーヒーをグイッと飲んで飲み干した。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ