3.リューは難しい年頃
うちに来てからもう、10年かなぁ?リューも20才になりました。バカ王子は28才くらいかな?相変わらず馬鹿な噂を耳にするばかりで、この国終わった…とお茶会で専らの話です。リューがいるのにね。ホルスタイン令嬢ですが、自慢の乳は重力に耐えられず垂れてきたようで、バカ王子からの寵愛もなくなってきているとか。若いホルスタインを見つけようとしているようです。二代目ホルスタイン令嬢?でしょうか?
リューも20才だからなぁ。婚約者がいてもおかしくない年齢なんだけど…。
お父様がリューに聞いたらしい。
「リューもそろそろ婚約者がいるような年頃になるが、お目当ての令嬢などはいるのか?」
「はい。リンドウ姉さんがいいです」
なんですと――――――!!確かに私は王子妃教育とか全部やったけど、どうしたの?
一緒に住んでる時間が長くて情がうつったとか?
「リンドウ姉さんは、優しく、時に厳しく自分を導いてくれます。そんな彼女に惹かれるのです」
と、お父様から聞いた。
いやいや、私、一応キズモノなんだけど…。傷つけたのはリューの実の兄だし。もう行き遅れって年齢なんだけどな。
「リュー!流石は俺達のリューだ!目のつけどころが素晴らしい」
……ロルフ兄さん。兄さんだって早く結婚しなよ~。
「わかる、流石はリューだな。阿呆王子とは違う!」
カイト兄さんまで。コウル兄さんは仕事中かな?
こうしてみるとロルフ兄さんとカイト兄さんが年中暇みたいだけど、二人だってちゃんと仕事してるのよ。
「俺達は口惜しくも兄妹だから、結婚できないが、リューなら可能!リューの目の付け所はすごくイイ」
ロルフ兄さん大絶賛。
「そうなんだよな。俺達はどんなにリンドウのことが好きでも兄妹って壁があって結婚できないんだよ。リューの選択は間違ってない!」
カイト兄さんも大絶賛。
「兄さんたち……」
リューは感動してる。私は兄さんたちが私と結婚したかったという事実を受け入れられなかった。
「父としては、反応が微妙だな。難しい。リューには今後王宮に戻ってもらう予定でいる。現王太子よりもリューの方が色々というか全てにおいて勝っているのは火を見るよりも明らか。苦労もするだろう。そんなリューに娘を嫁がせるのかと……。いや、公爵家としてはプラスだけど……」
お父様の葛藤が凄いなぁ。