12.リューの心配事
リンドウが懸命に二人の結婚式のためのドレスのデザインを考えてくれるのは非常に嬉しい。とても嬉しい。何よりも嬉しい。
しかしだ!リンドウは結婚式の日の夜の事など考えた事などあるんだろうか?
もちろん私は考えた。男だからな。あと何回寝たらいいのだろうか?状態だ。
父上も同じ道を辿ったのだろうか?
リンドウだからなぁ。今まで私の事など弟だと思ってたような人だからな。
「リュー!!さっき、やっとのことで。もう、やっとのことで、ウェディングドレスのデザインを決めたわ!」
こうして来てくれるのだが、私を愛してくれているのだろうか?家族愛はあるのだろうけど、異性としては?
「リンドウ。せっかくだから聞くが、本当に私との婚姻でいいのか?」
「なぁに?マリッジブルー?マリッジブルーって普通女性がなるんじゃないの?」
と、リンドウはクスクス笑う。
「そうねぇ、リューは我がレイル公爵家が心血を注いで紳士に育てたって言っても過言じゃないくらいよ。加えて、うっ、その眩い美貌!少し分けてほしいわ。最近は男の色気みたいのもついたんじゃない?王太子に正式になってその余裕かしら?国王からそのうち遺伝で威厳まで身に着けるんじゃないかしら?そういうわけで、婚姻適齢期をほぼ過ぎている私にはもったいないくらいのお相手よ。自信をもって!」
「リンドウだって、レイル公爵家の男性陣が虜になるほどに魅力的な女性だ」
「お父様は親バカで兄さん達はシスコンよー」
「私がリンドウと結婚したいって言った時のこと忘れたの?義兄上達はこぞって『自分たちは結婚できないからなぁ』って言ってたじゃないか!」
「ああ、シスコン過ぎ発言よね(笑)」
「はぁ。ストレートに聞こう。リンドウは私との初夜についてどう思ってるんだ?」
「あ、忙しくて忘れてた…。そんな大事な行事が待ってたなんて……。どうもこうもなるようになる!かなぁ?リューとの子なら可愛い子が生まれるだろうし♡」
私との子のことまで考えていたのか。リンドウの方が上手のようだなぁ。リンドウには敵わないなぁ。