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18話 透明化バズり作戦!ポンコツ記者、ファミレスで大暴走

 昼休み、学校の中庭のベンチには、いつもの四人がそろっていた。


 陸斗の弁当は、今日もとんでもないボリュームだ。ハンバーグにエビフライ、唐揚げに卵焼き。どれも詰め込みすぎて、ふたが閉まらなかったらしい。


「おい、今日も食いきれねえ。助けろ!」

陸斗が大きな声で訴えると、清透と美咲、真央が次々おかずを手に取った。


「陸斗くん、これ絶対、三人分だよ……」

清透が半分笑いながら唐揚げをつまむ。

美咲も「お弁当、分けてくれるの嬉しいけど、こんなにあったら授業中寝ちゃいそう」と言って卵焼きを受け取る。

真央は「食べ物の波動が強い……今日のハンバーグ、熱量が違う」とよく分からないことを呟いて、みんなの笑いを誘った。


 いつも通りの、ゆるい昼休み――と思いきや、清透がふと真面目な顔になる。


「……僕さ、自分の力の正体、やっぱり知りたいと思ってるんだ」

「たぶん、あのポンコツ記者さんと一緒に行動すれば、何かわかるかもしれない」

普段の調子から一転、まっすぐな視線でみんなを見つめる清透。


真央は間髪入れずに言った。

「そりゃ、やらないと。そんな力、普通ないんだから。もったいなさすぎ!」


陸斗は口にサンドイッチをほおばったまま、じっと考えてからうなずく。

「清透がそう言うなら、いいんじゃね? 俺たちも協力する。ただ、相手が無茶言ったら断ろうぜ。詐欺とか、危ない橋は渡らないぞ」


美咲は、ちょっと不安そうに清透を見つめる。

「……清透君がそうしたいのなら、私も協力するよ」

やわらかい微笑みに、清透の顔が少しだけ和らぐ。


「じゃあ、今日みんなで会って話そうぜ!」

陸斗がすぐに立ち上がり、スマホを構える。

「清透が電話したら、また“透明人間ピザ”とか注文しかねないからな」


「しないし!」

みんなで冗談を言い合いながら、次の作戦に向けて息を合わせる四人だった。


 放課後、学校近くのファミレスに集合した清透たち四人は、窓際のテーブルで待っていた。

「八雲さん、遅いな……」

美咲がメニューを眺めていると、入口の自動ドアが「ピンポーン」と開き、八雲が勢いよくやって来た。


「ごめんごめん、財布落としそうになってコンビニで迷子になってた!」

八雲はやたらとテンションが高い。


「君たちだったらきっと承諾してくれると思った!ありがとう!」

席に着くなり、八雲は開口一番そう言う。


 陸斗が、真っ先に本題へ切り込む。

「それで?俺たち、何すればいいんですか。学生なんで、危ないこととか、無茶なことは絶対ダメですからね?」


 八雲は「大丈夫、大丈夫!無茶も危険もないよ」と手を振り、すぐに前のめりで続ける。

「まずは清透くんの力で、透明人間を話題にしたいんだ」


「どういうこと?」

美咲が首をかしげる。


「YouTubeでバズりたいんだよ。世の中を変えるには発信力が必要だから!」

八雲は真顔で宣言し、陸斗が「ポンコツ記者がユーチューバー志望にクラスチェンジした!」とヒソヒソ。


 真央はノートを開きながら、

「記者なのにバズりって、ジャーナリズムどこいった」

と真顔でつっこむ。


「いや、僕が書いた記事なんて普通の人はまず読まないんだよ。だから、自分が有名になれば、みんなの不満とかも解決できるし、社会問題も発信できる。お金はないけど、もし儲かったら分け前を渡すし!」


陸斗は思わず「なんか、夢語る系の怪しい勧誘みたいだな……」と小声で美咲に耳打ちした。

美咲も「本当に詐欺じゃないよね?」とこっそり心配する。


「本気だって!将来のためにさ、まずは世の中の歪みを直したいんだよ!」

八雲は謎の熱弁をふるう。


突然、八雲が「そうだ、一つ例をあげようか」と急にテンションを変える。

「昭和元年の時の平均寿命って知ってる? 男性44歳、女性46歳。今から100年前だけど、びっくりでしょ?」


陸斗は思わず「短すぎるだろ!戦隊モノの寿命みたいじゃねーか」と突っ込む。

真央はスマホを取り出して即検索。「……ほんとだ、44歳だ。昭和すごっ」と素直に感心。


八雲はまた真剣な顔になる。

「日本も世界も、この変化の速さについていけなくなってしまっている。そこにいろいろ歪みが出てきてしまっているんだ。その歪みをなくせば、君たちが夢を持って生きられる国に変えることができる。どうかな?僕のことを信じてくれないかな?」


そして、衝撃的な推測を立てた。

「清透君のその透明の力は、多分、この社会の歪みが作り上げたんだ。君の力は悪事には使えない。正しいことにしか使えない。それは今の世の中が正しくなっていないという、その歪みが生み出したものなんだ。まあ、僕の推測ではあるけど、そう考えれば君の現象も納得がいくと思わないかい?」


「でも、その…どうやって?」

美咲の率直な疑問に、八雲は「まずは簡単なこと!清透くんが不思議な現象を起こす。それを僕が動画で撮る!清透くん自身は映らないけど、たぶん対象は映るはず!」と嬉しそうに語る。


陸斗は「透明人間の動画って、地味にカメラ壊れたみたいになるぞ」と半笑い。


真央「逆に都市伝説だよ、それ」


八雲「もし万が一バズって儲かったら、みんなにも分け前渡すよ。僕はお金に執着ないし」


「それくらいならやってみてもいいかな」

清透が頷くと、陸斗も「まあ、面白そうだし、俺らも協力する。危なくなったら即撤退で!」


「私は絶対に監視役!」と美咲がきっぱり。

「私は科学調査担当。まずはマヨネーズを消す現象から」と真央が冷静に付け加える。


「……結局、みんなノリノリじゃん」

陸斗が苦笑いし、八雲は「よし、次は動画ロケだ!」と張り切る。


ギャグとツッコミだらけの作戦会議は、みんなの笑い声と、ちょっとだけワクワクした空気で包まれていた。


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