表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
259/263

【番外編】



 私は、逃げた。

 悟様からは、異常者扱いされてしまった。

 頼れるのは、もう、玉藻様しかいない。


『残念なお知らせだよ、レイ』


 夜空を駆ける私に、玉藻様が話しかけてくる。

 足元に【霊亀】の結界を作れば、空だって飛べるのだ。

 風が頬を打ち、髪が乱れる。

 玉藻様の要件はわかっていた。


「追っ手ですね」


 霊力感知ができるので、私はすぐに敵の接近に気付けた。

 背後から迫る、鋭い気配。


『くひっ。敵ね、うん、そうだよ、レイ。敵だ。百目鬼どうめきの鬼だね』


 多分、真紅郎しんくろうさんだろう。

 霊力を消して、私に気取られないようにしている。

 でも、甘い。

 その程度で、私の感知の網を潜り抜けることはできない。


『で、どうするんだい?』


 どうする。

 真紅郎さんを傷つけることはできない。

 したくない。

 だって、大事な人だもの。

 私のことを支えてくれた、百目鬼の人たちは。


 だから。


「無視します」


 私がさらに速度を上げたことに、真紅郎さんは気づいたようだ。

 彼は【吸血鬼】の異能力を持つ。

 自らの手首を切り、血を流す。

 そして血液から眷属である、赤黒い蝙蝠こうもりを作り出すのが見えた。


 キィィィィン!


 蝙蝠の群れが、私に向かって押し寄せてくる。

 多分、私を足止めするつもりなのだろう。


『殺そうとするんじゃあないのかい?』

「ふざけないでください」


 私は声を震わせる。

 いくら玉藻様でも、言っていいことと悪いことがある。

 真紅郎さんは、そんな人じゃあない。


『そうか、すまないね。で、どうするんだい、あの蝙蝠を』


 普通の人が相手なら、こんな酷い侮辱をした時点でキレていた。

 相手が玉藻様だから、まあ、許してあげるけれど。


 私に押し寄せる蝙蝠たち。


「どうもしません」


 バジュッ!


 蝙蝠が私に近づいた瞬間、ボッと音を立てて滅した。


『今のは霊亀の結界、いや、違う。ただの霊力だ。レイの体から迸る異能ですらない、単なる霊力で、眷属が消し飛んだんだね』


 あんなの、異能を使うまでもない。

 問題は、相手が本気で異能を使ってくる場合だ。


 すなわち、真紅郎さんが吸血鬼の異能を発動し、血液のロープを放ってくる。

 その未来を、【白澤ハクタク】の異能による予知で視た。


 来る。


 私は右手を向ける。タオさん、【饕餮とうてつ】の異能を発動。

 異能無効化が、相手が異能を使ったまさにその瞬間、ドンピシャりで発動する。


 相手からすれば、異能が不発に終わったのだと思うはずだ。

 私がしたかったのはそれだ。

 相手に心理的な不安を与える。考えさせる。

 その困惑した一瞬の隙を突く。


 私は身を翻し、一瞬で真紅郎さんに接近する。

 驚愕に目を見開く彼の胸に、そっと手で触れて、【呪禁ジュゴン】を発動させた。


 相手の脳神経に、陽のエネルギーを一気に流し込む。

 神経を揺らされ、許容量を超えた真紅郎さんは、カクンと意識を落とした。


 私は落下する彼を結界でふわりと包み、安全な屋根の上に寝かせる。

 その場を後にする際、私は小さく呟いた。


 傷つけて、ごめんなさい。

 でも、私にはやらないといけないことがあるの。


【お知らせ】

※1/22(木)


新連載、スタートしました!


ぜひ応援していただけますとうれしいです!

URLを貼っておきます!

よろしくお願いいたします!


『「君を愛することはない」と白い結婚を突きつけられたので、【付与魔法】で便利グッズを作って快適な引きこもり生活を送ります~不眠症の冷徹公爵様が私の魔道具に依存して、執着がヤバいことになってる~』


https://ncode.syosetu.com/n3659lr/


広告下↓のリンクから飛べます。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★ ▼連載版はこちらから読めます! ★



↓タイトル押すと作品サイトに飛びます↓



『【連載版】加護なしの第八王女は、前世が社畜だったので王宮生活がイージーモードにしか見えない』

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ