4.リューの帰還
「お…お前…生きていたのか…」
可愛い自分の弟が王宮に帰ってきたというのに、その反応。今までどこにいたと思ってるんだろう?というか、死んだと思ってたのか?お花畑だなぁ。
バカ王子の腕には2代目だろうかホルスタイン令嬢がぶらさがっていた。相変わらずのようでなにより。
「兄上は王太子として相応しくないので、その事も陛下に奏上しようと戻ってきました。今までですか?スミス公爵家にて生活していましたよ。領地経営についても学びましたし、剣術も学びました。同時に帝王学も王子教育とをしてしましたが、何か?」
「お、お前は…俺様が婚約破棄をした家にこの10年も転がり込んでいたのか!恥ずかしくないのか?」
「恥ずかしいとは?今の兄上のように、女性を自分に侍らせているような行いをいうのではないでしょうか?スミス公爵家に問題でも?」
「俺様が婚約破棄をした女がいるような家だぞ?」
「ああ、リンドウ姉さん、もう呼び捨てでいいかな?リンドウとは先日婚約をしました。彼女とは清い仲ですよ。兄上のように、ベッタリと侍らせるようなこともしてません。スミス公爵家ですが、義父は宰相をしていらっしゃるし、公爵家の長男が領地経営をしているわけですが、それで領地経営について学びました。次男は次期騎士団長と言われている方ですよね?その方に直々に剣術を御指南いただきました。何か?」
リューは笑顔だけど、目が笑っていなかった。うちが貶められたんだもんね。
「これから忙しいので、兄上失礼しますね」
リューと私は陛下の方へ行くことにした。
「リュー、呼び捨てって……」
「いいじゃん。いつまでも『リンドウ姉さん』じゃおかしいし」
それはそうだけど、色気とかまで備わったリューに名前を呼ばれたら、ドッキドキなんですけど~~~!!!